研究情報

研究成果『技術情報』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「技術情報」の研究内容とその成果をご紹介します。

野菜・花き・きのこ・病害虫 平成21年(2009年)野花試・佐久支場、南信試・栽培部

長野県におけるナモグリバエの土着天敵相

長野県内の6市町村でナモグリバエ寄生蜂を採集し、4科 20 種の寄生蜂がナモ グリバエに寄生していることを確認した。すべての調査地点に共通する優占種はイサエアヒメコバチであった。寒地ではこれに次いでササカワハモグリコマユバチが発生していた。

野菜・花き・きのこ・病害虫 平成21年(2009年)野花試・佐久支場

長野県におけるナモグリバエの越冬生態

葉洋菜類に多発し問題となっているナモグリバエは、アブラナ科葉菜類等の寄主植物の生葉中で主に蛹態となって翌春まで生存する。成虫は 12 月頃まで発生が継続し、積雪 の少ない年および地域では1、2月にも発生する。葉菜類の育苗施設においてはこれら成虫の 飛び込みに注意する。

野菜・花き・きのこ・土壌肥料 平成21年(2009年)野花試・環境部

土壌のりん酸過剰がアスパラガスに及ぼす影響

土壌の可給態りん酸量が 1,000mg/100g を超える極端な過剰条件でも、アスパラ ガスの生育や主要養分の吸収に対する過剰障害は生じにくい。しかし、微量要素 のうち鉄及び亜鉛の吸収が抑制される可能性が示されたほか、環境に対する影響 や経済性の観点から過剰施肥には留意する必要がある。

畜産・病害虫 平成21年(2009年)畜試・飼料環境

吹き流しを応用した省力・低コストなカラス害回避の方法

使用済みの肥料袋を短冊状の吹き流しとして圃場内に張る方法は、軽作業でコストも少なく、カラスの侵入もみられない。

畜産 平成21年(2009年)畜試・飼料環境

オーチャードグラス・チモシー市販流通品種の早晩性

オーチャードグラス市販流通品種の出穂期は準高冷地(標高 760m)で5月上旬~下 旬、高冷地(標高 1,000m)で5月中旬~6月上旬の幅があり、チモシー市販流通品種 の出穂期は準高冷地で5月下旬~7月上旬、高冷地で6月上旬~7月中旬の幅がある。 最も早生のオーチャードグラス「アキミドリⅡ」と最も晩生のチモシー「なつさかり」 の出穂期の差は約2ヶ月である。

畜産 平成21年(2009年)畜試・養豚養鶏

バークシャー種を用いた交雑肥育豚の飼料費

バークシャー種を大型品種と交雑利用した場合の飼料費を試算した結果、各交雑利用方法とも、バークシャー純粋肥育豚より減少したが、LWD 肥育豚と比較すると、枝肉1k gあたり約 30 円増加した。

果樹 平成21年(2009年)果樹試育種部

りんご早生品種「シナノプッチ(リンゴ長果19)」の育成

「シナノプッチ(リンゴ長果 19)」は、「つがる」より2週間程度遅い9月中旬に成熟する、果実の大きさが 150~200g程度の着色良好な小玉品種である。本品種は多汁で甘味が強く、果肉がシャ キシャキしており、丸かじり用に適する。

作物 平成21年(2009年)農試・作物部・育種部、農業技術課

硬質小麦「ハナマンテン」の止葉展開期から開花期までの追肥により品質が向上する

硬質小麦「ハナマンテン」は止葉展開期から開花期までの追肥によりタンパク質含有率が向上し、灰分や粉色、製粉性への影響は小さい。

果樹・その他 平成20年(2008年)農総試(バイテク部)、果樹試(育種部)

SSRマーカーを用いた県職務育成もも・ネクタリン品種の識別

県職務育成4品種を含むもも・ネクタリン43品種について、3種類のSSRマーカーを用いることにより県職務育成品種を含む特定の28品種を識別できる。

果樹・その他 平成20年(2008年)農総試(バイテク部)、果樹試(育種部)

SSRマーカーを用いた県職務育成りんご品種の識別

県職務育成5品種を含むりんご26品種について、3種類のSSRマーカーを用いることにより供試26品種すべてを識別できる。

果樹・病害虫 平成20年(2008年)南信試(病虫土肥部)

ナシマダラメイガの性フェロモントラップ

SEトラップの粘着版中央部に、開発したナシマダラメイガの発生予察用性誘引剤を設置すると、ナシマダラメイガのオス成虫を1ヶ月以上にわたって、効率的に誘引捕獲する。この捕獲数を、年間を通じて、半旬毎に調査することにより、誘殺消長を簡単に把握することができる。

果樹・病害虫 平成20年(2008年)果樹試(病虫土肥部)

りんご園の土着ミヤコカブリダニに与える農薬の影響

カーバメート剤と殺ダニ剤の一部はりんご園の土着ミヤコカブリダニに対して影響が大きい。また、有機リン剤とネオニコチノイド剤の一部は影響があり、合成ピレスロイド剤とIGR剤及び一部を除く殺菌剤は影響が少ない。

果樹・病害虫 平成20年(2008年)果樹試(病虫土肥部)

ビーティング法によるりんご園のカブリダニ類及びリンゴハダニの発生状況の把握

新梢に寄生するダニ類を黒色板上に叩き落とすビーティング法により、りんご園に発生するカブリダニ類及びリンゴハダニの発生状況が把握できる。

野菜・花き・きのこ・病害虫 平成20年(2008年)南信試(病虫土肥部)

下伊那地域のキュウリから分離したキュウリ褐斑病菌の薬剤感受性

下伊那地域のキュウリから分離したキュウリ褐斑病菌は、ベンズイミダゾール系剤、ジエトフェンカルブ及びボスカリドに対して感受性が低下している可能性が高い。このため、耕種的防除を徹底した上で、効果のある薬剤のローテーション散布を行う。

野菜・花き・きのこ・病害虫 平成20年(2008年)野花試(病虫土肥部)

ピーマン(カラーピーマンを含む)に発生する土壌病害の診断法

現在長野県内で発生しているピーマン(カラーピーマンを含む)の各種土壌病害は、考案したフローチャートに従うことで診断することができる。フローチャートで使用する密閉容器内の簡易組織培養法は、病害診断する際の補助となる。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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