研究情報

研究成果『試験して得られた技術事項』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「試験して得られた技術事項」の研究内容とその成果をご紹介します。

畜産 平成14年(2002年)畜産試験場

飼料利用イネ「クサホナミ」は、茎葉部の消化性に優れ、ホールクロップサイレージ利用に適している

イネ53品種・系統の茎葉部について酵素分析法により成分分析した。「クサホナミ」は、繊維の消化性に優れ、TDN含量は高かった。また、「クサホナミ」を長野県において早晩性毎に収量が多い3品種とともにサイレージ調製した結果、サイレージの発酵品質は最も優れていた。

畜産 平成14年(2002年)畜産試験場

出穂期に収穫したライムギロールベールサイレージの乳用育成牛に対する利用法

冬作飼料作物ライムギは、出穂期に収穫し、予乾処理後、ロールベールサイレージ調製すると高品質粗飼料となる。乳用育成牛に対する給与は、牧草ロールベールサイレージと同様に利用できる。

畜産 平成14年(2002年)畜産試験場

散播・密植栽培による高消化性ソルガム「秋立」のロールベールサイレージ調製技術

高消化性ソルガム「秋立」は、散播・密植栽培により、発酵品質良好なロールベールサイレージ調製が可能である。この場合、播種量は8kg/10aが適当である。

畜産 平成14年(2002年)畜産試験場

ハウス豚舎における肥育豚飼養に敷料として戻し堆肥を利用すると、飼料要求率が高くなり、純粋種では発育が遅れる

ハウス豚舎で肥育豚飼養に敷料として戻し堆肥を利用すると、飼料要求率が高くなる傾向にある。また、特に純粋種では日平均増体重(DG)が低下し、有意に発育が遅れる。

畜産 平成14年(2002年)畜産試験場

豚人工授精用深部注入カテーテルは少量の新鮮希釈精液及び通常の凍結精液で十分な繁殖成績が得られる

豚人工授精用深部注入カテーテルを用いて、通常に比べ注入精子数で約1/4程度の新鮮希釈精液及び授精成績に劣るとされる凍結精液による授精試験を実施したところ、ほぼ良好な成績が得られた。

畜産 平成14年(2002年)畜産試験場

LW母豚おける早期離乳は通常離乳の繁殖成績とほぼ同等である

LW種雌豚を用い、離乳時期を分娩後11、13、15、17、19、22、29日の7区に設定し、繁殖成績(発情回帰率、日数、受胎率、産子数等)を比較した結果、有意な差はみられなかった。

畜産 平成14年(2002年)畜産試験場

肥育豚飼料にペパーミント乾燥粉末を添加することにより、加熱ドリップ割合が減少し官能検査における肉質及び香味が良好となる

肥育豚飼料にペパーミント乾燥粉末を添加給与した結果、2%添加区試験豚は発育が無添加区に比べ劣ったが、胸最長筋は加熱ドリップ割合が有意に減少し官能検査における肉質及び香味が良好であった。

畜産 平成14年(2002年)畜産試験場

未成熟卵胞卵子を採取する牛卵巣の24時間保存条件は、保存温度では4℃よりも20℃が、保存液ではウィスコンシン液が有効である

と畜直後の牛卵巣を3種類の保存液、2水準の温度条件下で24時間保存した。採取した未成熟卵胞卵子を用いた体外受精成績は、20℃・ウィスコンシン液(UW液)の保存区において最も高い胚盤胞発生率が得られた。

畜産 平成14年(2002年)畜産試験場

中山間地向け品種で調製した稲発酵粗飼料の黒毛和種繁殖雌牛における第一胃内消化性

中山間地向け品種で調製された稲発酵粗飼料の、黒毛和種繁殖雌牛における第一胃内乾物消失率には、品種及び収穫熟期の違いが大きく影響していることが認められた。また、尿素処理することにより乾物消失率は約5%高くなり、消化性を向上させる有効な処理方法であることが確認された。

畜産 平成14年(2002年)畜産試験場

パイプハウス利用型発酵乾燥施設で生産された堆肥は、乳牛ふん尿の堆肥化に水分調整材として有効利用することが期待できる

パイプハウス利用型発酵乾燥処理施設で生産された堆肥を水分調整材として利用することにより、水分調整材の購入量を節減できる。さらに、夏~秋季に生産した水分 45%以下の低水分堆肥を冬季に利用することで、発酵能力低下を補うことができる。

畜産 平成14年(2002年)畜産試験場

パイプハウス利用型乾燥発酵処理施設において発酵させた乳牛ふん堆肥の敷料利用は、オガクズ及びモミガラの場合に比べ、含まれる大腸菌群数の増殖を抑制する可能性がある

戻し堆肥を敷料利用している県下5農場の戻し堆肥の大腸菌群数は検出限界以下であった。また、オガクズとモミガラを好気培養したところ大腸菌群が検出されたが、戻し堆肥は48時間培養後においても検出限界以下であった。また、戻し堆肥を敷料利用した場合、牛床敷料中の大腸菌群に対する増殖抑制を認めた。

畜産 平成14年(2002年)畜産試験場

9日間行程による乳牛の排卵同期化・定時授精法における排卵時間は、人工授精後6~12時間の時間帯である

9日間行程による乳牛の排卵同期化・定時授精法における排卵時間は人工授精後6~12時間であり、授精された精子と排卵された卵子の受精に必要とされる時間帯に合致する。

野菜・花き・きのこ 平成14年(2002年)野菜花き試

環境殺菌剤「ミクロトールS」の菌茸栽培への利用

環境殺菌剤「ミクロトールS」は、接種室と作業室の害菌防除に有効である。

野菜・花き・きのこ 平成14年(2002年)野菜花き試

エリンギ栽培における空気浄化装置「真気システム」の効果

空気と水を接触させて清浄空気をつくる真気システムは、室内の浮遊菌類密度を低くすることが可能である。さらに、加湿器を使用せずに湿度保持が可能であり、エリンギの安定生産が期待できる。

野菜・花き・きのこ 平成14年(2002年)野菜花き試

エリンギ培地への貝化石ミネカルGの添加効果

エリンギ培地へ貝化石ミネカル G を1ビン当り8gから 12g添加することにより、5~10%程度の増収効果があり、エリンギ子実体中のカルシウム含量が増加する。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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