研究情報

研究成果『試験して得られた技術事項』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「試験して得られた技術事項」の研究内容とその成果をご紹介します。

果樹・病害虫 平成11年(1999年)果樹試験場

導入天敵チュウゴクオナガコバチによるクリタマバチの防除効果

平成4年に小布施町において放虫した導入天敵チュウゴクオナガコバチの県内分布の拡大と防除効果について調査する。

野菜・花き・きのこ・病害虫 平成11年(1999年)営農技術センター 野菜花き試験場

レタス根腐病菌Fusariumoxysporumf.sp.Lactucae各菌株の病原性差異

レタス根腐病はFusarium属菌に起因する土壌伝染性病害で,本県のレタス生産において脅威となっている病害である。本病の防除法として,抵抗性品種の利用が最も有効であるが,病原菌のレタス品種・系統に対する病原性についての知見はほとんどない。今後,抵抗性品種育成を行う上で,この点の検討が必要と考えられたことから,発病が確認された県下3地区から分離した菌株のレタス品種・系統に対する病原性について検討した。

野菜・花き・きのこ・病害虫 平成11年(1999年)野菜花き試験場

2作1回施肥マルチ栽培輪作体系によるハクサイ根こぶ病の防除

連作障害の回避と、廃プラスチック問題の解決及び省力、低コスト化等を目的として、2作1回施肥マルチ栽培における輪作体系が増加している。この時後作に、はくさいを栽培する体系でハクサイ根こぶ病の発病が抑制される現象が見られたので実証した。

果樹・病害虫 平成11年(1999年)果樹試験場

オニグルミはリンゴ炭疽病の伝染源となる

ニセアカシア,シナノグルミがリンゴ炭疽病の伝染源植物となっていることが明らかとなっている。平成11年の現地調査の結果,山林や河川敷に自生しているオニグルミの近傍のリンゴ園でも炭疽病の発生がみられた。そこでオニグルミが伝染源となりうるか検討する。

作物・病害虫 平成11年(1999年)農事試験場

DMI剤混用による無機銅剤のもみ枯細菌病に対する防除効果の低下

スターナ耐性もみ枯細菌病菌の出現により、種子消毒剤として銅剤の使用が増えると予想される。銅剤は細菌病に効果はあるものの、いもち病、ばか苗病といった糸状菌病害に対して効果がないため、DMI剤(EBI剤)、あるいはベノミル剤と混用して使用される場合が多い。一方、DMI剤の単用処理は、もみ枯細菌病の発病を助長することから(平成7年の得られた技術事項)、DMI剤あるいはベノミル剤と混用した場合の無機銅剤の効果を検討する。

野菜・花き・きのこ・土壌肥料 平成11年(1999年)営農技術センター

レタスの100%有機質肥料栽培は作期と品種等を選ぶ必要がある

JAS法の改正及び特別栽培農産物に係わる表示ガイドラインにより有機農産物、減化学肥料栽培の定義、体制が整ってきた。また、消費者の要望も強いことから長野県の主要作物であるレタスで100%有機質肥料栽培が可能か検討した。

野菜・花き・きのこ・土壌肥料 平成11年(1999年)中信農業試験場

ハクサイ根系の品種間差

ハクサイは、品種によって、根こぶ病抵抗性や芯腐れ症耐性が大きく異なっている。その要因の一つとして根の特性の違いが考えられるが、それを調べた例はほとんどない。そこで、長野県で栽培されている、抵抗性等が異なる5品種を、夏秋 2 回 2 年間栽培し、根の長さ、太さ、分布とそれらの間に関連性があるかどうかを調査した。

作物・土壌肥料 平成11年(1999年)中信農業試験場

そばの根の分布

ソバは痩せ地でもよくできることから、古くから火山灰土畑地帯で作付けが行われてきた。しかし、収量は 10a あたり 100kg 程度と低く作柄が不安定なことから、経済作物としての地位はあまり高くない。ところが近年、ソバは、健康食ブームや地域活性化の動きの中で、その中心的な作物として位置づけられるようになり、安定多収に向けた品種選定や栽培法の改善に関心が高まってきた。そこで、本研究では、ソバを標準的な栽培法で春夏の 2 回栽培し、根の長さおよび分布について調べ、今後の安定多収技術開発のための基礎データを得ようとした。

