研究情報

研究成果『病害虫』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「病害虫」の研究内容とその成果をご紹介します。

試行技術 平成21年(2009年)野花試・環境部

スイカ育苗期における果実汚斑細菌病の防除対策

育苗期の果実汚斑細菌病防除には、カスガマイシン・銅水和剤(カスミンボルドー、カッパーシン)1,000 倍液の散布が防除効果および病原菌伝搬阻止効果が高い。さらに接木用ナイフを 80%エタノールまたはケミクロン G の 1,000 倍液に浸漬することで病原菌の伝搬が阻止される。

試行技術 平成21年(2009年)果樹試・環境部・栽培部

りんごせん定枝はチップ化して圃場内で循環利用できる

りんごせん定枝は、チップ化して全面に均一散布すれば、圃場内で循環利用できる。

試行技術 平成21年(2009年)農試・企画経営部、農業技術課

簡易型電気柵(改良型FPPF)による公共牧場へのニホンジカの進入防止効果

公共牧場において、電気柵のフード・プロット・プロテクター・フェンス(FPPF)を改良し、既存柵の外側に電気柵を1本設置することにより、ニホンジカの侵入防止効果を向上させることができる。

試行技術 平成21年(2009年)農試・企画経営部、農業技術課

飼料作物生産圃場におけるニホンジカ食害に対するソルガムの有効性

ソルガムは飼料用とうもろこしに比べ、生育初期のニホンジカ食害による減収被害を受けにくく、食害多発圃場における食害対策作物として有望である。

普及技術 平成21年(2009年)野花試・環境部、農業技術課

長野県内のキュウリモザイク病に関与するウイルス種とワクチンを利用したその防除法

長野県内のきゅうりから検出されるウイルスは、キュウリモザイクウイルス(CMV)、カボチャモザイクウイルス(WMV)、ズッキーニ黄斑モザイクウイルス(ZYMV)であり、特にZYMVの単独または重複感染株において果実の奇形、凹凸化や株の急性萎凋など病徴が極めて激しくなるが、ZYMVワクチンの苗処理により効果的に防除できる。

技術情報 平成21年(2009年)南信試・栽培部

発生予察用粘着トラップ(SEトラップ)とファネルトラップにおけるオオタバコガ誘殺数の違い

オオタバコガの発生予察で使用している市販の粘着トラップ(SEトラップ:白色) (以下、粘着トラップ)とファネルトラップ(黄色)(以下、ファネルトラップ)の誘殺数を調査したところ、粘着トラップの誘殺数が多く、防除時期の把握には適していると考えられた。なお誘殺ピークを把握する場合には、調査間隔を短くすることが必要と考えられる。

技術情報 平成21年(2009年)南信試・栽培部

リンゴコカクモンハマキ発生予察用ルアー3種の誘引力

果樹の主要害虫の一種であるリンゴコカクモンハマキの発生予察用のモニタートラップで使用される3種類のルアーの誘引力は異なる。調査結果を比較する場合は、同じメーカーのルアーを用いる。

技術情報 平成21年(2009年)野花試・佐久支場、南信試・栽培部

ナモグリバエに対する土着寄生蜂の密度抑制能力

ナモグリバエの土着天敵は、多種からなる寄生蜂群集であり、高いナモグリバエ密度抑制能力を有する。ナモグリバエの発生初期である5月頃には、イサエアヒメコバチが密度抑制効果を発揮する。夏季は本種に加えてササカワハモグリコマユバチ等が発生し、密度抑制効果を示す。

技術情報 平成21年(2009年)南信試・栽培部

キュウリ褐斑病に対するジマンダイセン水和剤の効果

ジマンダイセン水和剤は、キュウリ褐斑病発生前の散布で高い防除効果がある。発生後は防除効果が劣るものの、初発直後に使用することで、栽培期間を通した発病抑制効果が認められる。

技術情報 平成21年(2009年)南信試・栽培部

下伊那地域のきゅうりから分離したキュウリ褐斑病菌のアゾキシストロビン剤に対する薬剤感受性

下伊那地域のきゅうりから分離したキュウリ褐斑病菌は、アゾキシストロビン剤に対して感受性が低下している。このため、耕種的防除を徹底した上で、効果のある薬剤のローテーション散布を行う。

技術情報 平成21年(2009年)野花試・環境部

セルリー葉芯部のえそ小斑点、萎縮症状は炭疽病菌の一系統による新規の病害である

近年長野県内のセルリー生産地で発生している葉芯部えそ萎縮症状(通称:ごま)は、 Colletotrichum acutatum の一系統による新規の病害である。 C. a cutatum によるセルリー炭疽病は、日本国内では平成 12 年に東京都での発生が初めて報告されたが、被害は育苗時における芯葉の腐敗であり、本県の場合とは病徴が大きく異なる。

技術情報 平成21年(2009年)野花試・環境部

スイカ果実汚斑細菌病菌の罹病残さにおける生残性

スイカ育苗施設または本圃で果実汚斑細菌病が発生した場合、罹病残渣を土中深 く(地表下 30cm 以上)埋却することにより残渣中の病原細菌は死滅する。

技術情報 平成21年(2009年)果樹試・環境部

りんごせん定チップの連用施用が白紋羽病の発病に与える影響

せん定枝チップ約 300kg/10aを定植5年目まで連年表面施用したところ、リンゴ白紋羽病発病に及ぼす影響は小さかった。しかし、白紋羽病発病履歴のあるほ場では、せん定枝チップの施用量の増加、土壌中への混和により発病の危険が増大するため、せん定枝チップの施用は行わない。

技術情報 平成21年(2009年)農試・環境部

無加温平置き出芽方式はイネもみ枯細菌病(苗腐敗症)の発生を抑制する

無加温平置き出芽方式では加温出芽に比較して育苗初期の育苗箱内の温度が低めに推移することからもみ枯細菌病(苗腐敗症)の発生を抑制する。

技術情報 平成21年(2009年)農試・企画経営部、農業技術課

電気柵支柱に縦の通電線を追加することによりニホンザルの侵入防止効果が高まる

建設用ワイヤーメッシュの上部に、電柵線を5本設置したニホンザル侵入防止柵において、支柱に沿って縦の通電線を追加し電流を流すことにより、ニホンザル侵入防止効果を向上させることができる。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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