研究成果『病害虫』
長野県農業関係試験場にて取り組んだ「病害虫」の研究内容とその成果をご紹介します。
技術情報 平成20年(2008年)農事試(病虫土肥部)
イネいもち病(葉いもち)の感染に及ぼす強雨の影響「発生予察支援装置」、「クロップナビ」による葉いもち感染条件の判定で、感染源が確保されている圃場においては、強雨により感染好適条件を免れた場合でも感染している可能性がある。 |
技術情報 平成20年(2008年)農事試(病虫土肥部)
水稲種子の浸種・催芽中でのイネばか苗病の2次伝染程度健全籾を汚染籾と同一容器内で浸種・催芽すると、催芽方式や催芽時間により程度は異なるが、汚染籾から健全籾へ高率にばか苗病の伝染がおこる。 |
普及技術 平成20年(2008年)南信試(病虫土肥部)、果樹試(病虫土肥部)
ナシ白紋羽病、リンゴ白紋羽病の新しい診断法として枝挿入法は簡易で早期診断に有効である枝挿入法はナシ白紋羽病、リンゴ白紋羽病の早期発見に有効である。また、フロンサイドSC処理後の残効低下に伴う再発の早期把握に役立つ。衰弱樹の周辺樹やフロンサイドSC処理樹に対して実施する。本枝挿入法は衰弱樹の白紋羽病診断にも利用できる。 |
試行技術 平成19年(2007年)果樹試・病害虫土壌肥料、農業技術課・専技、上小・松本普及センター
ブドウ晩腐病に対する耕種的防除対策として伝染源のせん除を徹底し、袋掛け、笠掛けを早期に行うブドウ晩腐病の耕種的防除法として有袋栽培品種では袋かけを早期に行う。袋かけによる効果は直前の殺菌剤散布から短期間で行うほど高い。醸造用品種など無袋栽培品種では6月下旬~7月上旬頃までに笠かけを行う。また、慣行防除の効果を確実にするためには巻きひげ、前年の穂軸、副梢といった伝染源のせん除を徹底する。 |
普及技術 平成19年(2007年)野花試・病害虫土壌肥料・花き・育種
熱処理によるトルコギキョウえそ萎縮ウイルス(LiNSV:仮称)の活性低下と熱水土壌消毒によるトルコギキョウえそ萎縮病の防除トルコギキョウえそ萎縮ウイルスは、50℃以上の高温で 7 時間以上遭遇するとウイルス活性の低下が認められる。また、熱水土壌消毒は本病の防除に有効である。 |
技術情報 平成19年(2007年)野花試・佐久支場、南信試・病害虫土壌肥料
標高の異なる長野県内3地点のレタスにおけるナモグリバエの発生推移の特徴長野県内3地点のレタス株上におけるナモグリバエ幼虫個体数の推移に違いが認められる。発生は平均気温約10℃を超える時期から見られるようになり、15℃から20 ℃の間で発生量が増加する。また、20℃を超える期間が長い地域では、夏季以降の発生量の減少が著しい。 |
技術情報 平成19年(2007年)果樹試・病害虫土壌肥料
粘着テープトラップによる果樹カイガラムシ類幼虫の発生時期調査法果樹カイガラムシ類成虫が寄生している枝に両面テープを巻き付けると、ふ化後移動中の幼虫が付着する。定期的に付着幼虫数を数えることで幼虫の発生消長が把握でき、防除適期の判定にも利用できる。 |
技術情報 平成19年(2007年)農事試・病害虫土壌肥料
イネドロオイムシのフィプロニル半数致死量平成 19 年に上高井郡高山村の Dr.オリゼプリンス粒剤(フィプロニル・プロベナゾール粒剤)を苗箱施薬した圃場においてイネドロオイムシが多発した。圃場より採取した越冬成虫について薬剤感受性検定を実施した結果、フィプロニルに対する半数致死量が新潟県や山形県のフィプロニル感受性低下事例並の値であった。 |
技術情報 平成19年(2007年)野花試・病害虫土壌肥料・花き・育種
DAS-ELISA法によるトルコギキョウえそ萎縮ウイルスの高感度検出技術トルコギキョウに発生した新種のトルコギキョウえそ萎縮ウイルス(LiNSV:新称)は、新たに作製した LiNSV 酵素標識抗体を用いた DAS-ELISA 法により、感染植物から高感度に検出できる。 |
技術情報 平成19年(2007年)野花試・病害虫土壌肥料・花き・育種
トルコギキョウえそ萎縮ウイルス(LiNSV:仮称)の伝染環LiNSV の土壌伝染は、移植時に発生する根傷が主な侵入門戸である可能性が高く、土壌中のトルコギキョウおよび雑草のウイルス罹病根が感染源となり、媒介者を要しない物理的な接触伝染をする。また、本病は抑制作型よりも低温期を経る促成~季咲き作型で発生が多く認められる。 |
技術情報 平成19年(2007年)果樹試・病虫土肥部
日本すもも品種「貴陽」、「秋姫」におけるスモモ斑入果病の特徴と果実品質に与える影響「貴陽」、「秋姫」におけるスモモ斑入果病の代表的な病徴は、着色不良(斑入り)、果面の凹凸、果実の小型化である。斑入りは、「貴陽」では着色が進むほど、「秋姫」では着色始期に明瞭となる。また、両品種ともに罹病果実は健全果実と比べ、酸度、硬度は高く、食味が劣る傾向がみられる。 |
技術情報 平成19年(2007年)畜試・飼料環境、野花試・佐久支場、農業技術課・専技、佐久・松本農改
飼料作物を利用した野菜ほ場の農薬ドリフト低減ライ麦「春一番」、「春香」を障壁作物として栽培することにより、ソルガム使用前の 5 月中旬から 7 月中旬に野菜ほ場における農薬のドリフトを低減できる。また、障壁作物として飼料用ソルガム、ライ麦を利用した場合、ドリフト低減ノズルを併用するとより効果的にドリフトを低減する。 |
技術情報 平成19年(2007年)南信試・栽培野花試・佐久支場
接ぎ木したスイカの本圃における生育不良株発生接ぎ木スイカの生育不良株は、断根挿し接ぎや呼び接ぎに比べ、断根片葉切断接ぎで多発し、台木ではカボチャ台で少なく、ユウガオ、トウガン台で多い。接ぎ木したセル苗を鉢上げ育苗し、定植時に根部形成の悪い株を除去すれば、発生を減らせる。 |
技術情報 平成19年(2007年)野花試・病虫土肥
上伊那地域のシンテッポウユリから分離した葉枯病菌の薬剤感受性上伊那地域のシンテッポウユリから分離した葉枯病菌は、ジカルボキシイミド系剤に対して、高度な薬剤耐性が生じている可能性が高い。よって、防除薬剤の選択には注意が必要である。 |
技術情報 平成19年(2007年)野花試・病虫土肥・育種
りんどうに新発生した黒点病の病徴りんどうの茎、葉、花弁に輪紋状の斑点を形成し、葉枯れや茎枯れを伴う被害が発生した。原因究明を行ったところ、Alternaria alternataによる「黒斑病」であることが判明した。本病は生育初期からの感染が多発生を引き起こす可能性があるので、特に育苗中では発病させないようにする。 |