研究情報

研究成果『畜産』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「畜産」の研究内容とその成果をご紹介します。

試験して得られた技術事項 平成14年(2002年)畜産試験場

肥育豚飼料にペパーミント乾燥粉末を添加することにより、加熱ドリップ割合が減少し官能検査における肉質及び香味が良好となる

肥育豚飼料にペパーミント乾燥粉末を添加給与した結果、2%添加区試験豚は発育が無添加区に比べ劣ったが、胸最長筋は加熱ドリップ割合が有意に減少し官能検査における肉質及び香味が良好であった。

試験して得られた技術事項 平成14年(2002年)畜産試験場

未成熟卵胞卵子を採取する牛卵巣の24時間保存条件は、保存温度では4℃よりも20℃が、保存液ではウィスコンシン液が有効である

と畜直後の牛卵巣を3種類の保存液、2水準の温度条件下で24時間保存した。採取した未成熟卵胞卵子を用いた体外受精成績は、20℃・ウィスコンシン液(UW液)の保存区において最も高い胚盤胞発生率が得られた。

試験して得られた技術事項 平成14年(2002年)畜産試験場

中山間地向け品種で調製した稲発酵粗飼料の黒毛和種繁殖雌牛における第一胃内消化性

中山間地向け品種で調製された稲発酵粗飼料の、黒毛和種繁殖雌牛における第一胃内乾物消失率には、品種及び収穫熟期の違いが大きく影響していることが認められた。また、尿素処理することにより乾物消失率は約5%高くなり、消化性を向上させる有効な処理方法であることが確認された。

試験して得られた技術事項 平成14年(2002年)畜産試験場

パイプハウス利用型発酵乾燥施設で生産された堆肥は、乳牛ふん尿の堆肥化に水分調整材として有効利用することが期待できる

パイプハウス利用型発酵乾燥処理施設で生産された堆肥を水分調整材として利用することにより、水分調整材の購入量を節減できる。さらに、夏~秋季に生産した水分 45%以下の低水分堆肥を冬季に利用することで、発酵能力低下を補うことができる。

試験して得られた技術事項 平成14年(2002年)畜産試験場

パイプハウス利用型乾燥発酵処理施設において発酵させた乳牛ふん堆肥の敷料利用は、オガクズ及びモミガラの場合に比べ、含まれる大腸菌群数の増殖を抑制する可能性がある

戻し堆肥を敷料利用している県下5農場の戻し堆肥の大腸菌群数は検出限界以下であった。また、オガクズとモミガラを好気培養したところ大腸菌群が検出されたが、戻し堆肥は48時間培養後においても検出限界以下であった。また、戻し堆肥を敷料利用した場合、牛床敷料中の大腸菌群に対する増殖抑制を認めた。

試験して得られた技術事項 平成14年(2002年)畜産試験場

9日間行程による乳牛の排卵同期化・定時授精法における排卵時間は、人工授精後6~12時間の時間帯である

9日間行程による乳牛の排卵同期化・定時授精法における排卵時間は人工授精後6~12時間であり、授精された精子と排卵された卵子の受精に必要とされる時間帯に合致する。

普及技術 平成14年(2002年)畜試

イタリアンライグラス中生品種「ナガハヒカリ」は、採草用牧草として有望である

イタリアンライグラス中生品種「ナガハヒカリ」は、越冬性(耐寒性)に優れる。草丈は高いが、倒れにくい。茎数が少ないが稈径は太く乾物収量も高い。秋播き栽培し、一番草を5月中旬に収穫し夏作物と輪作利用する

普及技術 平成14年(2002年)畜試

イタリアンライグラス極早生品種「ワセアップ」は、採草用牧草として有望である

イタリアンライグラス極早生品種「ワセアップ」の越冬性(耐寒性)、収量性及び耐倒伏性は、県奨励品種「ウヅキアオバ」と同等に優れる。秋播き栽培し二番草まで利用する。二番草を5月上旬に収穫し夏作物と輪作利用する。

試験して得られた技術事項 平成14年(2002年)畜産試験場

イタリアンライグラス晩生品種「ミドリホープ」は、採草用牧草として有望である

イタリアンライグラス晩生品種「ミドリホープ」は、県普及品種「エース」より草丈は高く、稈径は太く茎数は少ない。県普及品種「エース」より二番草乾物収量が高い。

普及技術 平成14年(2002年)畜産試験場

自走式イネホールクロップサイレージ収穫機(WB1000)及び自走式ラップマシン(SW1000)は飼料用イネの収穫・調製機械として実用性がある

自走式飼料イネホールクロップサイレージ収穫機と自走式ラップマシンの組作業で、水田(軟弱圃場)における飼料イネの収穫・調製ができる。

普及技術 平成14年(2002年)畜産試験場

飼料用ソルガム「葉月」における雑草の耕種的防除技術およびライ麦作付による通年ロールベールラッピング利用体系

飼料用ソルガム「葉月」では、散播・密植栽培することで除草剤を使用しない栽培が可能である。さらに「葉月」の裏作としてライ麦を作付けることで通年ロールベールラッピング利用による自給飼料の高位安定生産が図れる。

普及技術 平成14年(2002年)畜産試験場

イネ科牧草ロールベールサイレージの主要な飼料成分含量は、近赤外分光分析法により迅速に測定できる

イネ科牧草ロールベールサイレージの一般6成分(水分、粗灰分、粗蛋白質、可溶無窒素物、粗脂肪、粗繊維)および酸性デタージェント繊維、細胞壁物質(総繊維)、低消化性繊維の含量は、近赤外分光分析法により迅速に測定できる。

普及技術 平成14年(2002年)畜産試験場

自家用ハム・ベーコンの製造に、木製の組み立て式燻煙装置は利用し易く実用的である

試作した木製の組み立て式燻煙装置は、家庭においても製作が容易で、製作に要する経費も比較的低く、持運びと収納性にも優れることから、家庭用のみでなく研修会などの共同使用にも利用し易い。

普及技術 平成14年(2002年)畜産試験場

乳牛の飼料給与診断用ソフトウエア「DAIRYver3.2」は、有効NDFや粗飼料NDFの分画を用いることができ、飼料の物理性を考慮した飼料設計が可能である

「DAIRY ver3.2」は有効NDFや粗飼料NDFの分画を用いることができ、飼料の物理性を考慮した飼料設計が可能である。日本飼養標準は新たに1999年版に準拠し、NRC飼養標準1989年版のどちらでも用いることができる。

試験して得られた技術事項 平成13年(2001年)畜試

ライ麦の散播栽培において収穫ロスを低減するには、稈径の太い品種の選定と低密度栽培が有効である

自給飼料の増産を図るには、冬作の積極的な導入による作付け体系の確立が重要である。しかし、冬作飼料作物は、本県の気象条件および夏作との収穫、播種作業の競合等の問題から作付けは伸びていない。ライ麦は、耐寒性・耐雪性に優れ、作期幅が比較的広くとれるため、適正な品種を選定することにより、夏作との収穫、播種作業の競合等の問題も少なく、自給飼料生産量を向上させるために有望である。しかし、倒伏等による機械収穫ロスが多く、実収量が少ないことが問題となっている。そこで、ライ麦の散播栽培において倒伏を防止し、収穫ロスを最小限にする栽培技術について検討する。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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