研究成果『技術情報』
長野県農業関係試験場にて取り組んだ「技術情報」の研究内容とその成果をご紹介します。
病害虫 令和5年(2023年度)果樹試験場環境部
近年のりんご園におけるモモシンクイガの発生消長及び越冬世代成虫の産卵時期近年のりんご園におけるモモシンクイガの発生時期や越冬世代成虫の産卵時期は1980年代と比較して早期化している。近年の越冬世代成虫の産卵始期は6月上旬~中旬、産卵ピークは6月下旬~7月上旬である。 |
作物 令和5年(2023年度)農業試験場作物部
小麦作の強害雑草ナヨクサフジ(ヘアリーベッチ)の特徴と効果的防除法ナヨクサフジ(ヘアリーベッチ)は2017年以降に県内各地の小麦ほ場で強害雑草として確認されており、カラスノエンドウより生育が旺盛で、コムギを被覆する場合がある。キックボクサー細粒剤F4kg/10aを小麦播種後雑草出芽前に散布することで効果的な防除が可能である。 |
野菜・花き・きのこ・病害虫 令和4年(2022年度)野菜花き試験場環境部、松本農業農村支援センター
スワルスキーカブリダニ剤(パック製剤)及びスリムホワイト45との併用による夏秋どりいちごのアザミウマ類防除効果スワルスキーカブリダニ剤(パック製剤)を開花前に設置することでアザミウマ類(ヒラズハナアザミウマ)の施設内密度及び果実被害を軽減できる。さらに施設開口部に光反射資材織込み防虫ネット(スリムホワイト45)を展張すると防除効果が向上する。 |
病害虫 令和4年(2022年度)野菜花き試験場佐久支場、環境部
ブロッコリー黒すす病の発生実態と効果的な薬剤防除時期ブロッコリー黒すす病は、春まき作型よりも初夏まき作型で発生しやすい。また生育初期に罹病するほど花蕾の発病が助長され、収量低下のリスクが高まる。薬剤防除では、生育初期からの予防的な散布で防除効果が高まる。 |
野菜・花き・きのこ・病害虫 令和4年(2022年度)野菜花き試験場佐久支場
ハクサイ黒腐病に対する発病程度の品種間差ハクサイ黒腐病に対する発病程度には品種間差が認められ、発病程度の低い品種として「みねぶき505」、「SC2-513」がある。 |
野菜・花き・きのこ・病害虫 令和4年(2022年度)野菜花き試験場環境部
レタス腐敗病、斑点細菌病、軟腐病に対する発病程度の品種間差玉レタスに発生する細菌性病害(腐敗病、斑点細菌病、軟腐病)に対する発病程度には品種間差が認められ、発病程度の低い品種は病害毎に異なる。 |
病害虫 令和4年(2022年度)果樹試験場環境部
リンゴ黒星病と褐斑病の第一次伝染源になるりんご葉の落葉時期と落葉時期別の子のう胞子飛散量12月上旬以降の落葉から翌年飛散するリンゴ黒星病及び褐斑病の子のう胞子は、12月上旬以前の同量の落葉と比較して同等から少ない。普通樹の「ふじ」では12月上旬までに65~90%の葉が落葉する。時期別の落葉量と飛散量を総合的にみると、12月上旬以降の落葉から飛散する子のう胞子の総量は12月上旬以前と比較して少ない。 |
作物・病害虫 令和4年(2022年度)農業試験場環境部
産業用マルチローター(ドローン)による農薬(液剤)の散布特性ドローン(MG-1、T-20)による薬剤散布は一定の防除効果が得られるが、薬剤の飛散は有効散布幅内の外側で少なく中央付近でも少ない場合があり、風によってドリフトする。 |
病害虫 令和4年(2022年度)農業試験場環境部
イネばか苗病菌の主要な種子消毒剤に対する感受性スポルタックスターナSE、トリフミン乳剤はMIC値の高い菌株では防除効果が低下した。ヘルシードTフロアブルは効果がやや不安定であったが、モミガードC水和剤、テクリードCフロアブルでは全ての菌株に対して効果が高かった。 |
作物・病害虫 令和4年(2022年度)農業試験場環境部
穂ばらみ期における「コシヒカリ」の葉色(SPAD値)は空撮画像によって得られる植生指標NDREで推定できる穂ばらみ期における「コシヒカリ」のSPAD値は空撮画像によって得られる植生指標NDRE値からSPAD値が推定でき、葉いもちの発生予察に利用できる。 |
病害虫 令和4年(2022年度)農業試験場環境部
紋枯病用苗箱施薬剤の連年使用で菌核密度が低下し発病抑制効果が高まる紋枯病用苗箱施薬剤は連年使用の年数が長いほど伝染源である菌核の密度が徐々に低下するため発病抑制効果は高まる。 |
果樹・土壌肥料 令和4年(2022年度)南信農業試験場栽培部
低樹高栽培のかき「市田柿」における年間窒素施肥量低樹高栽培のかき「市田柿」において、現行の県窒素施肥基準量の30%減となる15.4kg/10aで栽培を継続しても、樹体生育や果実収量・品質は、現行の県窒素施肥基準量で栽培した場合と同等である。 |
果樹・土壌肥料 令和4年(2022年度)
日本なし「南水」樹体ジョイント仕立て栽培における主枝直下への帯状局所施肥による慣行施肥の30%減肥栽培日本なし「南水」樹体ジョイント仕立て栽培において、3月下旬にリニア型40日タイプの被覆尿素を、また収穫後の9月下旬には速効性窒素を主枝配枝直下に1mの幅で帯状に局所施肥(帯状局所施肥)すると、全面施肥の地域慣行より30%減肥しても同等の収量、品質が得られる。 |
果樹・土壌肥料 令和4年(2022年度)野菜花き試験場環境部
水田転換畑の耕うん適期を見分けるための適切な土壌水分水田転換畑の砕土率を高める含水率は、多湿黒ボク土で約35%以下、灰色低地土では約20%以下であり、手で握った時の土塊の崩れやすさで耕うん適期を診断できる。 |
作物・土壌肥料 令和4年(2022年度)農業試験場環境部
水稲の全量基肥施肥における施肥時期が肥料効果に及ぼす影響「コシヒカリ」の全量基肥施肥において施肥時期を早めすぎると、速効性窒素肥料の流亡等によるとみられるロスと肥効調節型肥料の早期の窒素溶出により、期待する肥料効果が得られないほか、環境への悪影響も懸念される。 |