研究成果『果樹』
長野県農業関係試験場にて取り組んだ「果樹」の研究内容とその成果をご紹介します。
試験して得られた技術事項 平成11年(1999年)果樹試験場
りんご未熟落下果実の圃場内での効率的な腐熟方法平成10年9月22日の台風7号襲来により、りんごの落果による被害は甚大であった。特に「ふじ」については、収穫適期まで1カ月近くを残しており、落下した果実は未熟なため加工用として不適であり、その処理は困難を極めた。そのため圃場内でのすき込み処理による効率的な腐熟方法を検討した。 |
試験して得られた技術事項 平成11年(1999年)果樹試験場
りんご「ふじ」の着色優良系統の特徴りんご「ふじ」着色系枝変わりの優良な系統を選抜する。 |
試験して得られた技術事項 平成11年(1999年)果樹試験場
りんごわい性台木「JM7」は野鼠被害の発生率が高いので野鼠対策を徹底する必要があるリンゴわい性台木「JM7」は、挿し木繁殖ができるわい性台木として期待されており、各地で試作が始まっている。しかし、定植後、野鼠被害により初期生育が低下するなどの問題がみられている。そこで、定植時や幼木期の安全な樹体管理方法を確立するために、台木間の野鼠被害発生率を明らかにする。 |
普及技術 平成11年(1999年)果樹試験場 中信農業試験場
ウイルスフリーぶどう・「巨峰ナガノ1」.「巨峰ナガノ2」は有望である長野県果樹試験場育成のウイルスフリー系統「巨峰ナガノ1」は、果粒肥大と着色が良好で、「巨峰ナガノ2」は、着色とブルーム着生が良好で、いずれも品質が優れる。 |
普及技術 平成11年(1999年)果樹試 中信試 南信試
りんご「ふじ」成木樹の摘果剤としてリンナックル水和剤は有効であるリンナックル水和剤の500倍液を満開2~3週間後にりんご「ふじ」の成木樹に散布することで着果数を減少させることができる。。 |
試験して得られた技術事項 平成11年(1999年)果樹試験場
モモ灰星病防除薬剤のモモホモプシス腐敗病に対する効果モモ灰星病とモモホモプシス腐敗病は、防除時期が重なることがあるため、灰星病防除として使用頻度の高いEBI剤およびジカルボキシイミド系薬剤のホモプシス腐敗病に対する効果を把握する必要がある。そこで、EBI剤、ジカルボキシイミド系薬剤を中心に、ほ場におけるホモプシス腐敗病に対する防除効果を検討した。また、室内において、各種EBI剤のホモプシス腐敗病に対する効果を接種によって検討し、ほ場試験による防除効果と比較した。さらに、須坂市5ほ場、果樹試験場内から採集したモモホモプシス腐敗病菌53菌株について、ベンゾイミダゾール系(ベノミル)、ジカルボキシイミド系薬剤(イプロジオン)に対するMICを検討した。 |
普及技術 平成11年(1999年)南信農業試験場
日本なし「幸水」「豊水」「南水」の収穫始期は満開日から30日間の平均気温により予測できる日本なし「幸水」、「豊水」、「南水」の成熟日数は、満開日から30日間の平均気温と高い相関があり回帰式から求めることができる。これにより5月末頃に収穫始期を予測することができる。 |
普及技術 平成11年(1999年)中信農業試験場 果樹試験場
「ピオーネ」「巨峰」の無核栽培において無核果の着粒安定にフルメット液剤が有効であるジベレリン第1回目処理時にフルメット液剤を2~5ppm加用することにより、「ピオーネ」「巨峰」の無核果の着粒が安定し品質向上が期待できる。 |
普及技術 平成11年(1999年)果樹試験場
樹勢の強いおうとう樹の新梢伸長抑制に収穫後のバウンティフロアブル散布が有効である樹勢の強いおうとう樹に、バウンティフロアブルの1,000倍液(200~300リットル/10a)を収穫後8月下旬までに茎葉散布することにより、翌年の新梢伸長を抑制できる。 |
普及技術 平成11年(1999年)果樹試験場
りんごのビターピット軽減に7月以降のスイカル散布は有効であるスイカル(蟻酸カルシウム剤)の200~300倍液を7月中旬~8月下旬より散布し始め、およそ10日おきに3回程度散布することでリンゴのビターピットを軽減できる。 |
普及技術 平成11年(1999年)果樹試験場
新梢の遮光処理によりリンゴわい性台木M-9ナガノの取り木繁殖効率が向上できるりんごわい性台木M.9ナガノの取り木繁殖において、展葉頃新梢を遮光処理することにより、台木の発根が促進され、繁殖効率が向上する。 |
普及技術 平成11年(1999年)果樹試験場 中信試 南信試
りんご「シナノレッド」は早生品種として有望である「シナノレッド」は「つがる」より早く収穫できる早生品種で、甘酸適和で果汁が多い良食味品種である。新鮮なりんごの出回り期間の拡大による、新たな需要喚起が期待できる。 |
試験して得られた技術事項 平成10年(1998年)農総試 果樹試
りんごのショートサイクル栽培技術導入による大苗移植は、育成期間の短縮及び育成価の低減ができる。本県で普及率の高いマルバカイドウとわい性台木を用いたふじは樹勢が強く4m以上の樹高となっている。そのため、省力化の達成が不十分な状態である。加えて、過繁茂により受光率が悪化し、品質・収量の低下を招いている。このような問題があるにもかかわらず、園地を改植するとその後2~3年間は結実がなく、収益が上がらないため、園地更新をためらう農家が多い。わい性樹の経済寿命について定説はないが、近年収量と品質のバランスのとれたリンゴの生産が可能な樹齢はおよそ15年生までと考えられている。そこで、15年程度を1サイクルとする「ショートサイクル栽培」について、園地の育成価と早期性の部分について検討し、園地更新及び更新方法についての参考資料とする。 |
試験して得られた技術事項 平成10年(1998年)南信試
日本なし「南月」の小袋掛けによるサビ発生の軽減なし新品種「南月」は「二十世紀」の前に収穫できる青なしとして試作品種に位置づけられているが、無袋栽培では果面にさびが発生し外観上の商品性が劣る。これを「二十世紀」と同様の有袋栽培で行うとさび発生は抑えられるが果実糖度が低下し食味が劣る問題がある。そこで、果実糖度を低下させることなくさび発生を軽減する栽培方法を確立するため、各種果実袋について比較検討を行った。 |
試験して得られた技術事項 平成10年(1998年)果樹試
プルーン品種別果実特性と評価プルーンは現在、数多くの品種が栽培されているが、明確な指標が存在しておらず、品種導入に当たっては戸惑う場面も多い。そこで品種別の果実特性を明らかにし、有望品種の検討を行う。 |