研究情報

研究成果『土壌肥料』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「土壌肥料」の研究内容とその成果をご紹介します。

試行技術 平成22年(2010年)野花試・環境部

可給態りん酸量が50mg/100g以上であれば夏まきハクサイのりん酸施肥を全量削減できる

夏まきハクサイの栽培圃場において、可給態りん酸量が 50mg/100g 以上であれば、りん酸肥料を全く施用しなくても、基準量を施用した場合と同等の収量が得られる。

試行技術 平成22年(2010年)果樹試・環境部

りんご2年生わい性台木苗木(カットツリー)育苗における窒素施肥量は10kg/10a以下でよい

りんご2年生わい性台木苗木(カットツリー)育苗において、フェザーの発生数は窒素 10kg/10a 施用で最も多かった。しかし、窒素無施肥でも十分な生育量となり、育成目標を満たすカットツリーが得られた。また、育苗時の窒素施肥量が多いと、本圃定植後の生育量は少なかった。

試行技術 平成22年(2010年)農試・環境部、野花試・環境部

0.5M塩酸抽出による家畜ふん堆肥の簡易分析法

家畜ふんたい肥を0.5M塩酸で抽出することにより、堆肥中のりん酸・カリ成分の分析が可能で、抽出液中のりん酸・カリおよび塩酸抽出無機態窒素は、小型反射式光度計で簡易に分析することができる。

技術情報 平成22年(2010年)南信試・栽培部

窒素追肥時期の違いが干し柿「市田柿」原料かきの生育、果実収量および品質に及ぼす影響

干し柿「市田柿」原料かきに対して6月に窒素の追肥を行う場合、現行の施肥基準の8月に行う場合と比べ、幹周肥大、1結果枝当たりの着果数、果実肥大、葉身および収穫果実中の窒素濃度、果実収量および果実品質は同等である。

技術情報 平成22年(2010年)野花試・環境部

ブロッコリー栽培では速効性肥料と緩行性肥料のいずれを用いても収量及び品質に差はない

ブロッコリーの春まき及び夏まき作型において、速効性肥料と緩効性肥料では花蕾の収量及び品質に差はなく、価格の安い速効性肥料を用いた方がコスト的に有利である。

技術情報 平成22年(2010年)農試・作物部、農業技術課

麦類の塩安(塩化アンモニウム)追肥と収量・品質

大小麦の追肥に塩安の利用が可能で、慣行の硫安追肥と収量・品質の差はない。

試行技術 平成21年(2009年)果樹試・環境部・栽培部

りんごせん定枝はチップ化して圃場内で循環利用できる

りんごせん定枝は、チップ化して全面に均一散布すれば、圃場内で循環利用できる。

試行技術 平成21年(2009年)南信試・栽培部

きゅうり露地普通栽培の被覆肥料による育苗ポット全量施肥技術

きゅうり露地普通栽培の育苗ポット全量施肥栽培は、慣行栽培に比べ窒素を3割減肥しても同等の上物収量が得られる。肥料は、初期溶出抑制型の被覆燐硝安2401と被覆塩化加里、ようりんを育苗土へ混合し、本圃への基肥・追肥は行う必要がない。

試行技術 平成21年(2009年)南信試・栽培部

トマトハウス抑制栽培の被覆技術による育苗ポット全量施肥技術

トマトハウス抑制栽培において、苗の鉢上げ時に被覆肥料を育苗ポットへ全量施肥する方法は、慣行施肥に比べ3割減肥しても同等以上の上物収量が得られる。肥料は、初期溶出抑制型の被覆燐硝安 2401 と被覆塩化加里、砂状ようりんを育苗土へ混合し、本圃へ基肥・追肥を施用する必要はない。

試行技術 平成21年(2009年)南信試・栽培部

トマトハウス雨よけ栽培被覆肥料による」定植時の植え穴全量施肥技術

トマトハウス雨よけ栽培において、定植時に被覆肥料を植え穴へ全量施肥する方法は、慣行施肥に比べ3割減肥しても同等の上物収量が得られる。肥料は被覆燐硝安加里を使用し、追肥の必要はない。

試行技術 平成21年(2009年)野花試・野菜部・環境部、農業技術課

セルリーの減肥栽培における畦内施肥・畦立て・土壌消毒・マルチ張り同時作業乗用管理機の適応性

乗用畦内施肥・畦立て・土壌消毒・マルチ張り同時作業機は、肥料の繰り出し精度が高く、また作業速度も歩行型より速く、セルリー露地栽培の畦内施肥による減肥栽培への適応性が高い。

普及技術 平成21年(2009年)南信試・栽培部

りん酸蓄積ほ場でにきゅうり養液土耕栽培の液肥組成

りん酸が過剰に蓄積しているほ場のきゅうり養液土耕栽培では、養液土耕専用肥料に代えて硝安と大塚ハウス3号を用いた液肥組成が、収量に差がなく、肥料コストの低減に有効である。

普及技術 平成21年(2009年)南信試・栽培部

りん酸蓄積ほ場でのきゅうりの土壌および葉柄搾汁液りん濃度測定に基づくりん酸施肥の要否判定技術

普通作型のきゅうりほ場において、葉にりん酸過剰に由来する白斑症状を発生させないため、基肥施用前に土壌の水浸出りん酸を簡易水質検査試験紙で測定し、5ppm 以上の場合はりん酸施肥を行わない。また収穫期間中、第 14~16 節葉の葉柄搾汁液中のりん濃度を小型反射式光度計で測定し、りん単体に換算して 235ppm 以上の場合はりん酸の追肥を行わない。

普及技術 平成21年(2009年)野花試・環境部

レタスのりん酸施肥を全量削減できる土壌可給態りん酸量は100mg/100g以上である

レタス栽培圃場の土壌可給態りん酸量が100mg/100g以上であれば、りん酸肥料を全く施用しなくても、基準量を施用した場合と同等の収量が得られる。

普及技術 平成21年(2009年)野花試・環境部

根菜類ではりん酸肥料の代替としコーンコブ堆肥が利用できる

土壌可給態りん酸が 60~110mg/100g 乾土程度残存する野菜畑では、根菜類(じゃがいも、だいこん、にんじん、たまねぎ)に対して、コーンコブ堆肥をりん酸源として施用しても、収量・品質は、ようりん、重焼りんを施用した場合と同等である。

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