研究成果『果樹』
長野県農業関係試験場にて取り組んだ「果樹」の研究内容とその成果をご紹介します。
普及技術 平成28年(2016年)南信試・栽培部
フジコナカイガラムシのフェロモントラップと有効積算温度を利用して、かきのフジコナカイガラムシ幼虫の防除時期を把握できるフェロモントラップのフジコナカイガラムシ越冬世代雄成虫捕獲消長と有効積算温度から、かきにおけるフジコナカイガラムシの第1世代幼虫の防除時期を推定できる。 |
普及技術 平成28年(2016年)南信試・栽培部
カキ炭疽病に対するカキ円星落葉病防除主要薬剤の効果カキ炭疽病防除にオーソサイド水和剤の1,000倍液、ジマンダイセン水和剤の600倍液またはブローダ水和剤の500倍液を散布する。オーソサイド水和剤は伝染源量が多い、降雨が続くなどの悪条件下では効果が劣る。 |
普及技術 平成28年(2016年)果樹試・栽培部
りんごの2年生フェザー苗木育成において、発根が少ないまたは台木径が細いM.9台木は再養成した後苗木育成に利用できるりんごの2年生フェザー苗木育成において、採取したM.9台木の中で台木長40㎝以上かつ発根が少ないM.9台木(発根指数1で台木径7㎜以上)および台木径が細いM.9台木(発根指数2以上で台木径5㎜以上9mm未満)は、切り返しせずに定植し、6月上旬に先端側の新梢を数本残して再養成すると、苗木育成に必要な品質である発根指数2以上かつ台木径9mm以上のM.9台木が確保できる。 |
試行技術 平成28年(2016年)果樹試・栽培部
りんご「シナノゴールド」の貯蔵に適した果実をスマートフレッシュくん蒸剤で処理すると、冷蔵で収穫7ヶ月後まで鮮度が保持できるりんご「シナノゴールド」における貯蔵に適した果実は、適正着果量で栽培し、1回目の収穫で果皮色がシナノゴールドカラーチャート値3.5程度となる果実である。このような果実をスマートフレッシュくん蒸剤で処理し、冷蔵(3~4℃程度)で貯蔵すると、収穫7ヶ月後まで硬度低下が抑えられ、食味が良好に維持できる。 |
技術情報 平成28年(2016年)果樹試・栽培部
りんご「シナノホッペ」に対するスマートフレッシュくん蒸剤の鮮度保持効果りんご「シナノホッペ」はスマートフレッシュくん蒸剤で処理すると、冷蔵で収穫3ヶ月後まで硬度低下が抑えられ、食味が良好に維持できる。また、スマートフレッシュくん蒸剤での処理は出庫後の硬度低下も抑えることができる。 |
技術情報 平成28年(2016年)果樹試・環境部
M.9ナガノ台木りんご樹における品種別窒素吸収特性M.9ナガノ台木りんご樹における年間窒素吸収量は、「ふじ」が最も多く、以下、「シナノスイート」、「シナノゴールド」、「秋映」の順である。 |
技術情報 平成28年(2016年)果樹試・環境部、栽培部
リンゴうどんこ病菌 Podosphaera leucotrichaによるもも果実の褐色斑点症状(毛じ障害)の発生リンゴうどんこ病菌Podosphaera leucotrichaの感染により、幼果期のもも果実の褐色斑点症状(毛じ障害)が生じる。 |
普及技術 平成27年(2015年)果樹試験場環境部・栽培部
冷蔵貯蔵中のぶどう「シャインマスカット」に発生する灰色かび病防除に、オンリーワンフロアブルの7月中~下旬散布が有効である冷蔵貯蔵中のぶどう「シャインマスカット」に発生する果粒腐敗の原因は、主に灰色かび病菌によるものである。生育期間中の7月中~下旬にオンリーワンフロアブル2,000倍液を被袋前に散布することで、本被害を軽減することができる。 |
試行技術 平成27年(2015年)果試・環境部
リンゴ根頭がんしゅ病菌汚染ほ場の土壌消毒法として、定植前の熱水土壌消毒が有効であるリンゴ根頭がんしゅ病菌汚染土壌に対して、定植前に熱水処理をして地下 20cm の地温を 50℃で8時間維持することで高い土壌消毒効果が得られる。処理後約3年間にわたって防除効果が認められる。 |
普及技術 平成27年(2015年)果樹試験場育種部
ぶどう「クイーンニーナ」は、無核栽培ができる赤色の大粒品種として有望であるぶどう「クイーンニーナ」は、赤色の無核大粒品種として有望である。開花前のストレプトマイシン散布と2回のジベレリン処理により無核栽培を行なう。果実品質の目標は、果粒重16~17g、着粒数30粒程度、果房重500g、糖度20 Brix%以上、酸含量0.3~0.4g/100mlとする。 |
普及技術 平成27年(2015年)果樹試験場栽培部、農業試験場企画経営部
醸造用ぶどう栽培において、片側誘引短梢せん定栽培(改良スマート仕立て)は果実の高品質化に有望である醸造用ぶどう栽培における片側誘引短梢せん定栽培(改良スマート仕立て)は、糖度及び果皮色素量は自然形仕立てと比べて優れる。作業時間は、自然形仕立てと同程度である。 |
普及技術 平成27年(2015年)果樹試験場栽培部、農業技術課、園芸畜産課
ぶどう「シャインマスカット」の収穫適期の判定に、ぶどう欧州系黄色品種用カラーチャートが有効であるぶどう「シャインマスカット」は、満開後90日以降に、ぶどう欧州系黄色品種用カラーチャートを用い、果皮色を比色し、カラーチャート指数「3以上」の果房を収穫することで、目標果汁糖度19Brix%以上の果房が収穫できる。 |
技術情報 平成27年(2015年)果樹試・環境部
果樹を加害する主要カイガラムシ類幼虫の発生時期果樹試験場内(須坂市、標高 360m)におけるカイガラムシ類歩行幼虫の発生時期は、 ナシマルカイガラムシは6月上旬~7月中旬及び8~9月(年2回)、ウメシロカイガラムシは5月中旬~6月上旬、7月中~下旬及び8月下旬~9月中旬(年3回)、カツ ラマルカイガラムシは6月下旬~7月中旬及び9月中旬~10 月中旬(年2回)、ミズキカタカイガラムシは6月中旬~7月上旬(年1回)、モミジワタカイガラムシは6月上旬~7月上旬(年1回)である。 |
技術情報 平成27年(2015年)果樹試・環境部
くるみに発生する2種の果実腐敗性病害(クルミ黒斑細菌病、クルミ炭疽病)の特徴クルミ黒斑細菌病の果実での発病は6月初旬頃から認められ、黒褐色で硬く周辺に水浸部を伴う病斑を生じる。一方、クルミ炭疽病の腐敗型病斑は7月下旬頃から認められ、深く陥没して内部に鮭肉色の分生子塊を生じるのが特徴である。 |
技術情報 平成27年(2015年)果樹試・環境部
リンゴ黒星病、褐斑病の発生に及ぼす草生管理の影響リンゴ黒星病、褐斑病が発生している園地の草生管理では、地表面の草を過度に繁茂させた場合、草生に接する下枝の黒星病、褐斑病の発生が多くなる傾向がある。草生が草丈 20cm 程度(概ね作業上支障となる草丈)になった時点で刈り払い、繁茂させないよう管理することで、この傾向は改善される。 |