研究情報

研究成果『試験して得られた技術事項』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「試験して得られた技術事項」の研究内容とその成果をご紹介します。

果樹 平成13年(2001年)果樹試

M.9ナガノ台木の根量、台芽の取り扱いとリンゴ1年生苗木の生育

リンゴ1年生苗木を育成する際、台木から発生する新梢(以下、台芽)は、貯蔵養分の浪費を防ぐため、早めにかき取られることが多い.しかし、発根量の少ない台木を用いた場合、早い時期に台芽のかき取りを行うと苗木の生育が劣り、場合によっては枯死することも見られる.そこで、取り木によって繁殖したリンゴわい性台木M.9ナガノを用い、台木の根量、および台芽の取り扱い方法が、1年生苗木の生育に及ぼす影響を調査した.

果樹 平成13年(2001年)果樹試

りんご「シナノゴールド」わい性台木幼木主幹形樹の主幹延長枝の切り返しと側枝誘引による生育特性

りんご「シナノゴールド」は、食味と貯蔵性が優れる中生種として各地で導入されている。しかし、主幹部や側枝上のはげ上がりや側枝上に徒長枝が発生しやすいことなどが問題である。そこで、わい性台木幼木主幹形樹の主幹部の新梢確保と側枝上に中短果枝を確保するための樹体管理法を明らかにする。

作物・土壌肥料 平成13年(2001年)南信試

酒米の良質安定生産のための適正栽植密度と追肥時期

酒米は大粒で心白発現のよい良質米が要求されているが、県下の酒米産地は多収地帯が多く、品質の低下が指摘されており、酒造好適米「美山錦」及び新品種「ひとごこち」の酒造用高品質米生産のための良質安定栽培法を検討する。

作物 平成13年(2001年)農事試

大型収穫機を利用するための飼料イネの水管理法

飼料イネの収穫には、現状では畜産農家が所有しているトラクター牽引の大型収穫機が用いられる場面が多く、軟弱な水田では作業機が沈み、効率的な収穫作業ができない。このため、早期落水により収穫時の水田の地耐力(土壌硬度)を高める必要がある。しかし早期落水は、イネの生育を阻害し、生産量の低下が懸念される。このため、飼料イネの生産量を落とさず、効率的な収穫作業を可能とする土壌硬度を得るための、水管理方法について検討した。

作物 平成13年(2001年)農事試 南信試

水稲の帯緑色籾歩合と米の品質及び胴割との関係

長野県の平成12年産米は、高温登熟と収穫期の遅れにより胴割米が大発生し、卸・流通業者からの苦情、在庫の停滞が問題となった。長野県産米は1等比率は他県より高いものの、胴割による等級低下割合は全国1位である。このため、恒常的な収穫遅れを是正するため、平成13年度より「帯緑色籾歩合」による収穫時期判定を試行した。しかし、帯緑色籾歩合と収量・品質・胴割との関係を明確に実証しないまま試行したため、この関係を明確にし、適期収穫の指針を作成する。

平成13年(2001年)南信試 農総試

「市田柿」干し柿は、ナイロン系フィルムで密封包装し、10℃以下の低温で貯蔵すると60日程度の貯蔵が可能である

下伊那地方の特産品である市田柿(干柿)は、健康食品としての評価が高まっていることもあり、生産量が増加している。このため、これまで主流であった年内販売に加え、年明けの消費拡大が早急な課題となっている。市田柿は、長期貯蔵した場合、果肉の硬化、白粉の消失(もどり、泣き)、カビの発生等により、品質低下が起こる。これらの問題を解決し、60日程度の長期貯蔵を可能にするために、品質保持資材、フィルム包装、低温貯蔵を組み合わせ、適正な貯蔵方法を選定した。

平成13年(2001年)南信試 農総試

通常出荷形態の「市田柿」干し柿の貯蔵温度と品質保持期間

JAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)の改正に伴い、干し柿に賞味期限,保存方法の表示が平成13年4月から義務づけられた。そこで「市田柿」について賞味期限(品質保持期限)を設定するための基礎資料を得ることを目的に、各種保存状条件下での品質変化について調査を行った。

