研究情報

研究成果『普及技術』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「普及技術」の研究内容とその成果をご紹介します。

果樹 平成20年(2008年)果樹試験場

りんご「シナノドルチェ」の高品質果実生産のための適正着果管理技術

りんご「シナノドルチェ」の高品質果実を安定生産するためには、あら摘果を満開2週間後頃までに行い、仕上げ摘果では葉 50~60 枚に1果程度の着果管理が必要である。

作物 平成20年(2008年)農事試(作物部・病虫土肥部・原村試験地)、農業技術課(専技)

水稲プール育苗法は慣行育苗法と同等の苗質が得られ省力的な育苗法である

水稲プール育苗法は、慣行育苗法と同等の苗質が得られて、灌水と換気作業が省力的で、苗立枯病(リゾープス属菌、ピシウム属菌及びフザリウム属菌)に対し発生抑制効果が認められる育苗法である。

作物 平成20年(2008年)農事試(作物部・育種部)

水稲「天竜乙女(伊那28号)」は良質・良食味で安定収量が得られる晩生品種として有望である

安定多収、耐病性の水稲晩生認定品種「天竜乙女」は、既存品種「秋晴」に比較して、やや多収、良食味で夏越しの食味低下も少なく、またふ割れによる黒すじ症状の発生も少ない。「秋晴」に代わる有望品種として今年度認定品種に採用された。

病害虫 平成20年(2008年)南信試(病虫土肥部)、果樹試(病虫土肥部)

ナシ白紋羽病、リンゴ白紋羽病の新しい診断法として枝挿入法は簡易で早期診断に有効である

枝挿入法はナシ白紋羽病、リンゴ白紋羽病の早期発見に有効である。また、フロンサイドSC処理後の残効低下に伴う再発の早期把握に役立つ。衰弱樹の周辺樹やフロンサイドSC処理樹に対して実施する。本枝挿入法は衰弱樹の白紋羽病診断にも利用できる。

畜産 平成20年(2008年)畜試(肉用牛部)

黒毛和種種雄牛「栄寿」は枝肉重量、脂肪交雑及びロース芯面積の改良が期待できる

黒毛和種種雄牛「栄寿」は、枝肉 6 形質すべてに高い推定育種価を示し、特に枝肉重量 83.3kg、脂肪交雑2.33、ロース芯面積 17.13c ㎡と、非常に優れた遺伝能力がある。

果樹 平成20年(2008年)果樹試験場

りんご「シナノドルチェ」は早生種として有望である

「シナノドルチェ」は「つがる」と「シナノスイート」との間に収穫できる早生品種で、果汁が多く甘酸適和な良食味品種である。果実が大きく豊産性で、さびや裂果の発生が少なく商品化率が高い。

病害虫 平成19年(2007年)野花試・病害虫土壌肥料・花き・育種

熱処理によるトルコギキョウえそ萎縮ウイルス(LiNSV:仮称)の活性低下と熱水土壌消毒によるトルコギキョウえそ萎縮病の防除

トルコギキョウえそ萎縮ウイルスは、50℃以上の高温で 7 時間以上遭遇するとウイルス活性の低下が認められる。また、熱水土壌消毒は本病の防除に有効である。

畜産・土壌肥料 平成19年(2007年)中信試・畑作栽培

さやえんどうを用いたクロピラリドの生物検定法と堆肥施用基準

さやえんどうを用いた生物検定により、除草剤クロピラリドの残留程度を容易に推定できる。また、残留程度に基づく安全な堆肥施用量の判定が可能である。検定の具体的手順や留意事項についてマニュアル化した。

畜産 平成19年(2007年)中信試・畑作育種

飼料用とうもろこしとして「34B39」、「32F27」は有望である

飼料用とうもろこし「34B39」は早晩性が早生で、総体乾物率および茎葉消化性が高い多収な品種である。「32F27」は早晩性が中生で、耐倒伏性および茎葉消化性が高い多収な品種である。

畜産 平成19年(2007年)畜試・飼料環境

ペレニアルライグラス「ヤツカゼⅡ」は越夏性に優れ、夏秋期の収量性が安定した多収品種である

ペレニアルライグラス「ヤツカゼⅡ」は、「ヤツカゼ」より越夏性に優れ、夏秋期の収量性が安定して多収な中生品種で、「ヤツカゼ」の後継品種として有望である。

畜産 平成19年(2007年)畜試・肉用牛

黒毛和種繁殖雌牛における稲発酵粗飼料の通年給与技術

稲発酵粗飼料を黒毛和種繁殖雌牛の基本飼料として 10kg 通年給与し、3年間長期飼養した結果、各繁殖ステージにおける健康状態、繁殖性および子牛の発育に問題はなく、1年1産が達成された。

野菜・花き・きのこ 平成19年(2007年)野花試・花き

レンギョウ「ジャイアントイエロー」の12月出荷にはヒットα13の切り枝浸漬が有効である

レンギョウ「ジャイアントイエロー」について、自発休眠覚醒前の 11 月中旬から 12 月上旬に切り枝後、シアナミド剤のヒットα13の 15 倍液の切り枝浸漬処理を行えば、休眠芽の開花促進及び開花率の向上に効果があり、12 月出荷が可能である。

野菜・花き・きのこ 平成19年(2007年)野花試・花き

稚苗定植技術によるトルコギキョウ抑制栽培の短日処理開始時期は、定植3~4週間後がよい

稚苗定植技術によるトルコギキョウの抑制栽培では、定植3~4週間後に短日処理を開始するとロゼット化株の発生が抑えられ、4週間を目安に処理すると、開花が抑制され切り花品質が向上する。

野菜・花き・きのこ 平成19年(2007年)野菜花き試験場

アスパラガス新品種「どっとデルチェ(長・野交38号)」は、寒冷地の春どり露地普通栽培用品種として有望である。

寒冷地の春どり露地普通栽培に、アスパラガス新品種「どっとデルチェ」(長・野交 38 号)を用いると、従来の主要品種である「ウエルカム」に比べ、春どりでは太ものが多く、多収となる。また本品種は、斑点病の発生が「ウエルカム」に比べ少ない。

野菜・花き・きのこ 平成19年(2007年)野菜花き試験場

レタス「シナノスター(長・野35号)」は.レタス根腐病レース1に対して耐病性を有し.初夏どり向き球レタス品種として有望である

レタス「シナノスター」は、レタス根腐病レース1に対して耐病性を有し、6月~7月に収穫する初夏どり向き球レタス品種として適する。また対照品種と比較し大玉球収穫株率が高く、慣行栽培下での斑点細菌病に対する耐病性も優れる。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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