研究成果『野菜・花き・きのこ』
長野県農業関係試験場にて取り組んだ「野菜・花き・きのこ」の研究内容とその成果をご紹介します。
試験して得られた技術事項 平成13年(2001年)野菜試
トルコギキョウのロゼット化回避に対する吸水種子低温処理育苗の効果トルコギキョウの抑制作型では、主に冷房育苗によりロゼット化を回避しているが、より低コストなロゼット化を回避する育苗方法が求められている。数年前より、吸水状態にある種子を低温処理するとその後常温下で育苗してもロゼット化株が発生しにくいという報告がされており、省力的な技術として注目されている。そこで、この育苗技術の本県における効果を確認した。 |
試験して得られた技術事項 平成13年(2001年)野菜試
県内育成トルコギキョウ品種の抑制作型適応性トルコギキョウの抑制作型は、冷房育苗や短日処理の普及により、栽培面積が拡大しているが、導入されている品種は市販品種が多い。一方、慣行作型では県内で育成されたオリジナル品種が栽培され、市場評価も高まっており、抑制作型でも栽培することで長期的な出荷が可能になる。そこで、県内育成品種の10月切り抑制作型適応性を検討し、有望な品種を選定する。 |
試験して得られた技術事項 平成13年(2001年)野菜試
マトリカリアの秋切り栽培における電照方法マトリカリアは切り花としての需要が増加しているが、夏定植の秋切り栽培ではロゼット株の発生などにより安定生産が難しい。ロゼット化の防止には電照が有効であるが、定植直後からの電照では短幹開花しやすい。そこで、電照方法について検討し、秋切り栽培技術の確立を図る。 |
試験して得られた技術事項 平成13年(2001年)野菜試
ソリタゴの開花調節技術ソリタゴは省力的な切り花として導入されているが、季咲き栽培は開花が集中しやすく、季咲き栽培の切り下株から萌芽する芽を用いた2度切り栽培では、2番花の品質が低下しやすい。そこで1番花の刈り込み及び2番花の電照方法について検討し、開花調節技術の確立を図る。 |
普及技術 平成13年(2001年)南信農業試験場
新しい農薬の蚕に対して薬害のなくなる安全基準日数(H.13)新しい農薬の蚕に対して薬害のなくなる安全基準日数は、デラウス粉剤DLが1日、デラウスフロアブルが1日、マイトコーネフロアブルが3日、スカーラフロアブルが3日、マトリックフロアブルが60日以上、ホライズンドライフロアブルが21日である。 |
普及技術 平成12年(2000年)野菜花き試験場
TSWV(トマト黄化えそウイルス)によって野菜花き類に発生するウイルス病は、イムノクロマト法により簡易診断できるTSWVによって野菜花き類に発生するウイルス病は、イムノクロマト法(米国Agdia社製,商品名:ImmunoStrip)を利用することにより、簡易診断できる。ただし、病徴(えそ、黄化、輪紋症状など)が見られる検体に限る。 |
普及技術 平成12年(2000年)野菜花き試験場
小輪系アスターの電照による9~12月出荷技術小輪系アスターのステラシリーズとネネローズを6月~8月に播種し、無摘心栽培を行い、定植時から電照を行うと、9月中旬~12月中旬に高品質な切り花ができる。 |
普及技術 平成12年(2000年)野菜花き試験場 農業総合試験場
水田転換畑におけるえだまめの省力・軽作業化栽培法として、セル成型苗を用いた機械移植栽培が有望である水田転換畑におけるえだまめの省力・軽作業化栽培法として、早生種または中生種を用いてセル成型育苗する機械移植栽培を行うことにより鳥害が回避できる。この栽培法では、直播き栽培に比べて収穫が早まり、同等以上の収量を得ることができ、品種と播種期を変えることにより、収穫期の労力分散が可能である。 |
普及技術 平成12年(2000年)南信農業試験場
きゅうりのかん水同時施肥(養液土耕)栽培は、窒素施用量の削減、肥培管理の省力化に有効であるきゅうり栽培において、施肥とかん水を給液管理マニュアルに従い、比例式液肥混入器、点滴かん水チューブ等を用いて自動的に行うかん水同時施肥(養液土耕)栽培は、従来の栽培より窒素施肥量を少なくしても同等からそれ以上の収量を得られ、塩類集積等土壌への負荷も軽減できる。 |
普及技術 平成12年(2000年)野菜花き試験場
アスパラガスの長期どり栽培の適正な立茎数は、株当たり5~6本であるアスパラガスの長期どり栽培の立茎数は、露地栽培、ハウス半促成栽培ともに株当たり5~6本が適している。 |
普及技術 平成12年(2000年)野菜花き試験場
アスパラガスの改植時におけるアレロパシーによる生育不良軽減に活性炭フロアブル剤は有効であるアスパラガスの改植時にみられるアレロパシー対策として活性炭フロアブル剤は有効であり、本剤希釈液を定植前に定植位置に散水するか、セルトレイを本剤希釈液に浸漬し、培土に十分液をしみ込ませた後に定植すると改植後の初期生育促進効果が高い。 |
試験して得られた技術事項 平成12年(2000年)野菜試 中信試
レタス根腐病菌の汚染拡大要因レタス根腐病の発生圃場面積は拡大しつつあり、病原菌の圃場間伝播が生じていると考えられる。病原菌の伝播をもたらす要因としては、風食により飛散する土壌、育苗段階における苗に対する病原菌汚染、トラクターに付着した土壌の移動等が考えられる。そこでこれらの要因を確認するため、風食土壌及び育苗施設床土から病原菌の検出を試みる。さらにトラクターから剥離した汚染土壌の有効な殺菌方法について検討する。 |
試験して得られた技術事項 平成12年(2000年)野菜試
レタス葉面から分離した拮抗細菌接種によるレタス腐敗病の発病抑制レタス腐敗病の発生は、大きな生産阻害要因になっている。防除薬剤の銅剤、ストレプトマイシン剤等は薬害の発生する危険性や収穫前使用日数の制限により、防除可能な期間が短く、防除効果も不十分である。また銅剤、ストレプトマイシン剤に対する耐性菌の存在も確認されている。さらに環境保全型農業推進から化学農薬の使用はできるだけ控えることが望ましいと考えられる。そこでレタス葉面細菌を利用したレタス腐敗病の生物防除技術を開発する。 |
試験して得られた技術事項 平成12年(2000年)南信試
きゅうりのウリノメイガに対する数種薬剤の防除効果近年南信地方のきゅうりを中心に、ウリノメイガの多発が問題となっているが、県の防除基準には採用されていなかったので、他害虫の防除で採用されている殺虫剤の効果を検討した。 |
試験して得られた技術事項 平成12年(2000年)農総試 野菜試
液状マルチ「ブラックリキ」は地温の昇温効果があり、アスパラガスの萌芽促進に有効である液状態で散布し、地表面で固化する液状マルチ(ブラックリキ)のマルチング効果(主として地温の昇温)を利用したアスパラガスの萌芽促進と、マルチ回収作業の省略による省力化を図る。 |