研究情報

研究成果『試験して得られた技術事項』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「試験して得られた技術事項」の研究内容とその成果をご紹介します。

作物・その他 平成11年(1999年)農業総合試験場

パイプハウスビニール裾自動開閉装置は水稲育苗作業の省力化に有効である

ビニールハウスを利用した水稲育苗において、生育適温を保つための朝の裾ビニールまくりと夕方の裾おろしは欠かすことのできない作業である。この作業は軽作業ではあるものの育苗期間中毎日行う必要があるため精神的な負担も大きい。ビニール育苗ハウスの裾まくりを自動化することで育苗作業の省力化を図る。

作物・その他 平成11年(1999年)農業総合試験場 農事試験場

水稲乾田不耕起直播の研究・開発方向として実現性の高いのは部分耕不耕起直播方式である

低コスト稲作栽培技術における一つの最終到達点が「水稲不耕起直播栽培技術」である不耕起直播機開発の方向性を定め、より効率よく技術開発を進める。

作物・その他 平成11年(1999年)農業総合試験場

高性能無人ヘリコプターRPH2は有人ヘリコプターの代替として水稲の液剤少量散布防除作業に利用できる

水稲栽培における病害虫防除は動力噴霧機による地上散布や有人ヘリコプターによる航空散布が中心であったが、近年は栽培者の高齢化や宅地化が進み徐々に産業用無人ヘリコプター(以下RCヘリコプターと略)の利用が増えている。しかし、RCヘリコプターは手軽ではあるものの農薬など資材の搭載量が少ないため頻繁に離着陸する必要がありオペレータの負担が大きい。平成10年度より「無人ヘリコプター利用技術指導指針」に加えられた高性能無人ヘリコプター(RPH2)による水稲液剤少量散布技術の普及を図り、水稲防除作業の省力化に貢献する。

その他 平成11年(1999年)農業総合試験場

農業分野各種システム開発におけるオブジェクト指向言語の有効性

これまでに、農業分野でもコンピュータを利用したさまざまなシステム開発が行われてきているが、同じ情報(データソース)を利用しながら、システムを作成する毎にデータソースからの取り出し方法が異なっていた。また、モデルについても、すべてが一体化した状態で作成されており、作成後の変更が困難である状況にあった。各種システム開発にオブジェクト指向言語を用いることで、効率的な開発を行うことが可能となる。

畜産 平成11年(1999年)畜産試験場

ペレニアルライグラス「ヤツユタカ」の生産性と永続性

自給飼料増産に資するため、ペレニアルライグラス新品種の収量性並びに栽培上の諸特性について検討した。

畜産 平成11年(1999年)畜産試験場

産卵中期からの慣行飼料より2%程度低いCP16.3%飼料の給与はLL以上の規格卵の発生を軽減し経済性が向上する

鶏卵サイズは、M及びL規格のものが好まれ、市場価格も高い。しかし、採卵鶏では産卵初期はサイズが小さく、その後日齢経過に伴い増加し、後期はLL以上の過大卵の発生が多くなる。近年、産卵後期の過大卵の発生及び卵殻質の低下が課題となっている。そこで、産卵後期の卵重抑制技術を確立するため、産卵中期から低蛋白質飼料給与による鶏卵サイズに及ぼす影響を検討した。

畜産 平成11年(1999年)畜産試験場

市販の散布型消・脱臭資材4剤のうち1剤に効果を確認した

現在、養豚生産現場において重要な検討課題の一つとして臭気対策が指摘されている。そこで、市販されている散布型の消・脱臭資材4剤を用い、アンモニアと硫化水素に対する臭気低減効果を比較検討した。

畜産 平成11年(1999年)畜産試験場

新鮮受精卵を用いた核移植によりクローン牛の出生例を得た

核移植による1卵性多子(クローン牛)生産技術を確立し、種畜選抜の効率化や試験精度の向上を図るとともに、優良個体の大量生産技術の礎とする。

畜産 平成11年(1999年)畜産試験場

県下酪農家におけるふん尿処理の現状と問題点

酪農経営の規模拡大と専業化が進み、家畜排泄物の集中による悪臭や水質汚染などの環境問題が大きな社会問題となっている。このような状況の中、平成11年11月に「家畜排泄物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」が施行され、畜産農家はその対策に迫られている。そこで、酪農家におけるふん尿処理および畜舎排水等の処理の現状を把握するため、聞き取り調査を行った。

畜産 平成11年(1999年)畜産試験場

野菜ジュース粕とソルガムサイレージを利用したオールインサイレージはめん羊の肥育飼料として有効であった

めん羊が長野県の地域特用家畜として定着して生産が安定するために、低コスト生産を目指した飼育技術の改善が必要であり、自給飼料及び未利用飼料資源の有効利用法等検討する必要がある。そこで、食品製造会社から排出される製造粕が多くは廃棄又は焼却処分されているが、これらを利用し、低コストでより効率的な飼育管理の方法を検討した。

畜産 平成11年(1999年)畜産試験場

食品製造副産物と粉砕トウモロコシの給与が泌乳初期乳生産に及ぼす効果を明らかにした

泌乳初期における高泌乳生産を支えるためには、大量の穀物給与が必要であるが、穀物を海外生産に頼っている我が国では、生産コストが海外市場に左右されることになる。一方、畜産物流通の国際化の中で、生乳生産コストの低減がより一層求められている。このような背景のもと、牛の健康状態を良好に保った上で、低利用資源である食品製造副産物(以下BP)を用いて、その飼料特性を活かした、TMRの給与技術を確立する試験を継続している。前回の試験結果から、穀類の代替えとしてBPを多給(25%)すると乳脂率は向上するものの乳量が減少した(平成10年度関東東海研究成果情報)。そこで、今回はBP多給による泌乳量の減少を改善するための対策を検討した。

その他 平成11年(1999年)南信農業試験場

茶樹の有機質肥料による栽培と生育・収量及び荒茶品質

近年消費者の食品に対する安全志向が高まり、化学肥料や農薬を使用しない農産物が求められている。そこで、有機質肥料のみを施用した栽培における、茶樹の生育及び収量等を明らかにする。

野菜・花き・きのこ 平成11年(1999年)野菜花き試験場

やまびこしめじ(ブナシメジ)宝3号の栽培特性

平成11年10月末出荷からJA長野経済連のやまびこしめじ統一品種が宝2号から宝3号に切り替わった。育成もとのタカラアグリ株式会社では、宝3号用の培地(指定培地)を生産者に提示した。そこで、指定培地の適応性を検討すると共に、培養中の培地内水分率等の推移を調査する。

野菜・花き・きのこ 平成11年(1999年)野菜花き試験場

紙巻しないエノキタケ栽培技術

近年、エノキタケの価格低下により栽培者の経営は、極めて厳しい状況にある。そこで栽培の省力化と茎の接着が少ない特徴を生かした新しい需要の拡大(生食用、加工用)を目的として紙巻をしないエノキタケの栽培技術を検討する。

野菜・花き・きのこ 平成11年(1999年)野菜花き試験場

エノキタケのコーンコブ使用栽培における4本穴接種孔の効果

コーンコブ培地を利用したエノキタケ栽培では、菌回り日数がオガコ・コメヌカ培地より5日程度延長する。この対策として改良5本穴接種孔を協全商事(株)と共同開発した。しかし、これは口径65mm以上の広口ビン用であることから、口径58mmビン用の接種孔についても開発が求められている。以上のことから改良5本穴接種孔を改良した4本穴接種孔を開発し、その効果を検討する。

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農業関係試験場について

長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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