研究情報

研究成果『試行技術』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「試行技術」の研究内容とその成果をご紹介します。

果樹 平成28年(2016年)果樹試・栽培部

りんご「シナノゴールド」の貯蔵に適した果実をスマートフレッシュくん蒸剤で処理すると、冷蔵で収穫7ヶ月後まで鮮度が保持できる

りんご「シナノゴールド」における貯蔵に適した果実は、適正着果量で栽培し、1回目の収穫で果皮色がシナノゴールドカラーチャート値3.5程度となる果実である。このような果実をスマートフレッシュくん蒸剤で処理し、冷蔵(3~4℃程度)で貯蔵すると、収穫7ヶ月後まで硬度低下が抑えられ、食味が良好に維持できる。

野菜・花き・きのこ 平成27年(2015年)野菜花き試験場育種部

レタス「長・野50号」は根腐病レース1・2耐病性で寒地向けサリナ ス系レタスとして有望である

レタス「長・野 50 号」はチップバーンが発生しにくく、根腐病レース1・2耐病性および晩抽性を有したサリナス系レタスで、標高 1,000m 以上の7月中旬~8月中旬に収穫する作期に向く品種である。

病害虫 平成27年(2015年)野花試・環境部、野菜部、農業技術課

紫外線(UV-B)照射によるパセリーうどんこ病の発病抑制技術

UV-B 電球型蛍光灯を用いて照射強度 20㎼/㎠夜間(0時~3時)に紫外線(UV-B)を3時間照射することでパセリーうどんこ病の発病を抑制できる。

果樹・病害虫 平成27年(2015年)果試・環境部

リンゴ根頭がんしゅ病菌汚染ほ場の土壌消毒法として、定植前の熱水土壌消毒が有効である

リンゴ根頭がんしゅ病菌汚染土壌に対して、定植前に熱水処理をして地下 20cm の地温を 50℃で8時間維持することで高い土壌消毒効果が得られる。処理後約3年間にわたって防除効果が認められる。

畜産 平成27年(2015年)畜試・飼料環境部

飼料用とうもろこし「AX-152」はアントシアニンを高含有する極早生系統として有望である

飼料用とうもろこし「AX-152」はアントシアニンを高含有し、初期生育が優れる極早生の多収な系統である。

野菜・花き・きのこ 平成27年(2015年)野花試・花き部

アルストロメリアの切り花収量は低温期日中の二酸化炭素施用により増加する

低温期の日中にハウス内の二酸化炭素濃度を 800~1000ppm 程度に管理することで切り花収量が2割程度増加する。二酸化炭素施用を行う場合は換気を抑え、ヒートポンプによる冷房を行いながら最高気温 25℃程度となるように管理する。

野菜・花き・きのこ 平成27年(2015年)野花試・花き部

ダリア栽培では、花茎基部に3節残して切り花すると、採花本数が増加する

ダリア栽培では、採花時に残す節数が採花本数に影響し、花茎基部に3節残して切り花すると、採花本数が増加する。

作物 平成27年(2015年)農試・育種部

大麦「東山皮糯109号」は糯性でβ-グルカン含量が高い有望系統である

大麦「東山皮糯 109 号」は、糯性で「シュンライ」よりβ-グルカン含量が高く、硝子率が低く、精麦白度が高い有望系統である。

作物 平成27年(2015年)農試・作物部、企画経営部、環境部、野花試・畑作部

水田輪作体系における高性能高能率農業機械を導入した40ha規模の経営モデルは、生産費の低減に有効である

高性能高能率農業機械、水稲湛水直播栽培、飼料用米の立毛乾燥技術を組み合わせた水稲、 小麦、大豆、そばの水田輪作体系を行う40ha規模の経営モデルは、連作を行う地域慣行経営と比較し、作業時間は12%、生産費は32%削減できる。

作物 平成27年(2015年)農試・作物部、企画経営部

小型汎用コンバインの高刈り収穫は、水田輪作の体系化に有効である

小型汎用コンバインによる高刈収穫-フレールモア残稈処理は、作業能率に優れ作業精度も高く有効である。

作物 平成27年(2015年)農試・作物部、企画経営部

チゼルプラウ事前耕起-高速耕うん同時畝立て播種による作業体系は現行アップカットロータリ耕うん同時畝立て播種機等を用いた作業体系よりも作業能率が高い

チゼルプラウ事前耕起-耕うん同時畝立て播種の高速化による播種作業は、作業能率に優れ作業精度も高い。

作物・土壌肥料 平成27年(2015年)農試・作物部、企画経営部、環境部

飼料米利用のための「ふくおこし」の省力・低コスト栽培技術

慣行体系に比べ、「ふくおこし」の標準栽植密度による移植栽培または湛水直播栽培、多肥栽培および立毛乾燥技術を組み合わせることにより大幅な所得向上が見込まれる。多肥による疎植栽培に立毛乾燥技術を導入することによっても、省力化と所得増加が見込まれる。

作物・病害虫 平成26年(2014年)農試環境部

イネいもち病(穂いもち)の防除要否の判断を支援するための目安

イネいもち病(穂いもち)の防除において、「穂いもちの防除要否の判断を支援するフローチャート(暫定版)」は防除要否の判断を支援する。本フローチャートの適用品種は「コシヒカリ」とする。

作物・土壌肥料 平成26年(2014年)農試環境部

「コシヒカリ」の白未熟粒は穂肥を1~2週間遅らせることにより発生率が低減できる

「コシヒカリ」において出穂後の高温により発生する白未熟粒は穂肥を1~2週間遅らせることにより発生率が低減できる。

畜産 平成26年(2014年)畜試養豚養鶏部

肥育後期豚に飼料米を50%配合した低リジン飼料を給与すると、ロース肉の脂肪含量および脂肪のオレイン酸割合が高い豚肉ができる

肥育後期豚に、飼料用米を50%配合し、リジン含量が要求量の80%となるように乾燥トウフ粕の割合を調整した低蛋白飼料を給与すると、市販飼料を給与した場合と比較してロース肉の脂肪含量が増加し、脂肪中のオレイン酸割合も増加する傾向がある。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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