研究情報

研究成果『果樹』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「果樹」の研究内容とその成果をご紹介します。

技術情報 令和3年(2021年度)農業試験場企画経営部

長野県におけるワイン用ぶどうの気温を用いた気候指標区分の特性

気温に基づく5つの気候指標を長野県内の生産地について計算し、主な品種の適区分及びフランスの代表的な産地と比較した。長野県内の「シャルドネ」の生産地では各指標の適区分及びフランスの産地と比べて暖かい傾向がみられ、「メルロ」の生産地は4つの指標では適区分と比べて同等~暖かい傾向がみられ、1つの指標ではフランスの産地と同等である

技術情報 令和3年(2021年度)果樹試験場育種部

りんご高密植栽培における「シナノリップ」1年育成フェザー苗木樹の樹体生育、収量及び果実品質

りんご高密植栽培において、「シナノリップ」の1年育成フェザー苗木樹を2年育成フェザー苗木樹と比較した結果、樹体生育は定植2年目から、花芽着生及び収量は定植3年目から、果実品質はいずれの年も2年育成フェザー苗木樹と同等であった。

技術情報 令和3年(2021年度)果樹試験場栽培部 

長野県における今世紀中頃の気温条件を再現したハウス内で栽培したりんご「ふじ」の特徴

長野県における今世紀中頃(2046~2065年)の気温条件を再現したハウス内で栽培したりんご「ふじ」(M.9台木樹)は、発芽期から落花期までの生態は早まり、若木期の樹体生育は旺盛となった。収量は同等か多く、果実品質については、果実は大きく、果皮の着色、糖度、果肉硬度及びみつ入りは低下する傾向であった。

技術情報 令和3年(2021年度)農業試験場企画経営部

垣根仕立てのワイン用ぶどうにおける新梢管理機の作業効率及び経費事例

新梢管理作業時間は手作業と比べて、乗用式1種類では82.6%、背負エンジン式では85.1%短縮された。乗用式機械4種類、背負エンジン式1種類、手持ち電動式1種類の経費の事例を調査したところ、乗用式2種類では16~18ha、背負エンジン式では6haで手作業と比べて面積当たりの経費が下回った

技術情報 令和3年(2021年度)果樹試験場育種部

りんご32品種における果実特性の遺伝子型

りんご果実のエチレン発生量、果肉の粉質化及び果皮の着色性に係わるDNAマーカーを用いて、りんご32品種の遺伝子型を明らかにした。これらの遺伝子型の情報は、当該りんご品種を用いた交雑育種を行う場合の参考となる。

農薬情報 令和2年(2020年度)果樹試験場栽培部

ぶどう「ナガノパープル」における新梢(副梢)伸長抑制に満開10~14日後のフラスター液剤散布が有効である

ぶどう「ナガノパープル」における新梢(副梢)伸長抑制に、フラスター液剤500倍液を満開10~14日後に散布する。ただし、本剤の散布により一粒重の増加がみられる場合がある。

普及技術 令和2年(2020年度)果樹試験場栽培部、農業試験場企画経営部

りんご高密植栽培での石灰硫黄合剤による薬剤摘花は、着果管理の作業時間が削減でき、翌年の頂芽開花率の向上に有効である

りんご高密植栽培の「シナノスイート」及び「ふじ」において、摘花剤の石灰硫黄合剤を満開2日後までに散布することにより、結実数が減少し、単位収量当たりのあら摘果作業時間を「シナノスイート」は4割程度、「ふじ」は3割程度削減できる。さらに、翌年の頂芽開花率の向上に効果がある。

技術情報 令和2年(2020年度)南信農業試験場栽培部

日本なし「幸水」に対する圧縮空気噴射式土壌改良機を用いた根域施肥と表面局所施肥による慣行施肥の50%減肥栽培が、生育、収量及び果実品質に及ぼす影響

日本なし「幸水」成木樹に対し、2月下旬に圧縮空気噴射式土壌改良機を用いて、慣行施肥における基肥と3~5月追肥合計分の50%量の窒素を、緩効性窒素肥料で主幹から2m離れた周囲に等間隔で8か所、深さ30~40cmに打ち込む(根域施肥)。その後、6月下旬及び収穫後に慣行施肥の50%量の窒素を速効性窒素肥料で表面局所施肥する。この施肥方法を3年間継続しても、生育、収量及び果実品質に大きな影響は見られない。

技術情報 令和2年(2020年度)果樹試験場環境部

りんご「シナノゴールド」M.9台木樹における施肥窒素の吸収と移行特性

りんご「シナノゴールド」M.9台木樹における窒素の吸収量、樹体内分配、利用率は施肥時期により異なる。3月の施肥窒素は、摘果果実への施肥由来窒素の分配が少なく、当年の収穫果実、葉、1年枝、主幹旧枝部等の貯蔵部位に効率的に利用されていると考えられた。

技術情報 令和2年(2020年度)南信農業試験場栽培部

日本なし「南水」の日焼け果発生に影響する着果条件

日本なし「南水」は、着果方位が北西、北、北東、東、着果向き(ていあ部の傾き)が横~下向き、枝葉に概ね5割以上覆われている果実で日焼け果発生率が低い。

技術情報 令和2年(2020年度)南信農業試験場栽培部

日本なし「南農ナシ6号」の育成

9月上~中旬に収穫できる大玉で高糖度、良食味の中生の赤なしとして「南農ナシ6号」を育成した。「南農ナシ6号」は黒斑病に抵抗性、黒星病には耐病性で無袋栽培が可能であり、短果枝の花芽維持が良好で栽培しやすい。

技術情報 令和2年(2020年度)果樹試験場栽培部

りんご(高密植栽培)主要品種における被覆資材「果樹用サンサンネットすっきりネット」の被覆による日焼け発生軽減効果

「果樹用サンサンネットすっきりネット」の被覆は、りんご「シナノリップ」、「つがる」、「秋映」、「シナノスイート」の日焼け発生を軽減したが、「シナノゴールド」、「ふじ」では判然としなかった。

技術情報 令和2年(2020年度)果樹試験場栽培部、農業試験場企画経営部

りんご高密植栽培における収穫方法の違いが作業時間と果実品質に及ぼす影響

りんご「シナノスイート」、「シナノゴールド」、「ふじ」の高密植栽培における樹の上部と下部を分けた一斉収穫(以下上下収穫)は、着色が良好な果実を選びながら収穫する方法(以下選り収穫)と比較して、単位面積当たりの収穫作業時間、単位収量当たりの作業時間が減少する。しかし、上下収穫により収穫された果実は、選り収穫した果実と比較して、着色が良好な果実の割合が減少する。

技術情報 令和2年(2020年度)果樹試験場栽培部

りんご「ふじ」、「シナノスイート」の開花状況と石灰硫黄合剤散布による落花の程度

りんご「ふじ」、「シナノスイート」は、頂芽花中心花の花弁の脱落が観察され、側花の花弁が完全に開いた花と花弁が脱落した花の割合が約70%に達する時に石灰硫黄合剤を散布すると、中心花の落花が少なく、側花の落花が多くなる。この生育ステージは、満開1日後から満開2日後である。

技術情報 令和2年(2020年度)果樹試験場栽培部、農業試験場企画経営部

りんご高密植栽培における着色管理回数の削減が作業時間と果実品質に及ぼす影響

高密植栽培の「シナノスイート」及び「ふじ」では、慣行の2回葉摘みを1回に削減することにより、単位収量当たりの作業時間は「シナノスイート」で1~3割、「ふじ」で2~4割削減されるが、果皮色はやや劣る果実が増加する。

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農業関係試験場について

長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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