研究情報

研究成果『普及技術』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「普及技術」の研究内容とその成果をご紹介します。

野菜・花き・きのこ 平成27年(2015年)野菜花き試験場野菜部

有機培地を用いたトマト養液栽培においてはセル苗直接定植が可能である

ヤシガラ等の有機培地を用いたトマト養液栽培では、50穴~72穴のセル成型苗を適期に定植することで、育苗や定植の省力化が図られるとともに、慣行のポット苗と同等の収量が得られる。

野菜・花き・きのこ 平成27年(2015年)野菜花き試験場野菜部

カラーピーマンの2本仕立て栽培は慣行の4本仕立て栽培より多収となる

カラーピーマンは、株間を狭めて栽植密度を高め主枝を2本として仕立てることで、慣行の主枝4本仕立てより多収となる。

果樹 平成27年(2015年)果樹試験場育種部

ぶどう「クイーンニーナ」は、無核栽培ができる赤色の大粒品種として有望である

ぶどう「クイーンニーナ」は、赤色の無核大粒品種として有望である。開花前のストレプトマイシン散布と2回のジベレリン処理により無核栽培を行なう。果実品質の目標は、果粒重16~17g、着粒数30粒程度、果房重500g、糖度20 Brix%以上、酸含量0.3~0.4g/100mlとする。

果樹 平成27年(2015年)果樹試験場栽培部、農業試験場企画経営部

醸造用ぶどう栽培において、片側誘引短梢せん定栽培(改良スマート仕立て)は果実の高品質化に有望である

醸造用ぶどう栽培における片側誘引短梢せん定栽培(改良スマート仕立て)は、糖度及び果皮色素量は自然形仕立てと比べて優れる。作業時間は、自然形仕立てと同程度である。

果樹 平成27年(2015年)果樹試験場栽培部、農業技術課、園芸畜産課

ぶどう「シャインマスカット」の収穫適期の判定に、ぶどう欧州系黄色品種用カラーチャートが有効である

ぶどう「シャインマスカット」は、満開後90日以降に、ぶどう欧州系黄色品種用カラーチャートを用い、果皮色を比色し、カラーチャート指数「3以上」の果房を収穫することで、目標果汁糖度19Brix%以上の果房が収穫できる。

畜産 平成27年(2015年)畜産試験場飼料環境部・酪農肉用牛部

スーダン型ソルガム「涼風」とイタリアンライグラス「優春」の二毛作体系による高品質粗飼料生産マニュアル(普及技術)

スーダン型ソルガム「涼風」とイタリアンライグラス「優春」の二毛作体系はTDN60%DM以上の高品質粗飼料を年3回収穫でき、年間のTDN収量、作業能率、収益性も高い。既知の研究成果を加えて、この二毛作体系による高品質粗飼料生産マニュアルを作成した。

作物・病害虫 平成27年(2015年)農業試験場環境部

採種栽培のためのもみ枯細菌病防除の指針(マニュアル)

採種栽培のためのイネもみ枯細菌病防除指針の主な内容は、伝染環、診断、苗腐敗症・穂枯症の防除手段等を体系的にわかりやすく解説したものである。

病害虫 平成26年(2014年)農試企画経営部

ポリエチレン製ネットと通電線を組み合わせた電気柵はイノシシ・中型獣の侵入を防止できる

高さ1mのポリエチレン製ネットと通電線2段を組み合わせた電気柵でイノシシ・中型獣(ハクビシン・タヌキ等)の農地への侵入を防ぐことができる。

病害虫 平成26年(2014年)農試企画経営部、農業技術課

広域防護柵の河川開口部に防草シートをのれん状に垂らして目隠しすることでニホンジカの侵入を防止できる

広域防護柵の河川開口部に不織布タイプの防草シートを20~30㎝重ね、のれん状に垂らして目隠しすることでニホンジカの侵入を防止できる。

果樹・土壌肥料 平成26年(2014年)果樹試環境部

土壌中の可給態リン酸が50mg/100gより多いりんご樹園地では、一時的にリン酸施肥を中断できる

土壌中の可給態リン酸が50mg/100gより多いりんご樹園地では、3~6年間リン酸肥料を無施肥としても樹体生育、果実収量および樹体のリン酸吸収量に影響はみられない。リン酸の施肥再開は土壌の分析値により判断する。

作物・土壌肥料 平成26年(2014年)農試環境部、農業技術課

小麦における肥効調節型肥料を用いた追肥全量1回施肥法

速効性窒素肥料とリニア型15日タイプの肥効調節型肥料(被覆尿素肥料)を窒素で1:1に配合した肥料を越冬後に追肥する施肥法は、2回目の追肥を省略しても慣行と同等の収量、品質が得られる省力的な施肥法である。

畜産 平成26年(2014年)畜試酪農肉用牛部・飼料環境部

自給粗飼料と食品製造粕類を活用した発酵TMRにより、増体に優れた肉用交雑種肥育が可能である

交雑種肥育牛にソルガムサイレージ、エンバクサイレージ、ビール粕およびトウフ粕を原料とした発酵TMRを給与すると、増体に優れ、脂肪交雑は慣行肥育と同等の肥育成績が得られる。

畜産 平成26年(2014年)畜試酪農肉用牛部

飼料用玄米と生米ぬかを最大で34%混合した発酵TMRは、泌乳前期の飼料として利用できる

泌乳前期の飼料として、圧ぺん加工した飼料用玄米と生米ぬかを乾物中25~34%混合した自給飼料多用型発酵TMR(飼料自給率58~67%)は、大麦・とうもろこし圧ぺんの7割~全量を代替できる。

野菜・花き・きのこ 平成26年(2014年)野花試菌茸部

ブナシメジ高生産性培地「YKB-3」は培地コストを削減できる

ブナシメジ高生産性培地「YKB-3」は、従来のオガコ主体培地と比較し、培地単価を10%程度削減できる。

野菜・花き・きのこ 平成26年(2014年)野花試菌茸部

エノキタケ高生産性培地「YK3」は培地コストを削減できる

エノキタケ高生産性培地「YK3」は、コーンコブとコメヌカの使用量を削減でき、従来のコーンコブ主体培地と比較し、培地単価を10%程度削減できる。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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