研究成果『土壌肥料』
長野県農業関係試験場にて取り組んだ「土壌肥料」の研究内容とその成果をご紹介します。
普及技術 平成23年(2011年)農試・環境部
きのこ廃培地(オガクズ)堆肥の含有成分を考慮した水稲施肥オガクズを原料にしたきのこ廃培地堆肥を水田に春施用した場合の含有窒素の肥効率 は 20~30%に評価できるほか、含有リン酸についても 60~70%に評価可能であり、500~ 1,000kg/10a 施用ではリン酸肥料は無施用で栽培可能である。 |
普及技術 平成23年(2011年)野花試・佐久支場
ブロッコリーの養分吸収特性に基づく肥培管理法ブロッコリーの窒素吸収は出蕾期前後にピークがあり、収穫期にかけて低下するため、 窒素の肥効は出蕾期までに高める。窒素施用量が過剰の場合、ホローステムの発生が増加するため、過剰な窒素施用は行わない。緩効性肥料と速効性肥料で収量・品質に差がないことから、経費面で速効性肥料が有利である。 |
普及技術 平成23年(2011年)農試環境部、農業技術課
大麦における肥効調節型肥料を用いた全量基肥施肥法速効性窒素肥料とシグモイド型 30 日タイプの被覆尿素をN1:1で配合した肥料を用いた大麦の全量基肥施肥は省力的で春作業の集中回避に有効な施肥法である。 |
技術情報 平成23年(2011年)農試作物部・環境部
パン用小麦「ゆめかおり」は止葉展開期以降開花期までの追肥で蛋白質含有量が向上するパン用小麦品種「ゆめかおり」は2回目の追肥として止葉展開期以降開花期までに 10a当たり窒素成分で5kg追肥を行うと無追肥に比較して蛋白質含有率が2~4%程度向上する。 |
技術情報 平成23年(2011年)畜試飼料環境部
ソルガムの適切なNO3-N含量およびK/(Ca+Mg)当量比のための堆肥施用量ソルガムのNO3-N含有率およびK/(Ca+Mg)当量比は、堆肥施用量の増加に伴い上昇するが、その程度は品種により異なる。年間堆肥施用量を5t/10a程度にすることで、いずれの品種もNO3-N含有率およびK/(Ca+Mg)当量比を基準値内にとどめることができる。 |
技術情報 平成23年(2011年)畜試飼料環境部
クリーニングクロップ効果が高いソルガム・ライムギの組み合わせによる養分回収と堆肥化利用スーダン型ソルガムまたはスーダングラス極晩生品種を2回収穫後、ライムギを栽培する1年2作体系は、富栄養土壌では年間 10a当たりN:70kg、P:4kg(P2O5:9kg)、K: 120kg(K2O:145kg)程度の養分を回収できる。また、栽培後のソルガムは、細断して堆積することで堆肥化できる。 |
試行技術 平成22年(2010年)野花試・環境部
0.5M塩酸抽出法により家畜ふん堆肥の短期的な窒素肥効を評価できる0.5M 塩酸により堆肥から抽出された無機態窒素を測定することにより、家畜ふん堆肥に含まれる速効性窒素の肥効を評価し、施肥設計に反映することができる。 |
試行技術 平成22年(2010年)野花試・環境部
可給態りん酸量が50mg/100g以上であれば夏まきハクサイのりん酸施肥を全量削減できる夏まきハクサイの栽培圃場において、可給態りん酸量が 50mg/100g 以上であれば、りん酸肥料を全く施用しなくても、基準量を施用した場合と同等の収量が得られる。 |
試行技術 平成22年(2010年)果樹試・環境部
りんご2年生わい性台木苗木(カットツリー)育苗における窒素施肥量は10kg/10a以下でよいりんご2年生わい性台木苗木(カットツリー)育苗において、フェザーの発生数は窒素 10kg/10a 施用で最も多かった。しかし、窒素無施肥でも十分な生育量となり、育成目標を満たすカットツリーが得られた。また、育苗時の窒素施肥量が多いと、本圃定植後の生育量は少なかった。 |
試行技術 平成22年(2010年)農試・環境部、野花試・環境部
0.5M塩酸抽出による家畜ふん堆肥の簡易分析法家畜ふんたい肥を0.5M塩酸で抽出することにより、堆肥中のりん酸・カリ成分の分析が可能で、抽出液中のりん酸・カリおよび塩酸抽出無機態窒素は、小型反射式光度計で簡易に分析することができる。 |
技術情報 平成22年(2010年)南信試・栽培部
窒素追肥時期の違いが干し柿「市田柿」原料かきの生育、果実収量および品質に及ぼす影響干し柿「市田柿」原料かきに対して6月に窒素の追肥を行う場合、現行の施肥基準の8月に行う場合と比べ、幹周肥大、1結果枝当たりの着果数、果実肥大、葉身および収穫果実中の窒素濃度、果実収量および果実品質は同等である。 |
技術情報 平成22年(2010年)野花試・環境部
ブロッコリー栽培では速効性肥料と緩行性肥料のいずれを用いても収量及び品質に差はないブロッコリーの春まき及び夏まき作型において、速効性肥料と緩効性肥料では花蕾の収量及び品質に差はなく、価格の安い速効性肥料を用いた方がコスト的に有利である。 |
技術情報 平成22年(2010年)農試・作物部、農業技術課
麦類の塩安(塩化アンモニウム)追肥と収量・品質大小麦の追肥に塩安の利用が可能で、慣行の硫安追肥と収量・品質の差はない。 |
試行技術 平成21年(2009年)果樹試・環境部・栽培部
りんごせん定枝はチップ化して圃場内で循環利用できるりんごせん定枝は、チップ化して全面に均一散布すれば、圃場内で循環利用できる。 |
試行技術 平成21年(2009年)南信試・栽培部
きゅうり露地普通栽培の被覆肥料による育苗ポット全量施肥技術きゅうり露地普通栽培の育苗ポット全量施肥栽培は、慣行栽培に比べ窒素を3割減肥しても同等の上物収量が得られる。肥料は、初期溶出抑制型の被覆燐硝安2401と被覆塩化加里、ようりんを育苗土へ混合し、本圃への基肥・追肥は行う必要がない。 |