研究成果『技術情報』
長野県農業関係試験場にて取り組んだ「技術情報」の研究内容とその成果をご紹介します。
果樹 平成22年(2010年)果樹試・栽培部
西洋なし「ラ・フランス」におけるヨード・デンプン反応低下遅延年の収穫法西洋なし「ラ・フランス」において満開後 165 日を経過してもヨード・デンプン反応指数が 3.5 以下に低下しない年は、満開後 165 日を経過後は直ちに収穫する。そのような果実でも正常に追熟して食味は優れる。 |
果樹 平成22年(2010年)南信試・栽培部
ナシ黒星病に強く、ナシ黒斑病抵抗性を有する日本なし早生品種「サザンスイート(南農ナシ4号)の育成8月中下旬に成熟し、食味が良好な早生品種「サザンスイート」を育成した。本品種は「幸水」よりも一週間ほど早く収穫可能であり、収穫期の糖度が「幸水」よりも1~2%ほど高い。また、日本なしの主要病害であるナシ黒星病に強く、ナシ黒斑病には抵抗性を持つ。 |
果樹 平成22年(2010年)果樹試・育種部
ぶどう「クイーンニーナ」(無核栽培)の品種特性ぶどう「クイーンニーナ」の無核栽培では、果粒重 15~18g 程度と大粒で、肉質が良く、高糖度で食味の良い果実が生産できる。 |
果樹 平成22年(2010年)果樹試・栽培部、農業技術課
ぶどう「ナガノパープル」の強樹勢樹に対する主枝部への環状はく皮処理の効果ぶどう「ナガノパープル」の強樹勢樹に対して、満開30~35日後に主枝部に幅5mm の環状はく皮を実施することにより、果皮の着色、糖度上昇が早まり、収穫時の着色、糖度が向上する。 |
果樹 平成22年(2010年)果樹試・育種部
りんご晩生品種「シナノホッペ」(リンゴ長果20)の育成「シナノホッペ」(リンゴ長果20)は、「ふじ」より10日程度早い10月末~11月上旬に成熟する、果実の大きさが300g程度で食味が良く、みつの入る晩生品種である。本品種は「ふじ」の直前に収穫でき、着色が良好で毎年安定している。 |
果樹 平成22年(2010年)果樹試・栽培部・育種部、南信試・栽培部、旧農総試・保鮮流通部
りんごに対するスマートフレッシュくん蒸剤の鮮度保持効果収穫直後から6日後のりんご果実に対しスマートフレッシュくん蒸剤を処理することにより、長・短期貯蔵中の果肉硬度の低下が抑えられ鮮度保持期間が延長できる。 |
果樹 平成22年(2010年)農業技術課、園芸畜産課
りんご「シナノゴールド」の高品質果実生産樹の樹相りんご「シナノゴールド」では、早期に果皮色が黄色くなり、食味が良好な果実を生産する樹の樹相は、目通り付近のほぼ水平な結果枝の頂端新梢長が 11~15cm 程度である。 |
果樹 平成22年(2010年)農試・知財部、果樹試・育種部
SSRマーカーを用いた県職務育成プルーン品種の識別葉片から抽出したDNAを鋳型とし、2種類のSSRマーカーを用いて解析することで、供試した23品種は県職務育成品種「サマークイーン(プルーン長果6)」、「オータムクイーン(プルーン長果7)」を含め識別できる。 |
果樹 平成22年(2010年)農試・知財部、果樹試・育種部
SSRマーカーを用いた県職務育成あんず品種の識別葉片から抽出したDNAを鋳型とし、2種類のSSRマーカーを用いて解析することで、供試した20品種は県職務育成品種「信州サワー」を含め識別できる。 |
作物 平成22年(2010年)野花試・畑作育種部
加熱絞り充填豆腐試作法による大豆奨励認定品種の豆腐加工特性評価加熱絞り豆乳による小規模充填豆腐試作法で試作した県内大豆奨励認定品種の豆腐破断強度は、蛋白質含有量の高い品種で高く、低い品種では低い傾向である。また、食味官能評価では品種間で違いが見られ、「ギンレイ」の豆腐は軟らかいが甘味が強くこくがあるなど、各品種にそれぞれ味、食感などの食味特徴がある。 |
作物 平成22年(2010年)農試・作物部、農業技術課
大豆転換畑における雑草性赤米の除草剤による防除効果大豆のイネ科雑草対象の茎葉処理剤ポルトフロアブル、セレクト乳剤、ナブ乳剤、ワンサイドP乳剤、畝間処理剤バスタ液剤および一年生雑草対象の初期土壌処理剤デュアール乳剤、ラッソー乳剤、ゴーゴーサン乳剤は雑草性赤米に除草効果が認められる。 |
作物 平成22年(2010年)農業技術課
雑草性赤米の多発による栽培水稲の減収雑草性赤米の激発ほ場では栽培稲が最大 25%減収する。 |
作物 平成22年(2010年)農試・作物部、農業技術課
雑草性赤米は水田作業機の足回りと付属アタッチメントおよびコンバイン排出残渣から拡散する雑草性赤米の種子は発生田においての耕起、代かき、田植え作業に用いるトラクターとロータリ、ハローおよび田植機に付着した泥に捕捉され、また、収穫作業時にコンバインから排出される残渣にも混在する。 |
作物 平成22年(2010年)農業技術課、農試・作物部
平成22年高温による現地「コシヒカリ」、「秋晴」の白未熟粒多発とその要因平成 22 年度の現地「コシヒカリ」、「秋晴」は、出穂後 20 日間の気温が高くなると白未熟粒の発生率が高くなる。移植日を遅くすると出穂日が遅くなり、白未熟粒発生が軽減される。 |
作物 平成22年(2010年)農試・作物部
掛け流しかんがいによる「あきたこまち」の白未熟粒軽減対策「あきたこまち」において出穂後 20 日間の掛け流し潅漑、および出穂前後2週間の湛水管理を行うと白未熟粒発生の軽減効果がある。 |