研究成果『病害虫』
長野県農業関係試験場にて取り組んだ「病害虫」の研究内容とその成果をご紹介します。
技術情報 令和元年(2019年)果樹試験場環境部
リンゴ黒星病に対する数種薬剤の治療効果オルフィンフロアブル、べフラン液剤、ユニックス顆粒水和剤はリンゴ黒星病に対してスコア顆粒水和剤と同様の治療効果(病斑形成抑制効果)があり、展葉~落花期の重要防除時期の使用で安定して防除できる。また、ジマンダイセン水和剤は発病後の病斑に散布することにより病斑上の胞子形成を抑制するため、発生初期に使用することで二次伝染を効果的に抑制できる。 |
技術情報 令和元年(2019年)農業試験場環境部
コムギ赤さび病は品種により抵抗性が異なるが、適切な農薬の開花期1回散布で防除できるコムギ赤さび病はシルバキュアフロアブルを開花期に1回散布することで初発時期、品種によらず、効果的に防除できる。「シラネコムギ」はコムギ赤さび病の抵抗性が比較的強いため、チルト乳剤25の開花期1回散布でも実用的な防除効果が得られる。本防除方法はコムギ赤かび病に対しても高い効果がある。 |
技術情報 平成30年(2018年)農業技術課、農業試験場企画経営部・作物部・環境部、野菜花き試験場佐久支場
普通作物栽培の防除作業の省力化に産業用マルチローター(ドローン)が有効である産業用マルチローターを利用した水稲・小麦・大豆栽培の病害虫防除薬剤の液剤少量散布作業は、産業用無人ヘリより低コストで騒音が小さく、地上散布より作業効率が良い。 |
技術情報 平成30年(2018年)南信農業試験場栽培部
ナシ黒星病子のう胞子飛散と初期の発病に対する秋冬期の落葉処理の効果前年の秋冬期に「幸水」の落葉を除去することで、翌春のナシ黒星病子のう胞子の飛散量が減少し、初期のナシ黒星病の発病が減少する。 |
技術情報 平成30年(2018年)果樹試験場環境部・栽培部、農業技術課
ワイン用ぶどうにおける部分雨除けの晩腐病発生抑制効果と果実品質に及ぼす影響棚栽培用の簡易雨除け資材(商品名:トンネルメッシュ)は降雨による濡れを回避し、開花前に設置すると晩腐病の発生抑制効果が高い。垣根栽培用の果房雨除けは設置時期が全般に遅いため被覆までの感染リスクがあるが、被覆後の濡れを軽減し晩腐病の発生を抑制することができる。いずれも果実品質に及ぼす悪影響はない。 |
技術情報 平成30年(2018年)果樹試験場環境部、農業技術課
県外産りんご苗木における薬剤耐性黒星病の発生県外産のりんご苗木に発生した黒星病は、DMI剤注1)とQoI剤注2)に対する薬剤耐性を有していた。この黒星病菌は苗木とともに伝搬され、越冬場所は芽付近と考えられた。一年生枝の先端部ほど保菌率が高く、特にフェザー苗では発生率が高かった。平成30年に苗木の抜根処分を行っても、黒星病菌が周辺に拡散している可能性があり、平成31年は全県的に黒星病防除を強化するとともに、DMI剤の使用は控える必要がある。 |
技術情報 平成30年(2018年)農業試験場環境部
水稲の高密度播種育苗栽培における苗箱施薬剤の育苗箱あたり50g移植当日処理は葉いもちに対する効果が低下する水稲の高密度播種育苗栽培でいもち病対象の苗箱施薬剤を育苗箱あたり50g移植当日処理すると、10aあたりの薬剤投下量が減少するため、慣行栽培に比べて葉いもちに対する効果が低下する。苗箱施薬処理により当栽培法を行う場合には、生育期間中のいもち病の発生を十分把握し、必要な場合は本田での防除を実施する。 |
技術情報 平成30年(2018年)農業試験場環境部、農業技術課
長野県におけるプロクロラズ耐性ばか苗病菌の発生県内各地で発生したばか苗病はプロクロラズ耐性を高率に有していた。プロクロラズ耐性ばか苗病菌に対してプロクロラズ含有種子消毒剤※を使用しても十分な防除効果は得られない。このため、プロクロラズ含有種子消毒剤の使用を当面中止する。 |
技術情報 平成30年(2018年)農業試験場環境部
コムギ赤さび病の発病による減収事例コムギ赤さび病は糊熟期の止葉の発病葉率80%程度以上で、粒数又は千粒重が減少し、減収を引き起こした。今回の調査では最大で約35%の減収であり、タンパク質含有率も低下し、品質への影響も生じた。 |
技術情報 平成30年(2018年)野菜花き試験場環境部
紫外線(UV-B)照射と脂肪酸グリセリド乳剤の体系処理が夏秋どりイチゴのうどんこ病とハダニ類の発生に及ぼす影響夏秋どりイチゴ(施設栽培)において、栽培期間中にUV-B(紫外線B波)の夜間3時間(毎日)照射と脂肪酸グリセリド乳剤散布を組み合わせた体系処理を行うと、うどんこ病とハダニ類(ナミハダニ)の発生を効果的に抑制できる。 |
農薬情報 平成30年(2018年)農業試験場環境部
イネ稲こうじ病防除にモンガリット粒剤が有効であるイネ稲こうじ病防除にモンガリット粒剤を出穂15日前頃に3kg/10a散布する。 |
農薬情報 平成30年(2018年)農業試験場環境部
イネいもち病(葉いもち)防除にプロベナゾール含有箱粒剤の1kg/10a移植時側条施用が有効であるイネいもち病(葉いもち)防除にプロベナゾール含有箱粒剤を1kg/10a移植時側条施用する。 |
農薬情報 平成30年(2018年)野菜花き部会
セルリー畑の一年生イネ科雑草防除にナブ乳剤が有効であるセルリー畑における一年生イネ科雑草の生育期全面茎葉処理剤として、ナブ乳剤の10a当たり150~200ml全面雑草茎葉散布処理は防除効果が高い。 |
試行技術 平成30年(2018年)農業試験場環境部
だいずのマメシンクイガ防除に有効な薬剤と散布時期だいずのマメシンクイガ防除に、プレバソンフロアブル5の4,000倍液又はトレボン乳剤1,000倍液のいずれかを、本種成虫の発生盛期(フェロモントラップ誘殺盛期)頃から産卵盛期頃までに散布する。スミチオン乳剤1,000倍液は、産盛期頃から幼虫発生初期頃に散布する。 |
農薬情報 平成30年(2018年)野菜花き試験場環境部、農業試験場環境部
トレビスのアブラムシ類防除にモスピラン顆粒水溶剤が有効であるトレビスのアブラムシ類防除にモスピラン顆粒水溶剤の2,000倍液を散布する。 |