研究情報

研究成果『病害虫』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「病害虫」の研究内容とその成果をご紹介します。

技術情報 平成30年(2018年)果樹試験場環境部、農業技術課

県外産りんご苗木における薬剤耐性黒星病の発生

県外産のりんご苗木に発生した黒星病は、DMI剤注1)とQoI剤注2)に対する薬剤耐性を有していた。この黒星病菌は苗木とともに伝搬され、越冬場所は芽付近と考えられた。一年生枝の先端部ほど保菌率が高く、特にフェザー苗では発生率が高かった。平成30年に苗木の抜根処分を行っても、黒星病菌が周辺に拡散している可能性があり、平成31年は全県的に黒星病防除を強化するとともに、DMI剤の使用は控える必要がある。

技術情報 平成30年(2018年)農業試験場環境部

水稲の高密度播種育苗栽培における苗箱施薬剤の育苗箱あたり50g移植当日処理は葉いもちに対する効果が低下する

水稲の高密度播種育苗栽培でいもち病対象の苗箱施薬剤を育苗箱あたり50g移植当日処理すると、10aあたりの薬剤投下量が減少するため、慣行栽培に比べて葉いもちに対する効果が低下する。苗箱施薬処理により当栽培法を行う場合には、生育期間中のいもち病の発生を十分把握し、必要な場合は本田での防除を実施する。

技術情報 平成30年(2018年)農業試験場環境部、農業技術課

長野県におけるプロクロラズ耐性ばか苗病菌の発生

県内各地で発生したばか苗病はプロクロラズ耐性を高率に有していた。プロクロラズ耐性ばか苗病菌に対してプロクロラズ含有種子消毒剤※を使用しても十分な防除効果は得られない。このため、プロクロラズ含有種子消毒剤の使用を当面中止する。

技術情報 平成30年(2018年)農業試験場環境部

コムギ赤さび病の発病による減収事例

コムギ赤さび病は糊熟期の止葉の発病葉率80%程度以上で、粒数又は千粒重が減少し、減収を引き起こした。今回の調査では最大で約35%の減収であり、タンパク質含有率も低下し、品質への影響も生じた。

技術情報 平成30年(2018年)野菜花き試験場環境部

紫外線(UV-B)照射と脂肪酸グリセリド乳剤の体系処理が夏秋どりイチゴのうどんこ病とハダニ類の発生に及ぼす影響

夏秋どりイチゴ(施設栽培)において、栽培期間中にUV-B(紫外線B波)の夜間3時間(毎日)照射と脂肪酸グリセリド乳剤散布を組み合わせた体系処理を行うと、うどんこ病とハダニ類(ナミハダニ)の発生を効果的に抑制できる。

農薬情報 平成30年(2018年)農業試験場環境部

イネ稲こうじ病防除にモンガリット粒剤が有効である

イネ稲こうじ病防除にモンガリット粒剤を出穂15日前頃に3kg/10a散布する。

農薬情報 平成30年(2018年)農業試験場環境部

イネいもち病(葉いもち)防除にプロベナゾール含有箱粒剤の1kg/10a移植時側条施用が有効である

イネいもち病(葉いもち)防除にプロベナゾール含有箱粒剤を1kg/10a移植時側条施用する。

農薬情報 平成30年(2018年)野菜花き部会

セルリー畑の一年生イネ科雑草防除にナブ乳剤が有効である

セルリー畑における一年生イネ科雑草の生育期全面茎葉処理剤として、ナブ乳剤の10a当たり150~200ml全面雑草茎葉散布処理は防除効果が高い。

試行技術 平成30年(2018年)農業試験場環境部

だいずのマメシンクイガ防除に有効な薬剤と散布時期

だいずのマメシンクイガ防除に、プレバソンフロアブル5の4,000倍液又はトレボン乳剤1,000倍液のいずれかを、本種成虫の発生盛期(フェロモントラップ誘殺盛期)頃から産卵盛期頃までに散布する。スミチオン乳剤1,000倍液は、産盛期頃から幼虫発生初期頃に散布する。

農薬情報 平成30年(2018年)野菜花き試験場環境部、農業試験場環境部

トレビスのアブラムシ類防除にモスピラン顆粒水溶剤が有効である

トレビスのアブラムシ類防除にモスピラン顆粒水溶剤の2,000倍液を散布する。

農薬情報 平成30年(2018年)野菜花き試験場環境部

キャベツ黒腐病防除にオリゼメート顆粒水和剤が有効である

キャベツ黒腐病防除において、定植時にオリゼメート顆粒水和剤100倍液をセルトレイ1枚当たり0.5Lの割合で灌注処理をする。

農薬情報 平成30年(2018年)野菜花き試験場環境部

ハクサイ軟腐病防除にオリゼメート顆粒水和剤が有効である

ハクサイ軟腐病防除において、定植時にオリゼメート顆粒水和剤100倍液をセルトレイ

農薬情報 平成30年(2018年)果樹試験場環境部、農業試験場環境部

くるみのコウモリガ防除にガットサイドSが有効である

くるみのコウモリガ防除にガットサイドS原液を樹幹に塗布する。塗布する場所は地際部から約1.5mの高さまでとする。防除適期は幼虫が草本から樹木に移動する5~6月頃である。

農薬情報 平成30年(2018年)農業試験場環境部

水稲のイネツトムシ防除にシアントラニリプロール含有箱粒剤が有効である

水稲のイネツトムシ防除にシアントラニリプロール含有箱粒剤を移植3日前~移植当日に育苗箱あたり50g散布する。

農薬情報 平成30年(2018年)野菜花き試験場佐久支場、環境部

ブロッコリー黒斑細菌病防除にオリゼメート顆粒水和剤が有効である

ブロッコリー黒斑細菌病防除に定植時にオリゼメート顆粒水和剤の100倍液をセルトレイ1箱当たり0.5Lの割合で灌注処理する。本剤は処理後28日程度までは防除効果が認められる。

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農業関係試験場について

長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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