研究情報

研究成果『果樹』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「果樹」の研究内容とその成果をご紹介します。

試験して得られた技術事項 平成17年(2005年)果樹試

もも品種・台木の組み合わせと凍害発生

もも品種「川中島白鳳」は「川中島白桃」に比べ、また、もも台木「おはつもも」は「筑波4号」に比べ凍害発生が多く、特に、「川中島白鳳」と「おはつもも」の組み合わせで発生が増加する。

試験して得られた技術事項 平成17年(2005年)果樹試

ぶどう「ナガノパープル」の果皮色による収穫適期の把握法

ぶどう「ナガノパープル」は、満開後85日以降、果てい部まで赤紫色に着色した果房を収穫することで、18%以上の糖度が得られる。

試験して得られた技術事項 平成17年(2005年)果樹試

りんご「メイポール」の省力的な花芽確保法

りんご「メイポ-ル」は、落花後に1年枝を基部3芽程度残して切除するだけで、摘果作業を行わなくても翌年の花芽が確保できる。

試験して得られた技術事項 平成17年(2005年)果樹試

りんごわい性台木苗木の新梢先端部へのビーエー液剤の繰り返し散布は、フェザー発生促進効果が高い

りんごのわい性台木を用いたフェザー付きの 2 年生苗木育成において、苗木育成 2 年目に、伸長中の苗木新梢の先端部へビーエー液剤を繰り返し(5 回以内)散布する。散布回数が多いほど、新梢上に多数のフェザーが発生する。

普及技術 平成17年(2005年)南信試

整枝せん定法.施肥法.土壌改良法の改善技術の組み合わせによる「幸水」の樹勢回復と増収効果

「幸水」の低位生産園では、側枝密度、長果枝側枝比率を改善した整枝せん定法、窒素肥料を年4回に分肥する施肥法、部分深耕と堆肥局所施肥による土壌改良法の組み合わせにより、樹勢回復と増収効果が得られる。

試験して得られた技術事項 平成17年(2005年)果樹試

りんご「JM7」台木樹の接ぎ木部のコブ発生(227KB)

りんご「JM7」台木樹で、樹齢の経過とともに接ぎ木部に粗皮状のコブが発生して、特に「ふじ」との組み合わせで樹勢衰弱がみられることがある。

普及技術 平成17年(2005年)南信試

柿皮むき機針穴からの雑菌汚染と果肉褐変の軽減法

干し柿製造時、皮むき機に原料柿を固定する際に針穴ができる。この針穴が雑菌に汚染され果肉褐変が発生しやすい。皮むき機を利用する前に、原料柿のへたを80℃の湯に5秒間浸漬、スチーム洗浄機を利用しへたに蒸気を5~10秒噴射、あるいは、70~80%のエタノールを噴霧し風乾することで原料柿が除菌され針穴近傍の果肉褐変を軽減できる。

普及技術 平成17年(2005年)果樹試

エコルーキーはりんごの摘花剤として有効である

エコルーキーの100~150倍液を満開日および2~3日後に散布すると、頂芽側花、えき芽花に対して摘花効果があり、摘果労力の軽減に有効である。

普及技術 平成17年(2005年)果樹試

ストッポール液剤はりんご「シナノゴールド」の収穫前落果防止に有効である

ストッポール液剤は、りんご「シナノゴールド」の落果防止に有効である。散布濃度は1000~1500倍、散布日は収穫開始予定日の25日前の1回散布で十分な落果防止効果が得られる。

普及技術 平成17年(2005年)果樹試

りんご「シナノスイート」は予備摘果時期を遅くすることにより心かび病発生が軽減できる

りんご「シナノスイート」は、予備摘果時期を遅くすると果実肥大が抑制されるが心かび病発生が軽減できる。なお、側果を利用しても心かび病発生が少なくなるが、ツルさびの発生が多くなるので実用的でない。

試験して得られた技術事項 平成16年(2004年)農総試

りんご「ふじ」小型樹密植栽培における省力技術導入の経営的効果

「ふじ」小型樹密植栽培における省力技術として摘花剤・摘果剤・摘葉剤を導入した場合は慣行に比べて10a当たりの労働時間が68%に短縮でるが所得で2千円の減少となる。摘花剤・摘果剤を導入した場合は労働時間が78%に短縮でき所得で1千円の増加となる。また経営面積2ha規模の試算では省力技術を導入することのより面積拡大ができ1時間当たりの所得が増加することが明らかになった。

試験して得られた技術事項 平成16年(2004年)野菜花き試

レタス根腐病菌レース1および2に対する品種の抵抗性程度

レタス根腐病に対する抵抗性品種が育成され、市場流通するようになった。ただし、現状ではそれらの品種は、単一のレースに優先の抵抗性を示す特徴があるので、品種選択には注意が必要である。また、これら品種はあくまでも耐病性であるので、輪作や土壌改良を組み併せた有効利用が必要である。

試験して得られた技術事項 平成16年(2004年)南信試

ナシ黒星病の多発生要因

ナシ黒星病の多発生要因を調査したところ、授粉樹が伝染源になっているケースが 66.7%認められた。その他の要因としては散布死角の存在や、散布ムラが挙げられる。

試験して得られた技術事項 平成16年(2004年)南信試

リンゴ黒星病感染予測情報システムによりナシ黒星病の感染予測ができる

ALPSネットで提供されているリンゴ黒星病感染予測結果はナシ黒星病の発病推移と良く適合する。本システムを参考にすることで、ナシ黒星病の初発期や増加期を事前に把握することができる。

試験して得られた技術事項 平成16年(2004年)果樹試

冠水被害を受けたりんご果実は疫病および内部褐変障害が発生する

平成16年10月19~21日にかけて接近,通過した台風23号により千曲川が増水し,流域付近のほ場では冠水被害が生じた。冠水被害を受けたりんご果実では,樹上だけでなく収穫後にも疫病が発生した。冠水後の殺菌剤散布では疫病の発生が減少することはなかった。また,樹上および貯蔵後の外観上健全な果実であっても心室周囲の果肉組織が褐変する障害が発生した。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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