研究情報

研究成果『試験して得られた技術事項』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「試験して得られた技術事項」の研究内容とその成果をご紹介します。

畜産 平成13年(2001年)畜試

傾斜度解析用ソフトを用いて県内公共牧場44カ所の傾斜度別面積を算出した

長野県内の公共牧場について傾斜度解析用ソフトを用いた草地の傾斜度別面積を算出し、傾斜条件に適応した草地の管理、更新を行うための基礎資料とする。

畜産 平成13年(2001年)畜試

豚の黄体開花期にPGF2αを連続投与すると黄体退行を誘起でき、人為的発情調整が可能となる

畜産 平成13年(2001年)畜試

超早期離乳母豚における分娩後の子宮が修復に要する期間は、14~21日と推定された

豚の分娩後発情回帰日数は、自然哺育母豚においては離乳後3~7日である。一方、分娩後6~12時間で離乳する超早期離乳母豚の場合、妊娠黄体は分娩後約7日で消退するとともに、分娩後6~8日で小卵胞の発育が開始され、分娩後約14日で発情が回帰して排卵に至り、受胎可能となることが認められている。しかしこの場合、受胎はするものの産子数が少ない傾向である報告も認められる。そこで、分娩時に最も物理的ダメージを受け、胚の着床に大きな影響を与える子宮の修復状態を確認し、超早期離乳母豚の分娩後の交配時期を検討する。

畜産 平成13年(2001年)畜試

肉豚の肥育後期用飼料にビタミンEを添加することにより、精肉のドリップが減少した

豚肉の銘柄化を行うには特徴ある豚肉を生産する必要がある。そのため、飼料中にビタミンEを添加して肉の保存性に良い特徴が付与できる肉豚生産技術を開発する。

畜産 平成13年(2001年)畜試

コーンコブミールを使用したえのき茸廃培地は肉用牛繁殖用飼料原料として期待できる

肉用繁殖経営は高齢化、後継者不足等の問題を抱え、年々繁殖農家戸数の減少が進んでいる。このため高齢者、婦人及び新規参入者でも容易に繁殖牛が飼養でき、また、土地基盤に制約のある地域での規模拡大や農家における労働力集約が可能な飼養技術の開発が求められている。また、資源循環型農業推進のためには農業廃棄資材等の再生利用とその循環を図る必要がある。これらのことからえのき茸廃培地を飼料原料として再利用し、低コストで省力化の可能な繁殖和牛用混合飼料とその給与方法を開発する。

畜産 平成13年(2001年)畜試

めん羊の季節外繁殖技術において、合成黄体ホルモンを塗布したヒト生理用タンポンを用いて発情を誘起し、受胎例を得た

めん羊の季節外繁殖は、2年3産とラム肉の通年供給を可能にするために有効な技術であり、膣内リング法(武田、1984)、膣内スポンジ法(福井、1991)、膣内クリーム法(河野、1996)等試みられているが、何れも手技が煩雑で実用性に乏しい。そこで、より簡易でしかも受胎率の向上を目的に、膣内挿入器材として入手容易なヒト生理用タンポンを用いて発情誘起・種付する方法を試みた。

畜産 平成13年(2001年)畜試

フリーストール牛舎内に用いる敷料を通路には撒布しないことにより、牛のストール利用性が向上し、牛体の汚染が大幅に抑制される

乳牛のフリーストール牛舎において、牛群のストール利用性が低いと牛体が汚れ、搾乳の作業性が悪化するとともに乳房炎の誘因となる。牛のストール利用性は施設のデザインや素材などによって影響されると考えられているが、日常の管理方法によってもストールを取りまく牛の行動を制御できる可能性がある。そこで、ストールと通路における敷料の使用条件を切り替えて、牛のストール利用性に及ぼす影響を明らかにする。

畜産 平成13年(2001年)畜試

飼料イネのTDNは籾比率40%の時、乾乳牛(乾物摂取量体重比1.7%)では49%/DM程度、泌乳牛(乳量30kg・乾物摂取量体重比3.5%)では40%/DM程度と推測される

飼料イネを乳牛に給与した場合、子実部が未消化のまま排泄されることが認められている。そこで子実の消化性が、泌乳ステージの違いによってどのように異なるか調べ、飼料イネの栄養価について推定する手法を検討する。

その他 平成13年(2001年)南信試

一番茶の摘採適期予測方法

本県における一番茶の摘採適期を予測することにより、摘採労力確保の円滑化と適期摘採による製茶品質の向上を図る。

野菜・花き・きのこ 平成13年(2001年)野菜試

ぶなしめじ「長菌11号」の栽培特性

育種目標は、短期熟成・高収量・高品質・苦味がない良食味の品種の作出を目指す。

野菜・花き・きのこ 平成13年(2001年)野菜試

子実体直接凍結維持法によるエノキタケの種菌製造

エノキタケの種菌の維持・増殖法としては、現在、寒天培地による植え継ぎ法やオガコ・コメヌカ標準培地による継代法、液体窒素を用いた超低温保存法が行なわれているが、何れも変異の危険性や、操作の難しさ、機材の維持などの課題を抱えている。そこで、子実体の特性を確認しながら、簡便かつ安定的に種菌の維持・増殖が可能な技術として森林総合研究所により報告された子実体直接凍結維持法の実用性を検討する。

野菜・花き・きのこ 平成13年(2001年)野菜試

エリンギ立ち枯れ症状の軽減対策

エリンギ栽培において、現地では導入後数回転すると生育前期に子実体が萎縮する立枯れ症状の被害を受け、栽培を断念する事例が多い。立枯れ症状には種菌に起因するものと、栽培環境の悪化に起因するものがあると考えられている。ここでは、栽培環境の悪化に起因すると考えられるエリンギの立枯れ症状が発生した際の技術対応として、生育室浄化と芽出し室設置の効果を検討する。

野菜・花き・きのこ 平成13年(2001年)野菜試

菌茸施設環境殺菌剤「ゼネシス21」の効果

菌茸施設環境殺菌剤「ゼネシス21」(㈱ニッショー)のきのこ病害菌に対する効果を調べるとともに環境浄化の効果を確認する。

野菜・花き・きのこ 平成13年(2001年)南信試

NK毛管水耕によるスイートピーの早期切り花栽培

NK毛管水耕は現在野菜で普及しているが、組み合わせ作物の選択肢を広げるために、野菜以外で適応する品目を開発することが求められている。一方、本県で拡大しつつあるスイートピーの早期切り栽培は生育初期が高温期にあたることから、連作土壌では株落ち、生育不良などの問題を抱えている。そこでこれらの問題を解決するため、NK毛管水耕の適応性を検討する。

野菜・花き・きのこ 平成13年(2001年)農事試

切り花用りんどう「交227」の特性

本県での栽培に適する優良系統を育成する。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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