研究成果『試行技術』
長野県農業関係試験場にて取り組んだ「試行技術」の研究内容とその成果をご紹介します。
果樹・土壌肥料 平成18年(2006年)農総試・機械施設、野花試・野菜
日本なし「幸水」に対し、表面局所施肥による窒素50%削減栽培を行うと、生育・収量は、3年間は慣行とほぼ同等に維持され、土壌下部への硝酸態窒素の移行は減る日本なし「幸水」栽培において、基肥および9月肥施用時に慣行施肥の50%量の窒素を主幹の周囲に環状に表面施用することにより、3年間は慣行とほぼ同等の果実収量、品質および樹体生育が維持され、土壌下部への硝酸態窒素の移行は減る。基肥の窒素には、溶出パターンがリニア型50日タイプの被覆尿素を用いる。 |
作物・その他 平成18年(2006年)農総試・経営情報
農薬適正使用ナビゲーションシステムにより農薬防除計画作成および農薬使用基準判定を行うことができる農薬適正使用ナビゲーションシステム(農薬ナビ)は、農薬使用基準の適否判定が可能であるため、有効成分総使用回数を含めた正しい防除計画が作成できる。これにより、安全・安心な農作物生産に繋げることが可能となる。 |
畜産 平成18年(2006年)畜試・飼料環境部
高消化性ソルガム「葉月」の不耕起・密植栽培のための省力・安定播種法ライムギ後作で、ロータリ耕起を省略して、高消化性ソルガム「葉月」を散播・密植栽培する場合、播種後に「ロータリで表層撹拌」、もしくは「ディスクハローで表土切削」してパッカで鎮圧すると、慣行法と同等の出芽数と生育・収量が確保でき、作業時間も短縮できる。 |
畜産 平成18年(2006年)畜試・養豚養鶏部
低蛋白で消化性の高い飼料は肥育豚のふん量及び窒素排せつ量の低減に有効であるエクストルーダー低蛋白飼料を肥育豚に給与することによりふん量及び排せつ窒素量の低減が可能である。 |
畜産 平成18年(2006年)畜試・酪農部
乳牛に給与するチモシー乾草の品質基準乳牛において選び食いが少なく、採食量が多いチモシー乾草を選定するための品質基準として、「乾物ベースで低消化性繊維含量59%以下かつ高消化性繊維と細胞内容物を合わせた分画の含量35%以上、あるいはNDF含量65%以下かつADF含量37%以下」を設定する。 |
野菜・花き・きのこ 平成18年(2006年)中信試・畑作育種
セルリー「幸みどり」(中信系10-1A)は萎黄病抵抗性品種候補として有望であるセルリー「幸みどり」(中信系10-1A)は、萎黄病レース2に対して抵抗性があり、「コーネル619」と比べて食味がやや優れる。 |
野菜・花き・きのこ 平成18年(2006年)野花試・野菜部・佐久支場
固化培地セル成型苗を利用した若苗(本葉1枚前後)定植は葉菜類の生育促進に効果が高い固化培地セル成型育苗は、従来のセル成型育苗培地よりも早い生育ステージでセルトレイから抜き取りが可能で、若苗(本葉1枚前後)定植を行えば根圏が拡大して生育促進などの効果が高く、育苗日数も短縮できる。 |
果樹 平成18年(2006年)果樹試・栽培部
ぶどう「ナガノパープル」の摘心による果粒肥大促進ぶどう「ナガノパープル」の短梢せん定栽培において、開花前の展葉8~14枚期での新梢先端の摘心および満開20~35日後の先端副梢の摘心により果粒肥大が促進される。 |
作物 平成18年(2006年)農事試・作物部、農業技術課・専技、佐久・上小・松本・北安曇・北信農改
雑草イネ(トウコン)の除草剤による体系防除手取り防除が不可能な程度までトウコンが激発している移植栽培の圃場において、防除に有効成分を含む除草剤で『初期剤+初中期剤+中期剤』の体系防除を行った場合、2年目には手取り防除が容易な状態まで収束する。手取り防除が困難な程度の圃場では、有効な成分を含む除草剤で『初期剤+初中期剤』の体系防除で同様の状態となる。手取り防除は、脱粒と種子の生き残りを防ぐ観点からトウコンの出穂後10日以内に行う。 |
作物 平成18年(2006年)農事試・作物部、農業技術課・専技、北信農改
水稲湛水直播栽培におけるカルパー紛粒剤16の等倍量被覆処理技術水稲湛水直播栽培におけるカルパー粉粒剤 16 の等倍量被覆処理は、乾籾の 2 倍量被覆と同等の生育、収量が得られる。被覆籾の重量減による労力軽減、被覆作業時間の省力、資材費軽減が図れる。 |
作物 平成18年(2006年)農事試・作物部
水稲の有機栽培におけるプール育苗の管理技術トンネル式の場合、換気は苗の徒長を防ぐため伏せ込み時から行い、気温上昇に伴い早めに被覆資材の除去を行う。無化学肥料による中苗育苗では、必要窒素量目安により無肥培土との組合せを判断し、育苗期間中の葉色を SPAD 値で確認し適宜、追肥を行う。 |
果樹・病害虫 平成18年(2006年)南信試・病虫土肥部
ナシ棚栽培におけるSS散布の適正送風量と走行感覚ナシ棚において生育初期(休眠期~落花直後頃まで)はスピードスプレーヤの送風量を450m3/min以上に増やしても薬剤付着量は増加しない。ドリフトを軽減するために,送風量の切り替えが可能な機種では450m3/min程度に設定する。また,散布ムラをなくすためにスピードスプレーヤの走行間隔は7~8m以内とする。 |
病害虫 平成18年(2006年)果樹試・病虫土肥部
スピードスプレーヤによる薬剤散布においてドリフト軽減に有効な技術スピードスプレーヤでの薬剤散布において、樹高3m程度のりんごわい性台樹では低送風量と薬液が粗い粒径となるノズルの組み合わせで、また、普通樹では粗大な薬液粒径となるノズルの使用によって、ドリフト低減できる可能性がある。 |
野菜・花き・きのこ 平成18年(2006年)野花試・菌茸部
大気圧プラズマを用いた正負イオン発生機は、エリンギ生育室空中菌の除菌効果が高く、エリンギ立枯れ症状を低減できる大気圧プラズマを用いた正負イオン発生器は、シュードモナス属菌に対する除菌効果が高く、エリンギ生育室での稼働により、空中菌数が減少し、エリンギ立枯れ症状の発生を低減できる。 |