研究情報

研究成果『果樹』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「果樹」の研究内容とその成果をご紹介します。

技術情報 平成21年(2009年)南信試・栽培部

リンゴコカクモンハマキ発生予察用ルアー3種の誘引力

果樹の主要害虫の一種であるリンゴコカクモンハマキの発生予察用のモニタートラップで使用される3種類のルアーの誘引力は異なる。調査結果を比較する場合は、同じメーカーのルアーを用いる。

技術情報 平成21年(2009年)果樹試・環境部

りんごせん定チップの連用施用が白紋羽病の発病に与える影響

せん定枝チップ約 300kg/10aを定植5年目まで連年表面施用したところ、リンゴ白紋羽病発病に及ぼす影響は小さかった。しかし、白紋羽病発病履歴のあるほ場では、せん定枝チップの施用量の増加、土壌中への混和により発病の危険が増大するため、せん定枝チップの施用は行わない。

技術情報 平成21年(2009年)果樹試・環境部・栽培部

圃場における効率的なせん定枝の炭化法と、木炭の地表面施用が樹園地土壌の理化学性に及ぼす影響

せん定枝は、直方体の穴で燃焼させ、熾きを水で消火すると、効率的に炭化できる。りんご炭を厚さ5cmで樹園地に地表面施用すると、溶出する塩基によりpHが上昇するなど土壌に影響があるが、厚さ1cmの施用では土壌への影響は認められない。木炭からの塩基の溶出は、石灰・苦土と比べてカリの溶出が早く溶出量も多い。

技術情報 平成21年(2009年)果樹試・環境部

樹園地清耕部へ地表面施用した被覆肥料の溶出特性

被覆肥料の窒素の溶出速度は、地表面施用の場合がすき込み施用の場合より遅い傾向にある。

技術情報 平成21年(2009年)南信試・栽培部

受粉時期が日本なし「南水」の結実に与える影響

「南水」への受粉を開花始期から満開期にかけて行なうことで、高い結実率が得られ、1果実中の正常な種子数が多くなる。満開期を過ぎてからの受粉は急激に結実率が低下する。満開期以前であっても、降雨の直前や 17 時以降の受粉は避ける。

技術情報 平成21年(2009年)果樹試・栽培部

日本すももの人工受粉におけるももおよびあんずの花粉利用の可能性

日本すももに、もも「あかつき」の花粉を用いて受粉した場合、結実は認められたが、結実率が低く実用性は低かった。あんずの花粉を用いた場合、一部品種の組み合わせで結実が得られた以外は、ほとんど結実に至らず実用性は低かった。

技術情報 平成21年(2009年)果樹試・栽培部

赤ワイン用ぶどう新品種「アルモノワール」の特性

赤ワイン用ぶどう新品種「アルモノワール」は、収穫期が 10 月中旬で「メルロ」よりも数日遅く、果房重約 200g 程度、着色良好な品種である。

技術情報 平成21年(2009年)果樹試・栽培部

もも「あかつき」における水噴射による摘蕾の省力化効果

回転式ノズルと高圧動力噴霧機を利用した水噴射摘蕾により摘蕾作業時間は手摘蕾の 10~20%程度で大幅に短縮が図られる。また、適期に実施すると、予備摘果と仕上げ摘果を併せても作業時間の短縮が可能である。

技術情報 平成21年(2009年)果樹試・栽培部

もも若木着果管理の違いによる凍害発生と樹体生育への影響

ももにおいて樹齢6年生までの若木時に着果過多(標準の2倍程度)とすると新梢伸長が劣り凍害発生を助長する。また、過少着果(標準の1/2程度)とすると新梢伸長の年次変動が大きく、凍害発生を助長する。

技術情報 平成21年(2009年)果樹試・栽培部

ぶどう加温栽培における『きのこ使用済み培地固形化燃料』と専用燃焼器の節油効果

ぶどう加温栽培において、『きのこ使用済み培地固形化燃料』を用いた専用燃焼器 を補助熱源として利用することにより、500㎡のハウスの場合、一晩で約5~7? のA 重油が節約できる。

技術情報 平成21年(2009年)果樹試・栽培部

りんご「シナノゴールド」の赤色斑点果の特徴

りんご「シナノゴールド」の「赤色斑点果」は、果実陽光面の果皮が斑点状に赤く着色した様相で、「日焼け果」や薄く赤色着色する果実とは異なる。中程度までの赤斑点発生では、収穫時の食味は無発生果と同等かそれ以上であるが、室温での日持ち性は劣る。

技術情報 平成21年(2009年)果樹試・栽培部

寒冷紗被覆によるりんごの日焼け果発生軽減効果と果実品質への影響

遮光率の高い寒冷紗を利用すると、りんごの日焼け果の発生を軽減できる。収穫進度は遅くなるが、収穫果の品質は変わらない。

普及技術 平成21年(2009年)果樹試・栽培部

ヒオモン水溶剤は、りんご「つがる」の収穫前落果防止に有効である

りんご「つがる」において、ヒオモン水溶剤の1,000倍液を収穫開始予定の21~7日前に1回散布するか、または2,000倍液は2回以内として収穫開始予定の21~14日前に1回目を散布し、必要に応じその7~10日後に2回目を散布すると、収穫前落果防止効果が得られる。

技術情報 平成21年(2009年)果樹試育種部

りんご早生品種「シナノプッチ(リンゴ長果19)」の育成

「シナノプッチ(リンゴ長果 19)」は、「つがる」より2週間程度遅い9月中旬に成熟する、果実の大きさが 150~200g程度の着色良好な小玉品種である。本品種は多汁で甘味が強く、果肉がシャ キシャキしており、丸かじり用に適する。

試行技術 平成20年(2008年)南信試(病虫土肥部)

ナシ黒星病感染予測に基づいた「幸水」、「豊水」の病害防除体系(予測防除体系)は黒星病に対する効果が高く、また主要病害全般に有効である

ナシ黒星病感染予測に基づいた「幸水」、「豊水」の病害防除体系(予測防除体系)は黒星病に対する効果が高く主要病害全般に有効である。この予測防除体系は天候により散布回数が変動するが、過去3ヵ年の実証では散布回数、殺菌剤の投下成分数、殺菌剤の薬剤費が慣行と比較しておおよそ半減した。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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