土壌肥料 平成11年(1999年)畜産試験場

可給態窒素量の評価に基づく高冷地ソルガムの窒素施肥設計法

野菜の連作障害回避やソバ栽培畑の地力維持のために飼料作物を組み合わせた地域輪作体系が注目されている。しかし、新たに輪作体系を組む場合、一定の年数が経過するまでは圃場の窒素肥沃度が変動する。そこで、このような地域輪作体系下でのソルガム栽培を支援する目的で、高冷地のソルガムを対象に、土壌の可給態窒素養分の変動に対応できる窒素施肥設計法を構築した。

土壌肥料 平成11年(1999年)畜産試験場

オートクレーブ抽出液の紫外2次微分スペクトルによる可給態窒素量の推定法

可給態窒素量(保温静置法)は窒素の施肥設計における重要な指標であるが、測定結果が得られるまでに日数を要することから、現在、その簡易測定法として中性リン酸緩衝液で抽出される有機態窒素を測定する方法が定法となっている。しかし、この方法は、①抽出時の室温を一定に保つ必要がある、②ろ液を採取するための前処理として遠心分離を行う必要がある、③抽出有機態窒素を分析する必要がある、④黒ボク土での推定精度が低い等の問題点をもっていることから、これに替わる可給態窒素量の迅速測定法について検討した。

果樹・土壌肥料 平成11年(1999年)農業総合試験場

水田土壌における可給態けい酸の動向

土壌および環境の保全を目的に、昭和54年から5年サイクルで県内農耕地の土壌変化を調査している。ここでは昭和54年より平成10年までの20年間、水田土壌における可給態けい酸の変化を検討した。

野菜・花き・きのこ・その他 平成11年(1999年)農業総合試験場

全面マルチ用レタス収穫機の開発

本県生産野菜の主要品目であるレタスの収穫作業は未明から、長時間のかがみ姿勢を強いる手作業によって行われており、機械化による軽作業化、高能率化が望まれている。また、栽培は全面マルチで行われているため、これに対応した単純で安価なレタス収穫機の開発が求められる。そこで、これらの条件を満たす長野県向けのレタス収穫機を開発したので公表し、実用化に向けての改良を促す。

野菜・花き・きのこ・その他 平成11年(1999年)農業総合試験場 中信農業試験場

小型トラクタ用畝立て同時播種マルチ機は2畦マルチ栽培において畝立て・播種・マルチ張りの3作業が一工程でできる

ハクサイの直播栽培地帯においては、2畦畝立てマルチ、マルチ穴あけ、播種と3工程に作業が分離して行われている。これらの作業を機械化し同時化することによりハクサイ栽培の省力化・軽労化を図る。

作物・その他 平成11年(1999年)農業総合試験場 農事試験場

10条代かき同時土中点播機は8条型に比べ1.5倍に作業能率が上がった

平成10年度に普及に移した「代かき同時土中点播機(通称:ショットガン直播機)」は作業幅が2.4mの8条型であったが実際の作業に際しては作業能率の高い10条型が主流となる。10条型代かき同時土中点播機の作業能率が明かとなったので、播種作業計画立案の参考資料として活用する。

畜産・その他 平成11年(1999年)農業総合試験場

スリップロールを利用したトラクタ直装型畑用播種機(試作機)はそば・飼料作物(ヘアリーベッチとライ麦の混播・ソルガム)の播種ができる

畑地輪作の安定多収のためには適期作業が必須条件である。スリップロールを利用したトラクタ直装型畑用播種機は、土壌水分や前作物残渣に影響を受けずに播種作業が可能なため適期播種の励行に有効である。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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