研究成果『試験して得られた技術事項』
長野県農業関係試験場にて取り組んだ「試験して得られた技術事項」の研究内容とその成果をご紹介します。
平成14年(2002年)農事試
風ずれによる褐変籾が玄米の品質及び発芽に及ぼす影響褐変籾は受精には影響が認められず、発芽にも影響はないが、粒の充実が劣り、整粒歩合が減少し、茶米が増加し品質が低下する。 |
平成14年(2002年)農事試
カルパー無粉衣催芽籾を用いた飼料イネ湛水直播省力散播栽培法水稲湛水直播の出芽苗立向上剤カルパー無粉衣催芽籾の代かき同時播種または直後播種要約はカルパー粉衣籾より出芽は約20%劣るが、播種量を増量し落水出芽することでカルパー粉衣籾と同等の生育・収量が得られ、飼料イネ栽培の省力・低コスト化が図れる。 |
作物・その他 平成14年(2002年)農総試
麦類の水稲立毛間散播法における産業用無人ヘリコプター利用技術水稲後作麦播種時期が晩限以降と見込まれる場合、産業用無人ヘリコプターを利用して、水稲立毛中に麦を省力的に散播し、水稲をコンバイン(排ワラはカッタ処理)で収穫することで適期播種が確保され、麦の生育・収量も安定する。 |
畜産 平成14年(2002年)畜産試験場
イタリアンライグラス晩生品種「ミドリホープ」は、採草用牧草として有望であるイタリアンライグラス晩生品種「ミドリホープ」は、県普及品種「エース」より草丈は高く、稈径は太く茎数は少ない。県普及品種「エース」より二番草乾物収量が高い。 |
野菜・花き・きのこ 平成14年(2002年)野菜花き試
きのこ腐敗病菌Pseudomonastolaasiiの選択培地、改変T-PAF培地の利用技術改変T-PAF培地は、Pseudomonas tolaasii以外の多くの細菌を阻害し、簡易同定が容易にできることから、の選択培地として有効であると考えられた。 |
平成14年(2002年)野菜花き試
レタス、はくさいの春まき作型において、生分解性プラスチックマルチを利用して、施肥・マルチ展張を前年秋に済ませておくと、省力的である。レタス・ハクサイの早まき作型において、生分解性プラスチックマルチを利用して、前年晩秋にマルチ展張しておくと、定植作業が計画的に出来、圃場準備の作業労力の分散が図られ、省力的である。 |
平成14年(2002年)農事試
麦のそば混入の低下対策にアクチノール乳剤、エコパートフロアブルの穂ばらみ期処理は有効である麦にそばが混入した場合は、そばアレルギーの原因となるため、「そば-麦体型」では、麦の穂ばらみ期に、アクチノール乳剤及びエコパートフロアブルの茎葉処理により、麦へのそば混入を減少させることができる。 |
平成14年(2002年)農事試
スルフォニルウレア系除草剤抵抗性コナギの発生と防除法スルフォニルウレア系除草剤(SU剤)抵抗性コナギの発生が確認され、SU剤抵抗性雑草防除には、初期剤+中期剤の体系処理、または非SU剤を含有する初中期剤の使用が有効である。 |
平成14年(2002年)農事試
生物系特定産業技術研究推進機構開発の水田除草機は除草剤を使わない水田雑草防除に有効である水稲の有機栽培等で除草剤を使わない栽培において、生物系特定産業技術研究推進機構開発の高精度水田除草機(田植機併用型)を用いると省力的な除草作業が行える。 |
その他 平成13年(2001年)南信試
アメリカシロヒトリ防除のための核多角体病ウイルスの培養技術天敵ウイルス増殖には宿主昆虫で増殖する方法や昆虫培養細胞を用いる方法がある。このうち宿主昆虫を用いる場合は、増殖効率が高く、培養細胞に比べ生産コストが低いが、飼育に多くの労力を要し、生産規模の拡大が難しいことや、他の病原による汚染の心配等がある。一方、昆虫培養細胞の場合、培養に要する労力が少なく、生産された多角体(ウイルス)の精製が容易であるが、培地当たりの多角体収量が少なく生産コストが高いことが課題となっている。そこで、アメリカシロヒトリ核多角体病ウイルス(HcNPV)の効率的な増殖方法を確立するため、HcNPVの宿主となるクワゴマダラヒトリ培養細胞の撹拌培養において細胞密度の向上や蚕体液利用による培地単価の低減を図る。 |
土壌肥料 平成13年(2001年)野菜試 営技セ
レタス髄部腐敗の緑色色素レタス緑芯症は髄部が緑色~淡緑色に腐敗し、発生株は出荷できないために生産が不安定になる。腐敗髄部のなかには緑色色素が通常の健全株に比べて著しく集積するものがあり、この集積の成因を明らかにすることによって緑芯症の原因の特定につながると考え、本色素の同定を行った。生体の緑色色素には、クロロフィルa,b,c,d、バクテリオクロロフィル、アントラキノンの一部、リボフラビンの一部などがあるが、ここでは、植物体、菌体に主に含まれるクロロフィルに絞り、分離精製測定を実施した。 |
土壌肥料 平成13年(2001年)農総試 営技セ
ポット施肥法によるセルリーの減肥栽培露地作型セルリーの窒素施用量は、10a当たり60~80kgと多いが、窒素吸収量は約20kgと少なく、環境への施肥による負荷が懸念される。環境保全的肥培管理を行うため、施肥効率を高めて施肥量の大幅削減の可能性があるポット施肥栽培法を検討する。 |
土壌肥料 平成13年(2001年)農事試
近赤外分光分析を利用した家畜糞堆肥の窒素無機化量の迅速測定法家畜糞堆肥の成分は、処理方法、原料や副資材の種類、腐熟度の違い等により大きく異なることが知られており、その成分量を把握し、肥効を考慮した施肥設計立てることは、養分循環の適正化の視点から重要な技術である。特に作物の生育・収量に大きな影響を及ぼす窒素に関しては、全量だけではなく無機化量を把握することが重要であるが、保温静置法による測定は1ヶ月以上かかるため、より簡易迅速に測定が可能な近赤外分光分析法について検討した。 |
果樹・病害虫 平成13年(2001年)南信試
かきのウスリーカキカイガラムシに対する数種殺虫剤の防除効果近年下伊那地方のかきを中心に、ウスリーカキカイガラムシの発生が増加しているが、登録薬剤が少なかったので、他害虫防除のために登録のある数種殺虫剤の効果を検討した。 |
病害虫 平成13年(2001年)営技セ 農事試
アワノメイガの天敵寄生蜂に及ぼす殺虫剤の影響スイートコーンの重要な病害虫としてアワノメイガおよびアブラムシ類があるが、アワノメイガに対しては天敵寄生蜂であるTrichogramma sp.を利用した防除方法が有望である。しかし、アブラムシ類に対しては現状では薬剤による防除に頼らざるを得ない。そこで、天敵類に影響が少ないと考えられる新規殺虫剤のTrichogramma sp.に及ぼす影響を調査し、総合的な防除方法の参考とする。 |