研究情報

研究成果『試行技術』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「試行技術」の研究内容とその成果をご紹介します。

野菜・花き・きのこ 令和4年(2022年度)野菜花き試験場野菜部

ブロッコリーの大型花蕾収穫は加工業務用収量の向上に有効である

加工業務用ブロッコリーの夏秋どり作型では、青果用と同様な栽培を行い、収穫までの生育日数を長くし花蕾径16㎝以上になるよう収穫時の花蕾の大型化を図るとフローレット収量が増加する。

果樹 令和4年(2022年度)果樹試験場栽培部

平棚仕立て栽培の日本すもも「シナノパール」は休眠枝接ぎにより側枝更新ができる

平棚仕立て栽培の日本すもも「シナノパール」は、枝齢が進むほど基部に葉や花が着生しない"はげ上がり"の状態になりやすく、生産性が大幅に低下する。対策として、休眠枝接ぎを行うことで側枝更新ができる。なお、この側枝の利用年数を延長させるためには、摘心処理の実施が有効である。

作物 令和4年(2022年度)農業試験場作物部、野菜花き試験場畑作部、松本農業農村支援センター

大豆播種前にトレファノサイド乳剤の土壌混和処理を加えた防除体系は、帰化アサガオ類に対して効果が高く、播種後の土壌処理型除草剤の省略も可能である

トレファノサイド乳剤の土壌混和を加えた除草剤の体系処理は、大豆の播種10日前に処理してもマルバルコウ、マメアサガオに対する防除効果が高い。また、大豆播種当日の土壌混和処理体系の場合は、その後の土壌処理型除草剤を省略しても防除効果は高い。

畜産・土壌肥料 令和4年(2022年度)畜産試験場(温暖化対策領域)飼料環境部

堆肥化処理のため乳牛ふん尿にもみ殻を加え水分65%に調整すると、水分73%に調整した場合と比較して、温室効果ガスの発生量をCO2換算で3~4割減少できる

乳牛ふん尿ともみ殻を容積比1:3で混合し水分65%、容積重0.322kg/Lに調整すると、乳牛ふん尿ともみ殻を容積比2:3で混合し水分73%、容積重0.447kg/Lに調整した場合と比較して、堆肥化処理時の温室効果ガスの発生量をCO2換算で3~4割減少できる。

作物・病害虫 令和3年(2021年度)農業試験場環境部

長野県におけるアカスジカスミカメの発生生態及び防除時期

アカスジカスミカメは、アカヒゲホソミドリカスミカメに次ぐ斑点米カメムシ類の主要種である。イネ科雑草が繁茂する畦畔等で増殖し、水田内への侵入は出穂2週間後頃から増加し、水田内雑草の発生により被害が助長される。茎葉散布剤は出穂10日後頃に散布する。

病害虫 令和3年(2021年度)野菜花き試験場環境部、上伊那農業農村支援センター 

圃場の健康診断に基づくブロッコリー根こぶ病の防除スキーム(ver1.0)

ブロッコリーの作付前に測定した土壌中の根こぶ病菌(休眠胞子)密度とpHの値から発病危険度を推定し、それに応じた防除対策の実践は、根こぶ病による減収を回避する手段として有効である。

野菜・花き・きのこ・土壌肥料 令和3年(2021年度)野菜花き試験場環境部、佐久農業農村支援センター、松本農業農村支援センター

土壌の可給態窒素を考慮したレタスの窒素適正施肥技術

簡易法(80℃16時間水抽出法)により測定した可給態窒素量を「可給態窒素施肥算出シート(Ver5.1)」に入力して得られた推奨窒素施肥量は本県レタスの窒素適正施肥量として利用できる

畜産 令和3年(2021年度)畜産試験場飼料環境部

飼料用ソルガム「東山交38号」は高消化性の極晩生品種として有望である

飼料用ソルガム「東山交38号」は高消化性遺伝子(bmr-18)を持つ極晩生のソルゴー型ソルガムで、収量が高く、牛の消化性や選好性に優れ、「風立」の後継品種として有望である。

果樹 令和3年(2021年度)果樹試験場栽培部

ぶどう「ナガノパープル」において満開14日後頃にフラスター液剤500倍液を散布することで新梢(副梢)管理作業時間を短縮できる

ぶどう「ナガノパープル」において満開14日後頃にフラスター液剤500倍液を散布することで、新梢(副梢)伸長が抑制され、7月の新梢管理作業時間を2~4割程度短縮できる。

作物 令和3年(2021年度)野菜花き試験場畑作部、農業農村支援センター、農業技術課

そば「桔梗13号」は二期作が可能で、耐倒伏性に優れ夏まきの収量が「信濃1号」より多い品種である

そば「桔梗13号」は二期作が可能で、耐倒伏性に優れ、春まきの収量は「しなの夏そば」と同等で、夏まきの収量は「信濃1号」より多収である。丸抜きの緑色は「信濃1号」、「しなの夏そば」より濃く、茹で麺の色に優れる。

作物・病害虫 令和3年(2021年度)農業試験場作物部

小麦「東山55号(しろゆたか)」は11月上旬まで播種を遅らせても収量は低下しない

小麦「東山55号(しろゆたか)」は、11月上旬まで播種を遅らせても収量は低下しない。また、播種期が遅くなるほどコムギ縞萎縮病の発病を抑制できる。

作物 令和3年(2021年度)農業試験場作物部、野菜花き試験場畑作部、松本農業農村支援センター

トレファノサイド乳剤の播種前土壌混和処理を加えた除草剤体系処理は、大豆圃場で発生するマルバルコウ及びマメアサガオに対して防除効果が高い

大豆の播種直前にトレファノサイド乳剤を散布し、播種時に土壌混和した後、通常の土壌処理型除草剤又は生育期茎葉処理型除草剤との体系処理を行うことで、マルバルコウ及びマメアサガオに対する高い防除効果が得られる。

畜産 令和3年(2021年度)畜産試験場養豚養鶏部

鶏舎におけるねずみ対策のポイント

鶏舎のねずみ対策には、金網とブラシによる侵入防止対策と、行動制限下での忌避剤を用いた避難場所からの追い出しによる駆除が有効である。

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畜産 令和3年(2021年度)畜産試験場飼料環境部

強化哺乳下における乳用子牛への効果的な給水方法

強化哺乳プログラムに基づいて飼養している乳用子牛の人工乳の採食量は、飲水量と高い相関がある。また、寒冷期には飲用水を加温することで、温暖期と同等の発育が期待できる。

病害虫 令和2年(2020年度)農業試験場環境部、野菜花き試験場環境部・佐久支場

イミダクロプリド・スピノサド水和剤を灌注処理したキャベツ・ブロッコリー中のスピノサド濃度推移とほ場でのコナガ防除開始時期

ガードナーフロアブル(イミダクロプリド・スピノサド水和剤)を定植前に灌注処理したキャベツでは、寒冷地の春まき作型と寒冷地及び寒地の初夏まき作型は、定植後2週目以降3週目までに、寒地の春まき作型は、定植後3週目を目安に殺虫剤の茎葉散布を開始することにより、難防除害虫であるコナガを効率的に防除できる。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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