研究情報

研究成果『普及技術』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「普及技術」の研究内容とその成果をご紹介します。

野菜・花き・きのこ・土壌肥料 平成24年(2012年)野花試・野菜部・佐久支場

全面マルチ用うね内部分施肥機は葉菜類(はくさい、キャベツ、レタス)の減肥栽培に利用できる

うね内の定植部周辺に肥料を土壌と混和して帯状の施肥部分を形成する全面マルチ用うね内部分施肥機を使うと、葉菜類の春まき作型において減肥効果が高い。はくさい、キャベツレタスでは基肥のおおよそ30%の減肥で全面全層施用と同等の調整重が得られる。ただしレタスの夏まき作型では濃度障害の恐れがあるので、おおよそ40%の減肥とする。

野菜・花き・きのこ・病害虫 平成24年(2012年)野花試・野菜部

アスパラガスの実態調査から明らかになった減収要因とその対応策

アスパラガスの減収要因として茎枯病等による株の衰弱、土壌の乾燥、夏秋期の立茎過多がある。茎枯病の発生抑制には雨よけの効果が高く、乾燥防止のためpF2.3以下になるようにかん水する。また、茎径10~14mmの養成茎が1m当たり20本以上にならないように維持する。

果樹 平成24年(2012年)果樹試・栽培部

りんごのカットツリー苗育成において、ビーエー液剤を7~10回散布することで、フェザーがより安定的に発生する

りんごのカットツリー苗(フェザー付き2年生大苗)育成において、ビーエー液剤を7~10回散布することで、5~50cmのフェザーが10本以上安定的に発生する。

作物 平成24年(2012年)野花試・畑作部 農業技術課

そば「桔梗8号」は丸抜きの緑色が濃く、そば切りの外観品質に優れる品種である

そば「桔梗8号」は丸抜きの緑色が「信濃1号」より濃く、そば切りの外観品質に優れる。生態型は中間秋型で、生育期間は「信濃1号」より3日長く、耐倒伏性は同等である。収量性は「信濃1号」とほぼ同等で、千粒重は2割重く、容積重もやや重い。

作物 平成24年(2012年)農業試験場 農業技術課

雑草イネ総合防除対策マニュアル

雑草イネ総合対策マニュアルを作成し、発生状況に応じた体系的な対策メニューを示す。本マニュアルに従い、発生地では根絶に向けた総合防除対策を実施する。また、発生状況の把握により拡散防止を徹底する。雑草イネ対策は地域ぐるみの取り組みが必要不可欠である。

畜産 平成24年(2012年)畜試・酪農肉用牛部

玄米圧ぺんは泌乳中後期の乳用牛に利用できる

日乳量 30kg 程度の乳牛に玄米圧ぺんを原物中 40%混合した自家配合飼料の給与によっ て、トウモロコシ圧ぺんの 2/3 代替が可能で、正常な牛体生理のもとで飼養管理ができる。

果樹 平成24年(2012年)果樹試・栽培部 育種部

りんご「シナノピッコロ」の丸かじりに適した果実生産のための適正着果基準

りんご「シナノピッコロ」は、葉果比35~40程度に着果することで、平均果実重150~200g、 糖度14%程度の果実が生産できる。

作物 平成23年度(2011年度)農試作物部

小麦作におけるツノミナズナの防除法

小麦作におけるツノミナズナに対して除草剤による防除としてガレース乳剤の土壌処理とエコパートフロアブルの生育期茎葉処理による体系防除が有効である。耕種的防除として夏期2ヶ月間の湛水管理により埋土種子量を半減でき、小麦の晩播により生存個体数を大幅に減少できる。

作物・土壌肥料 平成23年(2011年)農試・環境部

きのこ廃培地(オガクズ)堆肥の含有成分を考慮した水稲施肥

オガクズを原料にしたきのこ廃培地堆肥を水田に春施用した場合の含有窒素の肥効率 は 20~30%に評価できるほか、含有リン酸についても 60~70%に評価可能であり、500~ 1,000kg/10a 施用ではリン酸肥料は無施用で栽培可能である。

野菜・花き・きのこ・土壌肥料 平成23年(2011年)野花試・佐久支場

ブロッコリーの養分吸収特性に基づく肥培管理法

ブロッコリーの窒素吸収は出蕾期前後にピークがあり、収穫期にかけて低下するため、 窒素の肥効は出蕾期までに高める。窒素施用量が過剰の場合、ホローステムの発生が増加するため、過剰な窒素施用は行わない。緩効性肥料と速効性肥料で収量・品質に差がないことから、経費面で速効性肥料が有利である。

作物・土壌肥料 平成23年(2011年)農試環境部、農業技術課

大麦における肥効調節型肥料を用いた全量基肥施肥法

速効性窒素肥料とシグモイド型 30 日タイプの被覆尿素をN1:1で配合した肥料を用いた大麦の全量基肥施肥は省力的で春作業の集中回避に有効な施肥法である。

畜産 平成23年(2011年)畜試・飼料環境部

中生の飼料用とうもろこし新品種「タカネフドウ」は多収で耐倒伏性に優れる

飼料用とうもろこし「タカネフドウ」は相対熟度(RM)125の中生品種で、耐倒伏性が強く、ごま葉枯病およびすす紋病に抵抗性で、茎葉消化性が高く、多収な品種である。

畜産 平成23年(2011年)畜試・飼料環境部

高消化性スーダン型ソルガム新品種「涼風」は嗜好性・再生性に優れる

飼料用ソルガム「涼風」は高消化性遺伝子を持ち、飼料品質、嗜好性および再生性に優れるスーダン型ソルガム品種で、ロールベール体系による2回刈り利用に適する。

野菜・花き・きのこ 平成23年(2011年)野花試・野菜部

不織布製鉢を利用した夏秋どりトマト養液土耕栽培

不織布製鉢を利用したトマト養液土耕栽培の夏秋作型においては、品種「りんか 409」を仕立て法「主茎1本仕立て」、着果管理「低段の摘果処理」の条件で栽培すると、収穫 10 段以上の長期作型、6段程度の短期作型ともに、収量性が高くなる。

野菜・花き・きのこ 平成23年(2011年)野花試・野菜部、南信試・栽培部

廃液を出さない高設栽培システム「上部給水吸い戻し方式」はいちご促成栽培に適用できる

「上部給水吸い戻し方式」は、底面給水方式と同一のハンモック式ベッド・培地・被覆 肥料を用い、培地上部から点滴チューブで給水を行う廃液を出さない高設栽培システムである。慣行のかけ流し方式よりも多収であり、培地の使用年数が進んでも収量の低下が 少なく、促成いちご栽培への適用性が高い。

研究成果の検索

農業関係試験場について

長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

  • 農業試験場
  • 果樹試験場
  • 野菜花き試験場
  • 畜産試験場
  • 南信農業試験場
  • 水産試験場
  • 研究課題の募集
  • 視察研修の受け入れについて
  • 研究成果
  • スマート農業
Copyright © Nagano Prefecture. All rights reserved.