研究情報

研究成果『試験して得られた技術事項』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「試験して得られた技術事項」の研究内容とその成果をご紹介します。

作物・その他 平成12年(2000年)農総試 農事試

田植機側条施肥装置の繰出部を改良することにより水稲の直播作業が可能となる

低コストな水稲条直播機として、田植機の粒状肥料施肥装置を利用した直播機が開発されており、その条直播機としての性能を把握し、低コスト直播栽培確立の資とする。

果樹・病害虫・その他 平成12年(2000年)農総試 果樹試

アメダス気象情報を利用したリンゴ黒星病感染予測情報提供システム

果実に深刻な被害をもたらすリンゴ黒星病の感染好適条件を把握するために、アメダス気象情報を利用したリンゴ黒星病感染予測情報提供システムを構築した。このシステムから得た情報を基に、適期に効率的なリンゴ黒星病防除を行うことを目的とした。

その他 平成12年(2000年)農総試

数理計画法計算ソフトを用いた作付け計画作成支援プログラム

農業の後継者不足、担い手の高齢化、労働過重が深刻化する中で所得の維持、向上を目指しながら、労力的にもゆとりのある経営計画を立てることは経営者にとって重要な課題となっている。このため作付け計画作成に対する支援プログラムを作成し、経営指導時に活用することで農家の所得向上や労働条件改善を図る。

平成12年(2000年)農総試

うめ「竜峡小梅」はOPP微細孔フィルムで500g密封包装すると、20℃の条件下であれば品質が一週間保持できる

青うめは呼吸量が高いこともあって、収穫後の鮮度低下が速く、小売段階で黄化が始まっている事例もある。そこで、包装したときに果実間隙の少ない「竜峡小梅」を対象に検討し、小うめの品質保持に効果の高い、機能性フィルムを用いた小袋密封形態を選定した。

畜産 平成12年(2000年)畜試

高消化性ソルガム「葉月」の散播栽培において、播種量を10a当たり8Kgにすることで、ヒユ類やアカザ等の雑草を抑制し、除草剤を使用しない栽培が可能である

高消化性遺伝子'bmr'を導入したソルガム「葉月」は茎葉が柔軟で、密植栽培下でも優れた耐倒伏性を示し、再生力も兼用種としては良好なことから、散播・密植栽培、年2回刈りによるロールベール・ラッピング利用体系が可能である。一方、飼料作物における雑草防除に関しては耕種的方法等によって、過度に除草剤に依存しない防除技術が求められており、環境保全型雑草制御技術の確立が不可欠である。そこで「葉月」の特性を踏まえ、無除草、散播栽培における適正播種量の検討を行った。

畜産 平成12年(2000年)畜試

ライ麦の散播栽培における播種量は、収量性、収穫ロス及びロールベールサイレージ品質を考慮すると、10a当たり4~6Kgが適正である

自給飼料の増産を図るためには、夏作と冬作を組み合わせた作付け体系の確立が重要である。しかし、冬作飼料作物は本県の気象的条件、および夏作との収穫、播種作業の競合等の問題から作付けが伸びていない。ライ麦は、適正な品種を選定することにより播種および収穫時期の幅を持たすことが可能であるとともにロールベール・ラッピング処理体系への適応も可能であるため、本県の自給飼料生産量を向上させるために有望である。そこで、ライ麦の散播栽培における適正播種量を明らかにする目的で試験を行った。

畜産 平成12年(2000年)畜試

飼料イネは、品種により飼料成分及び栄養価が異なった。サイレージ調製時の乳酸生成量及びpHは、品種間差が認められた

イネの飼料利用を目的として、飼料イネの部位別飼料成分を品種ごとに明らかにして栄養価の高い品種を選定する。また、比較的収量性の高い品種については、サイレージ調製し、発酵品質に及ぼす品種間差について検討する。

