研究情報

研究成果『試行技術』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「試行技術」の研究内容とその成果をご紹介します。

畜産 平成29年(2017年)畜試・飼料環境部

飼料用ソルガム「東山交37号」は高消化性と紫斑点病抵抗性を併せ持つ晩生のソルゴー型品種である

飼料用ソルガム「東山交37号」は現在の市販品種にはない、高消化性と紫斑点病抵抗性を併せ持つソルゴー型ソルガムで、牛の消化性や選好性に優れ、紫斑点病に罹病しない飼料価値の高い品種である。

野菜・花き・きのこ 平成29年(2017年)野花試・花き部

ストックアイアン系品種の秋作型における品質向上技術

ストックアイアン系品種の秋切り作型において、ハウス全体または有孔農POフィルムのトンネル被覆による定植後4週間の高温処理は花芽分化を抑制し、節数の増加により切り花長が長くなり、品質を向上させる。

野菜・花き・きのこ 平成29年(2017年)野花試・育種部、野菜部

イチゴ「長・野53号」は果実品質に優れ、うどんこ病に強く、商品果率が高く多収で夏秋どり作型向け品種として有望である

イチゴ「長・野53号」は果実品質に優れ、うどんこ病に強く、着色異常果や芯止まり症状の発生が少なく、盛夏期の株疲れによる収量の落ち込みが小さく多収で夏秋どり作型向けイチゴとして有望である。

野菜・花き・きのこ 平成29年(2017年)野花試・育種部、野菜部

アスパラガス「長・野交51号」は春どり収量が多く、若茎頭部の締まりに優れる紫アスパラガスである

アスパラガス「長・野交51号」は紫アスパラガス品種であり、既存の紫色品種より春どり収量が多く、可販率が高く、若茎頭部の締まりに優れる。紫色の着色も優れ、緑色品種「ウェルカム」より太もの比率が高く、甘みが強い。

野菜・花き・きのこ 平成29年(2017年)野花試・野菜部

トマト及びカラーピーマン施設栽培ではCO2群落内局所施用が収量向上に有効である

トマト及びカラーピーマン施設栽培で液化二酸化炭素と多孔質チューブを用い、CO2濃度を夏秋期約440ppm、冬期約500ppmに設定して朝から夕方まで群落内局所施用を行うと、施設内のCO2濃度が外気より高く維持されて収量が向上する。

果樹 平成29年(2017年)果樹試・栽培部

りんご「シナノスイート」と「シナノゴールド」M.9台木樹による高密植栽培(トールスピンドル)は、新わい化栽培に比べて早期多収となる

りんご「シナノスイート」と「シナノゴールド」M.9台木樹を用いた高密植栽培(トールスピンドル)は、新わい化栽培に比べて早期収量性が高く、定植6年目に10a当たり4~5トン程度の収量が得られる。また、新わい化栽培に比べて樹幅と幹断面積は小さくなり、樹高は高くなる。

作物 平成28年度(2016年度)野菜花き試験場畑作部

大豆「東山浸236号」は栽培適性と耐病性に優れる良質な鞍掛大豆として有望である

大豆「東山浸236号」は「信濃鞍掛」より耐倒伏性と収量性が優れる鞍掛大豆で、ダイズモザイクウイルスに強く、べと病の発生が少ない。また、外観品質に優れる。

作物 平成28年度(2016年度)農業試験場作物部、農業技術課

大豆作におけるマルバルコウに対しフルミオWDGは密度抑制効果が高い

フルミオWDGは、マルバルコウの発生密度を低下させる防除効果があり、生育茎葉処理型除草剤との体系処理により高い防除効果が得られる。

畜産 平成28年(2016年)畜試・飼料環境部

ディスクハローを用いた簡易耕による飼料用とうもろこしの省力栽培技術

ライムギ後作または飼料用とうもろこし連作ほ場において、けん引型ディスクハローを使用した簡易耕及び不耕起対応播種機による飼料用とうもろこし栽培では、5t/10a程度の堆肥が投入でき、慣行栽培と同等の収量が得られる。また、作業時間の短縮と燃料消費量の節減が可能である。

畜産 平成28年(2016年)畜試・酪農肉用牛部

乳牛の第一胃液pHが低下するルーメンアシドーシスの予防には、濃厚飼料給与時に塩・重曹混合物の添加が有効である

乳牛の分離給与において、重曹と塩を1:1で混合した重曹・塩混合物を、濃厚飼料給与時に1頭当たり100g添加すると第一胃液pHが安定し、ルーメンアシドーシスの予防に有効である。

野菜・花き・きのこ 平成28年(2016年)野花試・花き部

カーネーションの秋出荷量増加に2次側枝の摘心処理(2番花の修正摘心)が有効である

12~1月定植カーネーションの夏秋切り作型において、早生~中早生品種では生育の進んだ2次側枝(2番花)を6月上中旬に4~5節残して摘心を行う(以下2番花の修正摘心)ことにより、10月以降の収穫量を増やすことが可能である。

野菜・花き・きのこ 平成28年(2016年)野花試・野菜部

アスパラガス伏せ込み促成栽培では、セル苗直接定植による改良マルチ栽培で養成した1年株の利用が有効である

アスパラガスの1年養成株を利用した促成栽培において、うね高さ25cm程度の高うねにする改良マルチ栽培は、平うね栽培に対し収量が高まる。改良マルチ栽培でセル苗を4月中~下旬に直接定植することで、育苗コストを低減できる。

野菜・花き・きのこ 平成28年(2016年)野花試・野菜部、佐久支場

1年株養成後春どりで完結させるアスパラガスの全面マルチ栽培法

全面マルチを用いたアスパラガスの1年株養成では、栽植密度は2畦定植・1畦空き、株間37.5cmとし、128穴セル苗を定植深さ10cmで定植する。定植した翌春に萌芽する若茎を全て収穫し栽培を完結するときの収量は600~800kg/10a程度となる。

作物 平成28年(2016年)農試・作物部・企画経営部、農業技術課

水田畦畔からの漏水実態の解明及び有効な漏水軽減対策

田面水の縦浸透は次第に減少するが、畦畔からの漏水は縦浸透の3倍程度に及ぶ。漏水軽減技術として、畦塗り、畦畔周縁の踏圧および代かき作業行程の追加が有効である。

作物 平成28年(2016年)農試・作物部、農業技術課

水稲栽培における雑草イネ防除に乗用水田除草機を利用することで、手取り除草の労力を軽減できる

水稲栽培における雑草イネ防除に乗用水田除草機の除草作業を組み込む体系は、雑草イネの防除効果が高まり、手取り除草に比べ作業時間が軽減される。

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