研究成果『果樹』
長野県農業関係試験場にて取り組んだ「果樹」の研究内容とその成果をご紹介します。
技術情報 平成18年(2006年)果樹試・病虫土肥部
PCRを用いた遺伝子診断による根頭がんしゅ病菌のリンゴ樹からの検出法りんご樹の根組織から市販のDNA抽出キットを用いてDNAを抽出し、これを用いてPCRを行うことで、樹内に存在する根頭がんしゅ病菌を検出することができる。本法は病原菌の分離を行わずに菌の存在が確認できるため、迅速な診断が可能である。 |
技術情報 平成18年(2006年)果樹試・病虫土肥部
樹園地における豚ぷんオガクズ堆肥の連用が土壌物理性・化学性に及ぼす影響樹園地地表面への豚ぷんオガクズ堆肥連用は、化学性に対する影響が大きく、特に表層で可給態リン酸等養分の富化が進行する。また物理性にも影響が認められ、多量に施用した場合、土壌を膨軟にする効果がある。連用を前提とした適正施用量は2t/10a以下と考えられる。 |
技術情報 平成18年(2006年)果樹試・栽培部
M.9ナガノ台木を用いたカットツリーの育成における発芽不良.凍害発生と.断根処理による被害の軽減M.9ナガノ台木を用いたカットツリーの育成において、育成2年目に、発芽不良や凍害による枯死の認められることがある。このような場合、育成2年目の2月下旬~3月上旬に列間を中耕する程度の断根処理を行うと、発芽不良や、断根処理後の低温による凍害の被害を軽減できる。 |
試験して得られた技術事項 平成17年(2005年)果樹試
試験管内での二倍体ブドウのコルヒチン処理による四倍体の作出試験管内で培養している欧州系二倍体ブドウの茎頂を0.1~0.4%程度の濃度のコルヒチンを含む寒天培地あるいは水溶液で48時間処理することにより、四倍体を得ることが可能である。 |
試験して得られた技術事項 平成17年(2005年)果樹試
殺虫剤に対するスモモヒメシンクイの感受性殺虫剤17剤に対するスモモヒメシンクイの薬剤感受性を室内処理室内接種試験および野外散布室内接種試験で検定した結果、サイアノックス水和剤およびアーデント水和剤は殺虫率が高く、残効期間が長かった。 |
試験して得られた技術事項 平成17年(2005年)果樹試
リンゴ園から採集したナミハダニの殺ダニ剤感受性リンゴ園から採集したナミハダニでは、カネマイトフロアブル1,000倍、コテツフロアブル2,000倍に対する感受性低下が進行している可能性が高い。また、コロマイト乳剤1,000倍、オマイト水和剤750倍は雌成虫で、マイトコ-ネフロアブル1,0000倍は卵からふ化幼虫での感受性がやや低下していることが確認された。 |
試験して得られた技術事項 平成17年(2005年)南信試 下伊那普及センター
「幸水」での殺菌剤削減下における主要病害の発生「幸水」で殺菌剤の削減を行う場合、黒星病の発生に注意する必要がある。初期感染が早く多発する場合に、慣行防除と比較して被害が増加する。前年、黒星病が発生した園や常発園では殺菌剤の削減はできない。 |
試験して得られた技術事項 平成17年(2005年)南信試
日本なし栽培におけるSS散布の散布時期と薬剤付着量開花期前後の葉が繁茂していない時期は、徒長枝が伸び、葉が繁茂する6月と比較すると薬剤付着量が少ない。開花前後などの初期防除ではSSの走行間隔・順路に注意するほか、授粉樹や圃場の周囲など薬剤のかかりにくい場所は手散布する必要がある。 |
試験して得られた技術事項 平成17年(2005年)南信試
日本なしに発生する萎縮症状の原因と対策「幸水」に発生する萎縮症状の原因はヒポキシロン幹腐病と萎縮病が多い。いずれも木材腐朽菌による枝幹部の腐朽が原因である。治療は困難なため改植が望ましい。「南水」に発生する萎縮症状には病原菌が関与する可能性は低い。 |
試験して得られた技術事項 平成17年(2005年)果樹試
凍害防止によるモモ胴枯病の発病軽減モモ胴枯病は、初冬から春にかけて主幹部へのわら巻きによる凍害防止を実施することで軽減される。また、せん定を当年内に行うと胴枯病の発生が多く成るため、この時期のせん定は避ける。 |
試験して得られた技術事項 平成17年(2005年)果樹試
りんご品種「シナノスイート」、「シナノゴールド」、「秋映」におけるゆず果病の病徴「シナノスイート」、「秋映」でのリンゴさび果病の主な病徴は、果実の着色不良(斑入りと不均質な着色)である。「秋映」では果面にさびや凹凸が生じることがある。「シナノゴールド」では通常、無病徴である。ただし、果実が赤く着色した部位に斑入りが生じることがある。 |
試験して得られた技術事項 平成17年(2005年)農総試
ブームスプレーヤ用ドリフト軽減ノズル「エコシャワー」はドリフトが少なく、慣行ノズルの補完として利用できるドリフト低減ノズル「エコシャワー」は、ドリフトが少ないブームスプレーヤ用ノズルとして有用である。防除効果は慣行ノズルと同等またはやや劣る場合があるので、慣行ノズルの補完としてドリフトを避けたい場合に利用できる。 |
試験して得られた技術事項 平成17年(2005年)南信試
干し柿「市田柿」の加工は適熟果を利用する未熟な原料果実から加工した干し柿「市田柿」は、貯蔵中に粉の戻りが発生しやすく、商品価値が低下するので、干し柿「市田柿」の加工には適熟果を使用する。 |
試験して得られた技術事項 平成17年(2005年)果樹試
日本すもも「貴陽」の受粉樹の選定と受粉時期の把握日本すもも「貴陽」の受粉樹として、「ハリウッド」、「エレファントハート」が適している。受粉時期は、開花が5分咲きの頃から落花が始まる頃までの期間であり、人工受粉を必ず実施する。 |
試験して得られた技術事項 平成17年(2005年)果樹試
もも晩生種「モモ長果8」の育成9月上中旬に成熟し、果実の大きさが400g前後の大玉で、着色が良く、外観が優れる「モモ長果8」を育成した。本品種はもも品種の中ではかなり遅い時期に収穫できる品種に位置づけられ、全国的に見ても遅く出荷できる品種にあたるため、晩生種として期待できる。 |