研究情報

研究成果『野菜・花き・きのこ』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「野菜・花き・きのこ」の研究内容とその成果をご紹介します。

試験して得られた技術事項 平成12年(2000年)野菜試

エノキタケ子実体発生不全の変異は、BTBアッセイ法により検出できる

エノキタケの種菌変異は、収量減収、品質低下等多大な損害を与えるが、現在子実体発生による検定しか確実に知る方法はなく、種菌センター等では種菌を配布した後に変異が確認されることがある。このため、菌糸の状態で変異を検出する技術が必要である。平成11年度までに当場菌茸部が一部協力し、農林水産省森林総合研究所が開発したエノキタケの変異を菌糸状態で簡易に検出できるエノキタケ変異株簡易識別法(以下、BTBアッセイ法)について、各種の子実体発生不全株及び形成不全株に対する有効性の検定とその方法を確立する。

試験して得られた技術事項 平成12年(2000年)野菜試

ブナシメジ栽培における寒天培地を利用したダニ類発生調査法

ブナシメジの培養中にダニ類による害菌伝搬が大きな問題となっている。ダニの発生初期に防除対策を行うことが効率的な害菌被害の軽減に重要である。寒天培地(PDA)はダニ類の簡易トラップとして利用可能であることを、平成11年に農林水産省森林総合研究所で明らかにした。そこで、この簡易トラップの有効な利用方法を検討する。

普及技術 平成12年(2000年)野菜花き試験場

ブナシメジ栽培における4本穴接種孔は、培養・熟成日数の短縮に有効である

ブナシメジ栽培において、改良穴あけ機による4本穴接種孔は1本穴に比較して菌まわり日数が2日前後短縮し、培養・熟成日数は培地内ガス環境が改善されて7~10日短縮できる。

試験して得られた技術事項 平成12年(2000年)野菜花き試験場

苗箱への薬剤灌注散布によるキャベツのコナガ防除

近年,キャベツ,はくさい,レタスなどでは育苗にセルトレーを用いるセル成型育苗がおこなわれている。さらに大規模育苗センターによるセル育苗がおこなわれている。また害虫防除の面では,定植時の粒剤の植穴処理が普及している。しかし,この処理は労力がかかり,実用面では問題がある。育苗期後半の粒剤処理も登録が増えてきているが,簡便な方法ではない。そこで,省力的で効果の高い防除方法を開発する。

試験して得られた技術事項 平成12年(2000年)野菜花き試験場

菌茸施設内における環境殺菌剤散布後の経過時間と殺菌効果

きのこ栽培において施設の薬剤散布消毒を行っているにもかかわらず害菌汚染による被害の発生が見られる。こうした場合の薬剤散布は、放冷、接種の直前や栽培ビンを入れる作業の直前に散布されていることが多い。これまでの試験において薬剤散布1時間後の落下菌調査の結果、殺菌効果が現れていないことが確認されている。そこで薬剤散布後の経過時間ごとに害菌の推移を見ることにより、殺菌効果を確認し、適正な環境浄化方法を明らかにしようとした。

試験して得られた技術事項 平成12年(2000年)野菜花き試験場

シネンシス系スターチス「スーパーレデイーローズ」の苗冷蔵による3月切り技術

シネンシス系スターチスは、フラワーアレンジの添え花に適することから需要が高まっており、また、近年組織培養苗の販売により、揃いが良く、花色も豊富になったことから急激に生産が伸びてきた。そこで、苗冷蔵を利用して、需要期である3月出荷作型の確立を図る。

試験して得られた技術事項 平成12年(2000年)野菜花き試験場

シネンシス系スターチス「スーパーレディーローズ」、「スーパーレディー」の自然低温を利用した4月切り技術

シネンシス系スターチスは、中国、台湾原産のシネンシス種を親に持つ系統で、ピンク、白、黄色等のがくをスプレー状につける。フラワーアレンジの添え花に適することから需要が高まっている。さらに、近年の組織培養苗の販売に伴い、揃いが良く、花色も豊富になったことから急激に生産が伸びてきた。本種を秋に定植して無加温栽培を行うと5月以降に出荷が集中するため、春切り作型で早期開花をねらい、自然低温遭遇後加温する場合には、出荷期の前進効果が不安定な点があり、問題となっている。そこで、加温開始時期を変えて生育開花に適する低温要求量を検討し、4月出荷技術の確立を図る。

試験して得られた技術事項 平成12年(2000年)野菜花き試験場

トルコギキョウのF1品種「長花交23号」「長花交24号」「長花交25号」「長花交26号」「長花交27号」の育成

本県オリジナル品種により作型分散と有利販売をおこなうために、比較的栽培が容易で品質の揃いが良いトルコギキョウのF1品種を育成する。

普及技術 平成12年(2000年)営農技術センター

レタスの50%減化学肥料栽培は可能である

窒素肥料成分の50%を有機質肥料で代替するレタス栽培は現状の栽培体系を大きく変えなくても可能である。

普及技術 平成12年(2000年)南信農業試験場

露地ピーマンの肥効調節型肥料を用いたポット施肥は本圃施肥の省略と窒素減肥が可能である

ピーマン小苗の鉢上げ時に、本圃生育に必要な成分全量を肥効調節型肥料で培土に混合し育苗後定植するポット施肥法は、本圃の施肥を省略でき、かつ25%程度の窒素減肥が達成できる。

普及技術 平成12年(2000年)野菜花き試験場

菌茸栽培施設接種室等の殺菌処理に.オゾンガスは有効である

オゾンガスは、散布むらが少なく部屋を濡らすことなく殺菌でき殺菌効果は安定的で高い。また、薬剤散布のような労力は必要なく、ランニングコストは電気代のみで殺菌することができる。オゾンガスは、人体に影響あるのでオゾンガス発生は夜間に行い、0.1ppm以下になるまで立ち入らない。

普及技術 平成12年(2000年)野菜花き試験場

ブナシメジ栽培における培地内温度の簡易測定法

培養・熟成期間のビン側面温度を小型・軽量な温度記録計で継続的に測定することにより、ビンやキャップに穴を開けることなく培地内の温度が把握できるとともにCO2濃度の変動も推測でき、適正な環境制御が可能となる。

普及技術 平成12年(2000年)野菜花き試験場

エノキタケ栽培用に開発したYK2培地は.収量・品質の向上に有効である

コーンコブミール、コメヌカ、粉ビート、ワタミガラ、一般フスマ、ソルガム粉砕、乾燥オカラ、貝化石を混合し、培地水分率を65%に調整したエノキタケ培地は、収量、品質の向上に有効である。

普及技術 平成12年(2000年)農事試験場(原村試験地)

フリージア(枝切り可能タイプ)のコンテナ利用による高冷地早出し栽培

標高1000m地域でのフリージアの早出し栽培は、6月中旬にコンテナに植え付け、9月中旬までの山上げか、夜間冷房、または植え付け前40~50日間の球根冷蔵により、10月ころからの切り花生産が可能である。

普及技術 平成12年(2000年)営農技術センター

カリフラワーは寒冷地において早晩生の異なる品種を作期により使い分けることによって.7月から9月まで高品質生産が可能である

寒冷地で早生品種から極早生品種へ,極早生品種から超極早生品種へ,超極早生品種から極早生品種へと使い分けることによって,7月から9月まで高品質生産が可能である.

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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