研究成果『試験して得られた技術事項』
長野県農業関係試験場にて取り組んだ「試験して得られた技術事項」の研究内容とその成果をご紹介します。
平成12年(2000年)野菜試
アスパラガスの茎葉とアレロパシーの関係についてアスパラガスの茎葉枯死後の残茎については、現場では長野県の防除基準に基づいて焼却処分されているが、煙霧が激しく、近年、環境問題に対する意識の高まりから問題になっており、アスパラガスの残茎の適正処理に対する要望が挙がっている。そこで、アレロパシーの検定法を用いて、アスパラガスの茎葉を利用することが生育抑制の原因になるかを検討する。 |
果樹 平成12年(2000年)南信試
日本なし「幸水」のえき花芽着生に及ぼす環境、樹体条件の影響日本なし「幸水」は本県の基幹品種であるが、近年樹齢の経過とともに収量が低下しており、その回復が急務となっている。収量性低下の一要因としてえき花芽着生の不良による着果不足が考えられるため、えき花芽着生に及ぼす栽培環境,樹体栄養,樹体生育との関係について検討した。 |
果樹 平成12年(2000年)果樹試
ぶどう「ロザリオビアンコ」用果実カラーチャートは顆粒熟度の判定に利用できる「ロザリオビアンコ」では収穫基準が定められていたが、緑黄色系の果実カラーチャートがないため未熟で食味の不良な果実や外観が不揃いな果実が収穫される場合があった。果皮色による収穫期の判定をより正確に行うために、緑黄色系用の果実カラーチャートをオフセットカラー印刷により作成した。 |
果樹 平成12年(2000年)果樹試 農総試
りんご「つがる」に対するストッポール液剤の散布方法と果実品質落果防止剤ストッポール液剤は、収穫開始予定日25日前に1回散布する、もしくは、収穫開始予定日25日前と15日前の2回散布する。散布においては、展着剤は不必要で、濃度は1000~1500倍で使用する。近年、収穫開始予定日の25日以前から散布する場合や、展着剤を加用した散布がみられる。そこで、ストッポール液剤を収穫開始予定日の25日以前から散布した場合、ならびに、散布に展着剤を加用した場合の果実品質について、特に、貯蔵した場合の硬度の変化について検討した。 |
果樹 平成12年(2000年)南信試
りんご「シナノレッド」の収穫後の果実品質変化リンゴ「シナノレッド」は、8月の上中旬に収穫できる品質の良い早生リンゴであるが、完熟した果実の日持ち性が劣ることや生理障害の発生が問題とされ、現在栽培は一部の地域に限られている。南信地域でも栽培されているが、日持ち性を考慮した収穫適期を把握することが求められている。そこで、地色別に分類した果実を室温下で貯蔵して品質の変化を調査し、貯蔵性を考慮した収穫適期の判定について検討した。 |
野菜・花き・きのこ・病害虫 平成12年(2000年)野菜花き試験場
苗箱への薬剤灌注散布によるキャベツのコナガ防除近年,キャベツ,はくさい,レタスなどでは育苗にセルトレーを用いるセル成型育苗がおこなわれている。さらに大規模育苗センターによるセル育苗がおこなわれている。また害虫防除の面では,定植時の粒剤の植穴処理が普及している。しかし,この処理は労力がかかり,実用面では問題がある。育苗期後半の粒剤処理も登録が増えてきているが,簡便な方法ではない。そこで,省力的で効果の高い防除方法を開発する。 |
果樹・病害虫 平成12年(2000年)果樹試験場
リンゴ黒星病発生予察器Metos-Dによる感染予測の適合性リンゴ黒星病発生予察器の感染予測の適合性を検討する。 |
野菜・花き・きのこ 平成12年(2000年)野菜花き試験場
菌茸施設内における環境殺菌剤散布後の経過時間と殺菌効果きのこ栽培において施設の薬剤散布消毒を行っているにもかかわらず害菌汚染による被害の発生が見られる。こうした場合の薬剤散布は、放冷、接種の直前や栽培ビンを入れる作業の直前に散布されていることが多い。これまでの試験において薬剤散布1時間後の落下菌調査の結果、殺菌効果が現れていないことが確認されている。そこで薬剤散布後の経過時間ごとに害菌の推移を見ることにより、殺菌効果を確認し、適正な環境浄化方法を明らかにしようとした。 |
野菜・花き・きのこ 平成12年(2000年)野菜花き試験場
シネンシス系スターチス「スーパーレデイーローズ」の苗冷蔵による3月切り技術シネンシス系スターチスは、フラワーアレンジの添え花に適することから需要が高まっており、また、近年組織培養苗の販売により、揃いが良く、花色も豊富になったことから急激に生産が伸びてきた。そこで、苗冷蔵を利用して、需要期である3月出荷作型の確立を図る。 |
野菜・花き・きのこ 平成12年(2000年)野菜花き試験場
シネンシス系スターチス「スーパーレディーローズ」、「スーパーレディー」の自然低温を利用した4月切り技術シネンシス系スターチスは、中国、台湾原産のシネンシス種を親に持つ系統で、ピンク、白、黄色等のがくをスプレー状につける。フラワーアレンジの添え花に適することから需要が高まっている。さらに、近年の組織培養苗の販売に伴い、揃いが良く、花色も豊富になったことから急激に生産が伸びてきた。本種を秋に定植して無加温栽培を行うと5月以降に出荷が集中するため、春切り作型で早期開花をねらい、自然低温遭遇後加温する場合には、出荷期の前進効果が不安定な点があり、問題となっている。そこで、加温開始時期を変えて生育開花に適する低温要求量を検討し、4月出荷技術の確立を図る。 |
野菜・花き・きのこ 平成12年(2000年)野菜花き試験場
トルコギキョウのF1品種「長花交23号」「長花交24号」「長花交25号」「長花交26号」「長花交27号」の育成本県オリジナル品種により作型分散と有利販売をおこなうために、比較的栽培が容易で品質の揃いが良いトルコギキョウのF1品種を育成する。 |
野菜・花き・きのこ・その他 平成11年(1999年)農業総合試験場
葯培養によるトルコギキョウ胚様体誘導技術トルコギキョウ交雑育種の年限短縮、および形質転換体の種子における付与形質安定のために倍加半数体の利用が必要であった。このため比較的培養変異が少ないと考えられる胚様体経由の半数体作出を目標に葯培養条件を確立する。 |
その他 平成11年(1999年)南信農業試験場
天蚕飼料樹としてのクヌギの栽培天蚕飼料樹として代表的なクヌギについて、植付密度、肥培管理等、苗木からの栽培法について検討し適正な天蚕飼育林造成による天蚕繭の安定生産に資する。 |
野菜・花き・きのこ・病害虫 平成11年(1999年)南信農業試験場
ナミハダニの農薬に対する感受性簡易検定法現場で直面しているナミハダニの農薬に対する感受性について、特別な実験器具を持たない農家や現場の指導者が、大まかな傾向をつかむための安価で簡単な検定方法を開発する。 |
野菜・花き・きのこ・病害虫 平成11年(1999年)野菜花き試験場
トマトのハダニ類に対するケルセン乳剤の効果ここ数年,トマト栽培圃場で,ハダニ類の発生が問題となっている。これまでトマトではあまりハダニ類が発生しなかったことから,登録薬剤はほとんどない。また,トマトでは,発生初期の葉への症状が明瞭でないため,発生の確認が遅れて多発状態になりやすい。また,ミニトマトでは金粉症状を引き起こす原因の1つとなる可能性がある。そこで,ハダニ類の防除対策を検討する。 |