野菜・花き・きのこ・病害虫 平成12年(2000年)野菜試 中信試

レタス根腐病菌の汚染拡大要因

レタス根腐病の発生圃場面積は拡大しつつあり、病原菌の圃場間伝播が生じていると考えられる。病原菌の伝播をもたらす要因としては、風食により飛散する土壌、育苗段階における苗に対する病原菌汚染、トラクターに付着した土壌の移動等が考えられる。そこでこれらの要因を確認するため、風食土壌及び育苗施設床土から病原菌の検出を試みる。さらにトラクターから剥離した汚染土壌の有効な殺菌方法について検討する。

野菜・花き・きのこ・病害虫 平成12年(2000年)野菜試

レタス葉面から分離した拮抗細菌接種によるレタス腐敗病の発病抑制

レタス腐敗病の発生は、大きな生産阻害要因になっている。防除薬剤の銅剤、ストレプトマイシン剤等は薬害の発生する危険性や収穫前使用日数の制限により、防除可能な期間が短く、防除効果も不十分である。また銅剤、ストレプトマイシン剤に対する耐性菌の存在も確認されている。さらに環境保全型農業推進から化学農薬の使用はできるだけ控えることが望ましいと考えられる。そこでレタス葉面細菌を利用したレタス腐敗病の生物防除技術を開発する。

野菜・花き・きのこ・病害虫 平成12年(2000年)南信試

きゅうりのウリノメイガに対する数種薬剤の防除効果

近年南信地方のきゅうりを中心に、ウリノメイガの多発が問題となっているが、県の防除基準には採用されていなかったので、他害虫の防除で採用されている殺虫剤の効果を検討した。

土壌肥料 平成12年(2000年)南信試

アスパラガス雨よけ栽培における塩類集積回避型肥料の土壌に対する連用効果

施設栽培の土壌は、一般に多肥条件下にあり、土壌pHの変動、電気伝導率(EC)の上昇、塩類集積などの問題が生じやすい。それに対する改善技術として肥料の副成分である硫酸イオンや塩素イオンをほとんど含まない塩類集積回避型肥料が開発された。雨よけ栽培では、周年、降水が遮断されるわけではないが、アスパラガスのような多年生作物の栽培では土壌改良が行われにくく、肥料等の表層への連用により施設栽培と同様に土壌化学性の劣悪化が生じやすい。そこで、アスパラガス雨よけ栽培に塩類集積回避型肥料を連用した時の土壌に及ぼす影響を年間にわたり検討した。

土壌肥料 平成12年(2000年)営技セ

窒素・ホウ素の過剰がレタス・はくさいに与える影響

現場のレタス、はくさい栽培は施肥量が過剰の傾向がみられる。肥料過剰の症状がどのようなものか問い合わせはあるがレタス、はくさいにおける肥料過剰の症状は明確になっていない。そこで硝酸態窒素、アンモニア態窒素、ホウ素の過剰でどのような症状が発生するか水耕栽培により検討した。

土壌肥料 平成12年(2000年)野菜試

カーネーション灌水同時施肥栽培の現地圃場での養水分動態

カーネーション栽培では潅水同時施肥(養液土耕)栽培が現地で導入されてきているが、潅水方法が慣行(畝全体に均一に潅水する方法)と異なり、点滴潅水(水が土壌表面の特定の一点から土壌内に侵入し内部に拡散)を行うため、土壌中の養水分の動態が従来と異なる。この特徴を把握しないと、潅水同時施肥栽培の導入効果が現れないばかりか、生産性がかえって低下する場合がある。そこで、潅水同時施肥栽培を導入した圃場の養水分動態を調査する。

野菜・花き・きのこ・その他 平成12年(2000年)農総試 野菜試

液状マルチ「ブラックリキ」は地温の昇温効果があり、アスパラガスの萌芽促進に有効である

液状態で散布し、地表面で固化する液状マルチ(ブラックリキ)のマルチング効果(主として地温の昇温)を利用したアスパラガスの萌芽促進と、マルチ回収作業の省略による省力化を図る。

作物・その他 平成12年(2000年)農総試

田植同時除草剤散布機(ヤマトY-224A)を用いると、田植作業と同時に粒状除草剤が散布できる

田植えと同時に除草剤散布作業も完了し作業競合が緩和されるため、ゆとりある農作業が可能となる。

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農業関係試験場について

長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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