研究成果『土壌肥料』
長野県農業関係試験場にて取り組んだ「土壌肥料」の研究内容とその成果をご紹介します。
技術情報 令和元年(2019年)農業技術課、農業試験場、果樹試験場
令和元年東日本台風(台風第19号)による堆積土の土壌分析結果堆積土の土壌養分は土性によって異なり、粘質、壌質の堆積土には堆積土直下の作土に近い肥料成分が含まれ、窒素の発現も見込まれる。一方砂質の堆積土は、肥料成分が少なく窒素の発現もわずかである。 |
技術情報 令和元年(2019年)野菜花き試験場環境部
黒ボク土壌における三要素と稲わら堆肥の長期連用処理が土壌養分に及ぼす影響長期にわたる堆肥と三要素の連用試験の結果、毎年収穫物と残渣を持出した場合、稲わら堆肥を2t/10a施用しても土壌全炭素は徐々に低下し、可給態窒素は堆肥施用により増加する。 |
技術情報 令和元年(2019年)南信農業試験場栽培部
低樹高栽培のかき「市田柿」における時期別の施肥窒素吸収特性速効性の硫安を用いた11月~6月の施肥窒素は、相対的に新生器官である結果枝や果実へ多く分配され、特に6月の施肥窒素は果実への分配が多い。7月の施肥窒素は、新生器官への分配率が低下する一方、旧枝部(結果母枝~亜主枝)や主枝、主幹への分配割合が高まり、8月施肥ではその傾向がより強まる。ただし、同じ新生器官である徒長枝では、7月以降の生育後半も施肥窒素の寄与率が高く、常に施肥窒素が移行してきている。 |
技術情報 令和元年(2019年)農業試験場企画経営部、農業技術課
長野県内の垣根仕立てのワイン用ぶどう園における土壌の基本情報県内の垣根仕立てのワイン用ぶどう園30か所で根域の土壌について断面、三相、粒径組成を調査し、また地質、土地の由来、農耕地土壌分類、地形と土地改良状況を確認し、土壌の母材をまとめた。いずれも排水性が確保されている点が共通しており、それ以外は多様性に富んだ土壌条件で栽培されていた。 |
技術情報 令和元年(2019年)農業試験場環境部、農業技術課
水田土壌の可給態ケイ酸は中南信地域で不足傾向である中性リン酸緩衝液法による水田土壌可給態ケイ酸量は、中南信地域においては土づくり目標値の10~15mg/100gを下回る圃場が多く、ケイ酸質肥料施用等の対策が必要である。 |
技術情報 令和元年(2019年)南信農業試験場栽培部
日本なし改植園の樹体ジョイント仕立て栽培における本ぽ定植した苗木の育成法日本なし樹体ジョイント仕立て栽培において、苗木を本ぽに定植して育苗する本ぽ定植苗木育成を行う際、改植園では、客土処理とマルチ処理を併用することで、本ぽの土壌で育成する場合よりも、1年目の新梢伸長が優り、育成2年目の7~8月に、樹間1.5mでジョイント可能な3.3m以上の長さの苗木が得られる。 |
技術情報 平成30年(2018年)野菜花き試験場環境部・野菜部
アスパラガスほ場の排水性を評価するための簡易な下層透水性診断ラセン状穴掘り器を用いてアスパラガスほ場のうね肩部に直径約7cm、深さ40㎝の注水孔を掘り、注水後10分と30分の水位を測定し、その差が40mm以下の場合を排水不良と診断する。従来法と比べ簡易で効率的に診断が可能なため、生産者が利用しやすい。 |
技術情報 平成30年(2018年)野菜花き試験場環境部
温暖化による気温上昇に伴うレタス栽培土壌の窒素無機化量の推定温暖化により年平均気温が2℃上昇する場合、畝上面のマルチ下10cmにおける地温は約2℃上昇し、土壌窒素無機化量はレタス1作当たり、14~27%増加すると推定される。 |
試行技術 平成30年(2018年)野菜花き試験場環境部・野菜部、農業技術課
穿孔暗渠機「カットドレーン」によるほ場排水性改善効果とアスパラガスの生育向上カットドレーン施工によりほ場排水性が改善する。アスパラガスほ場においてその効果は施工後2年以上持続し、排水性改善に伴いアスパラガスの生育が向上するとともに欠株率が低下する。 |
普及技術 平成30年(2018年)農業試験場作物部・環境部、農業技術課
雑草イネに対して石灰窒素を組み合わせた防除体系が有効である雑草イネ発生圃場において、稲わらを除去し、冬期間は不耕起とし、水稲刈り取り後から春期耕起3週間以上前の間に50kg/10aの石灰窒素処理と従来の防除法を組み合わせた防除体系が有効である。 |
普及技術 平成30年(2018年)農業試験場環境部・企画経営部、農業技術課
水稲の流し込み施肥による穂肥施用方法水田の水口に設置したメッシュコンテナ内に、肥料を入れたコンバイン籾用PP袋を置き、潅漑水で肥料を徐々に溶かして流し込むと、潅漑水量が少ない水系でも施肥むらが少ない穂肥施用ができ、また、大幅な省力、低コスト化が図られる。 |
技術情報 平成30年(2018年)農試・作物部、育種部
大麦「東山皮糯109号(ホワイトファイバー)」の止葉展開期追肥は、窒素施肥量4kg/10aが多収となり、品質低下はみられない大麦「東山皮糯109号(ホワイトファイバー)」の止葉展開期追肥で、窒素施肥量4kg/10aは標準施肥量2kg/10aより多収となり、品質低下はみられなかった。 |
技術情報 平成29年(2017年)野花試・環境部
土壌蓄積養分を考慮したダイコンの可給態リン酸基準値夏まきダイコンの栽培圃場において、可給態リン酸量が50mg/100g乾土以上であれば、リン酸肥料を全く施用しなくても、基準量を施用した場合と同等の収量が得られる。 |
技術情報 平成29年(2017年)野花試・環境部
0.5M塩酸抽出法による家畜ふん等を含む有機質資材の肥効評価とレタス減肥栽培レタス栽培において0.5M塩酸抽出法で評価した家畜ふん等を含む有機質資材中の窒素、リン酸、カリ養分相当量は化学肥料代替できる。 |
技術情報 平成29年(2017年)野花試・環境部、農業技術課
レタス湿害対策を目的とした作溝処理による排水性の改善効果レタス畑の湿害対策を目的として、全面マルチ栽培用の作業機に爪状のアタッチメントを取り付けて、作溝しながら畝立てを行うことにより排水性が改善される。 |