研究情報

研究成果『試験して得られた技術事項』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「試験して得られた技術事項」の研究内容とその成果をご紹介します。

作物・病害虫 平成17年(2005年)農事試

県内におけるMBI-D剤耐性いもち病菌の発生実態と対策

長期残効性いもち剤として県内でも広く普及されている MBI-D 剤に対する耐性菌が、平成 13 年以降西日本を中心に広く拡大している。そこで県内での MBI-D 剤耐性いもち病菌の発生実態を調査し、その対応策を示す。

土壌肥料 平成17年(2005年)中信試

春期の風食防止のための小麦規格外種子のは種期及びは種量

春先の風食を防止するため小麦規格外種子(グレーダー下)を利用する場合、は種期は11月初旬まで、播種量は20kg/10a以上で効果が高い。

土壌肥料 平成17年(2005年)中信試

牛ふん堆肥に残留するクロピラリド等ホルモン型除草剤の生物検定法

牛ふん堆肥に有害なレベルで残留したホルモン型除草剤を検出するには、堆肥を混合した土壌でさやえんどうを3週間程度栽培する生物検定法が簡易で実用的な手法として有効である。

土壌肥料 平成17年(2005年)中信試

牛ふん堆肥に残留する除草剤クロピラリドによる作物の生育障害

ホルモン型の除草剤であるクロピラリドが残留している牛ふん堆肥を多施用した場合、ナス科、マメ科、キク科、セリ科に属する作物はクロピラリドに対して感受性が高く、生育障害を起こす可能性がある。

土壌肥料 平成17年(2005年)中信試

牛ふん堆肥によるミニトマトの異常生育の原因解明

現地で発生したミニトマトの異常生育(生長点の奇形、単為結果)の原因は、特定ロットの牛ふん堆肥に残留した除草剤クロピラリドによるものであると考えられる。

土壌肥料 平成17年(2005年)野菜花き試

アスパラガス2年株の窒素吸収特性

アスパラガス2株は萌芽開始以後、窒素の吸収が開始する。施肥時期による肥効の違いは、遅い施肥ほど早期に吸収され、窒素利用率も高い。また、吸収した窒素の約半量が施肥由来であり、残りの約半量は土壌窒素由来である。

作物・その他 平成17年(2005年)農総試

大豆狭畦密植無倍土栽培における産業用ヘリコプターによる液剤少量散布の防除効果と薬剤付着性

大豆狭畦密植無培土栽培における産業用無人ヘリコプター(RCヘリ)による液剤少量散布は、地上散布に比べて同等の液剤付着量であり、防除効果も同等である。

果樹・その他 平成17年(2005年)農総試

ブームスプレーヤ用ドリフト軽減ノズル「エコシャワー」はドリフトが少なく、慣行ノズルの補完として利用できる

ドリフト低減ノズル「エコシャワー」は、ドリフトが少ないブームスプレーヤ用ノズルとして有用である。防除効果は慣行ノズルと同等またはやや劣る場合があるので、慣行ノズルの補完としてドリフトを避けたい場合に利用できる。

作物・その他 平成17年(2005年)農総試

水稲用軽量育苗倍土「しなの軽量倍土」は育苗作業の軽労化に有効である

「しなの軽量培土」はピートモスを主体とした水稲用育苗培土で、苗の生育等は従来の育苗培土と同等であるが、軽量なため育苗作業や移植作業時の取り扱いが容易で、作業の軽労化に有用である。

作物・その他 平成17年(2005年)農総試 農事試

不耕起栽培を取り入れた小麦・大豆輪作体系の経営評価

水田の総合的な高度利用に対応するため、作業省力効果がある不耕起栽培を取り入れた小麦・大豆の3年1巡、4年1巡の輪作体系によって、時間当たりの所得向上または面積拡大が期待できる。

畜産 平成17年(2005年)畜試

フレール型飼料イネ収穫機で調整したライムギ及びイタリアンライグラスのロールベールサイレージ品質

フレール型飼料イネ収穫機でイタリアンライグラスを調製すると、ダイレクト調製、予乾方式とも乳酸含量が高い発酵品質良質なロールベールサイレージができる。ライムギでは刈取り後、24時間予乾することで適度な水分含量のサイレージができる。

畜産 平成17年(2005年)畜試

ソルガム市販品種の養分吸収特性

ソルガム市販品種の養分吸収特性を比較するとスーダン型ソルガムに属する「SS701(つちたろう)」は他のソルガム品種と比較して養分吸収量、成分濃度ともに非常に高かった。

畜産 平成17年(2005年)畜試

ソルガムとライムギの周年作付けによる土壌中硝酸態窒素の低減効果

ソルガム収穫後にライムギを作付ける1年2作は、ソルガム単作と比較して年間の窒素吸収量が多く、堆肥を多量施用した場合を除き、窒素利用率が高い。ポーラスカップで採水した土壌溶液中の硝酸態窒素濃度は1年2作がソルガム単作に比較して年間を通して低く、土壌下層へ移行する硝酸態窒素の低減が期待できる。

畜産 平成17年(2005年)畜試

ニホンジカの食害がイタリアンライグラス1番草の生育にと収量に及ぼす影響

ニホンジカは2月から5月の間に最も多く牧草地へ侵入し、最大で一晩あたり70~80頭に達した。冬季のニホンジカによる食害は、イタリアンライグラス1番草の生育と収量に影響が大きく、草丈は14cm低くなり、乾物収量は63%に減少した。

畜産 平成17年(2005年)畜試

ニホンジカの食害が混播永年草地の乾物収量に及ぼす影響

混播永年草地におけるニホンジカの食害は1番草が主体であり、マメ科牧草(シロクローバー、アルファルファ)の被害が大きかった。放任区の1番草マメ科牧草の乾物収量は、対照区(防護区)対比で49%(平成16年)と31%(平成17年)に低下した。一方、1番草イネ科牧草の乾物収量は、同じく95%(平成16年)と68%(平成17年)に低下する傾向にあったが、マメ科牧草に比べて調査地点のバラツキが大きかった。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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