研究成果『病害虫』
長野県農業関係試験場にて取り組んだ「病害虫」の研究内容とその成果をご紹介します。
試行技術 平成18年(2006年)南信試・病虫土肥部
ナシ棚栽培におけるSS散布の適正送風量と走行感覚ナシ棚において生育初期(休眠期~落花直後頃まで)はスピードスプレーヤの送風量を450m3/min以上に増やしても薬剤付着量は増加しない。ドリフトを軽減するために,送風量の切り替えが可能な機種では450m3/min程度に設定する。また,散布ムラをなくすためにスピードスプレーヤの走行間隔は7~8m以内とする。 |
試行技術 平成18年(2006年)果樹試・病虫土肥部
スピードスプレーヤによる薬剤散布においてドリフト軽減に有効な技術スピードスプレーヤでの薬剤散布において、樹高3m程度のりんごわい性台樹では低送風量と薬液が粗い粒径となるノズルの組み合わせで、また、普通樹では粗大な薬液粒径となるノズルの使用によって、ドリフト低減できる可能性がある。 |
普及技術 平成18年(2006年)南信試・病虫土肥部
マルメロごま色斑点病の発生生態と防除対策マルメロごま色斑点病の主要な第一次伝染源は被害落葉から飛散する子のう胞子である。子のう胞子はマルメロの開花期間中に飛散・感染し,9~10日の潜伏期間の後,発病する。発生後は分生子により6~7日の潜伏期間で激しく二次伝染する。耕種的防除として被害落葉の処理が重要で,重点防除時期は開花期間,梅雨期,秋雨期である。 |
技術情報 平成18年(2006年)南信試・病虫土肥部
イチゴうどんこ病の防除対策として親株床の防除徹底が重要である本圃におけるイチゴうどんこ病の発生を抑制するため親株床での防除が重要である。 |
技術情報 平成18年(2006年)果樹試・病虫土肥部
PCRを用いた遺伝子診断による根頭がんしゅ病菌のリンゴ樹からの検出法りんご樹の根組織から市販のDNA抽出キットを用いてDNAを抽出し、これを用いてPCRを行うことで、樹内に存在する根頭がんしゅ病菌を検出することができる。本法は病原菌の分離を行わずに菌の存在が確認できるため、迅速な診断が可能である。 |
普及技術 平成17年(2005年)農事試 農総試 農業技術課 防除所
イネいもち病(葉いもち病)の感染予測に発生予察支援装置およびMyBLASTAM(長野県版)が有効である発生予察支援装置および MyBLASTAM (長野県版)によって、圃場単位の局地的な要約イネいもち病(葉いもち)の感染予測ができ、防除要否、防除適期を判断する情報として活用できる。 |
普及技術 平成17年(2005年)野菜花き試
アスター萎凋病防除に土壌の熱水消毒または還元消毒が有効である土壌の熱水消毒または還元消毒は、アスター萎凋病に対して慣行のクロルピクリンによる土壌燻蒸処理とほぼ同等に発病を抑制することができる。アスターの生育と品質は良好で、両処理による影響は見られない。 |
試験して得られた技術事項 平成17年(2005年)野菜花き試
育苗施設への黄色粘着テープ設置によるナモグリバエの被害抑制効果育苗施設内または周辺に黄色粘着テープを設置することにより、レタス育苗期におけるナモグリバエ被害を抑制することができる。 |
試験して得られた技術事項 平成17年(2005年)果樹試
殺虫剤に対するスモモヒメシンクイの感受性殺虫剤17剤に対するスモモヒメシンクイの薬剤感受性を室内処理室内接種試験および野外散布室内接種試験で検定した結果、サイアノックス水和剤およびアーデント水和剤は殺虫率が高く、残効期間が長かった。 |
試験して得られた技術事項 平成17年(2005年)果樹試
リンゴ園から採集したナミハダニの殺ダニ剤感受性リンゴ園から採集したナミハダニでは、カネマイトフロアブル1,000倍、コテツフロアブル2,000倍に対する感受性低下が進行している可能性が高い。また、コロマイト乳剤1,000倍、オマイト水和剤750倍は雌成虫で、マイトコ-ネフロアブル1,0000倍は卵からふ化幼虫での感受性がやや低下していることが確認された。 |
試験して得られた技術事項 平成17年(2005年)農事試
フェロモントラップによるアカヒゲホソミドリカスミカメの発生消長の把握斑点米被害の主要加害種であるアカヒゲホソミドリカスミカメの水田内の発生消長把握にフェロモントラップ(合成性フェロモンを誘引源とする粘着トラップ)が利用可能である。 |
試験して得られた技術事項 平成17年(2005年)農事試
アイガモ水稲同時作(アイガモ農法)におけるイネミズゾウムシの防除効果アイガモ水稲同時作(アイガモ農法)でアイガモは主として雑草防除対策のために導入されるが、イネミズゾウムシ防除にも効果が認められる。 |
試験して得られた技術事項 平成17年(2005年)南信試 下伊那普及センター
「幸水」での殺菌剤削減下における主要病害の発生「幸水」で殺菌剤の削減を行う場合、黒星病の発生に注意する必要がある。初期感染が早く多発する場合に、慣行防除と比較して被害が増加する。前年、黒星病が発生した園や常発園では殺菌剤の削減はできない。 |
試験して得られた技術事項 平成17年(2005年)南信試
日本なし栽培におけるSS散布の散布時期と薬剤付着量開花期前後の葉が繁茂していない時期は、徒長枝が伸び、葉が繁茂する6月と比較すると薬剤付着量が少ない。開花前後などの初期防除ではSSの走行間隔・順路に注意するほか、授粉樹や圃場の周囲など薬剤のかかりにくい場所は手散布する必要がある。 |
試験して得られた技術事項 平成17年(2005年)南信試
日本なしに発生する萎縮症状の原因と対策「幸水」に発生する萎縮症状の原因はヒポキシロン幹腐病と萎縮病が多い。いずれも木材腐朽菌による枝幹部の腐朽が原因である。治療は困難なため改植が望ましい。「南水」に発生する萎縮症状には病原菌が関与する可能性は低い。 |