畜産 平成12年(2000年)畜試

系統間交雑種LW種雌豚「シンシュウナガラクロス」は、日本飼養標準より高い1日平均増体重700g程度で最も効率良く育成できる

本県系統豚「シンシュウL」雌と岐阜県系統豚「ナガラヨーク」雄との系統間交雑LW雌豚「シンシュウナガラクロス」は、従来のF1雌に比べて、育成期の発育が著しく速く、現行の飼養標準からも外れていると思われる。このことから、種豚育成期(体重60~120㎏)の飼料給与試験を実施した。

畜産 平成12年(2000年)畜試

黒毛和種種雄牛「丸山福」号は、ロース芯面積、バラの厚さ及び推定歩留に高い遺伝能力をもつ

産肉能力の高い黒毛和種の子牛を生産するため、遺伝能力の高い種雄牛を選抜する。

畜産 平成12年(2000年)畜試

モミの肥育牛飼料用加工処理法として圧扁は、サイレージ化よりも消化性に優れる

近年、米生産調整の水田転作作物として飼料イネの生産が図られ、当場でもモミ及びワラを利用した肥育試験を現在実施中である。そこで、モミの適正な加工処理方法を明らかにすることを目的として、加工処理法の違いによる消化性及び嗜好性について検討した。

野菜・花き・きのこ 平成12年(2000年)野菜試

エノキタケ子実体発生不全の変異は、BTBアッセイ法により検出できる

エノキタケの種菌変異は、収量減収、品質低下等多大な損害を与えるが、現在子実体発生による検定しか確実に知る方法はなく、種菌センター等では種菌を配布した後に変異が確認されることがある。このため、菌糸の状態で変異を検出する技術が必要である。平成11年度までに当場菌茸部が一部協力し、農林水産省森林総合研究所が開発したエノキタケの変異を菌糸状態で簡易に検出できるエノキタケ変異株簡易識別法(以下、BTBアッセイ法)について、各種の子実体発生不全株及び形成不全株に対する有効性の検定とその方法を確立する。

野菜・花き・きのこ 平成12年(2000年)野菜試

ブナシメジ栽培における寒天培地を利用したダニ類発生調査法

ブナシメジの培養中にダニ類による害菌伝搬が大きな問題となっている。ダニの発生初期に防除対策を行うことが効率的な害菌被害の軽減に重要である。寒天培地(PDA)はダニ類の簡易トラップとして利用可能であることを、平成11年に農林水産省森林総合研究所で明らかにした。そこで、この簡易トラップの有効な利用方法を検討する。

平成12年(2000年)南信試

オキシペタルムの鮮度保持技術

オキシペタルムは涼しげなブルーの花色から夏場でも需要が高いが、高温期の輸送で段ボール箱内での花弁の萎凋などが問題となっている。そこでさまざまな花の老化に関与している、エチレンの感受性、発生量を明らかにするとともに、エチレン作用阻害剤であるSTSとスクロースによる品質保持効果を確認する。

平成12年(2000年)農事試

コンテナ栽培によるリンドウの促成栽培

今後リンドウの消費拡大を進める上では洋花的イメージへの品種改良と合わせ、栽培面では促成栽培を中心とした作型拡大が必要である。しかし、リンドウの促成栽培は施設の利用効率が悪い等の理由であまり普及していない。そこでコンテナ栽培により加温の必要な時期だけ施設に搬入する栽培方式の利用が有効と考えられるため、技術確立にむけて検討した。

平成12年(2000年)農事試

冷涼気候を活用したシンビジュームの切り花生産

シンビジュームの切り花生産は現在、温暖地域を中心に行われているが、鉢花生産の例にみるように、今後、夏季冷涼な高標高地域が早期高品質生産の適地になる可能性がある。また、切り花期(冬~春)を除き労力を要しない省力品目としての特徴があるため、夏秋期に労力が集中する本県の専業的花き経営での組合せ品目としても注目される。そこで当試験地の高標高条件における生育開花等の生態を把握するとともに、栽培実証を通じて実用生産への可能性を検討した。

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農業関係試験場について

長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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