研究情報

研究成果『果樹』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「果樹」の研究内容とその成果をご紹介します。

試行技術 平成25年(2013年)南信試栽培部

日本なし「サザンスイート」の果実重および果形改善のための着果管理

日本なし「サザンスイート」は満開前に3~5番花を目標として限定受粉を行う。果形や肥大が明らかになる満開後30日から一挙に仕上げ摘果を行い、満開90日後に補正摘果を行うことで、300g程度の果形の良い果実を得ることができる。葉果比25~35、側枝1m当たり4果程度を着果量の目安とする。側枝直径が25mm以上の部位に優先して着果させ、直径が15mm以下の部位には着果させない。

試行技術 平成25年(2013年)果樹試栽培部・環境部

植え付け4年目までのりんごわい性台木樹に対する点滴かん水法

植え付け4年目までのりんごわい性台木樹に対して主幹から20cm離れた20cmの深さの土壌のpFを2.6以下に保つように点滴かん水を実施すると、樹体生育と果実品質が良好となる。

普及技術 平成25年(2013年)南信試栽培部、果樹試環境部

果樹類白紋羽病の簡易診断法「枝挿入法」の改良とほ場診断マニュアル

果樹類白紋羽病の簡易診断法「枝挿入法」(平成20年度第1回普及技術)の一部を改良し、精度を高めた。この簡易診断法は、なし、りんご以外の果樹類白紋羽病の診断にも利用できる。また、効率的に感染樹を検出するためのほ場診断マニュアルを作成した。

普及技術 平成25年(2013年)果樹試環境部

リンゴ紫紋羽病防除に50℃の温水点滴処理が有効である

50℃の温水点滴処理によりリンゴ紫紋羽病罹病樹を治療できる。処理の基本条件は、なしおよびりんごの白紋羽病罹病樹に対する温水点滴処理(平成20年度普及技術)の条件と同一である。

普及技術 平成25年(2013年)農試企画経営部、農業技術課

地理情報システムで表示できる農業情報メッシュデータは地域農業振興方針の作成支援等に活用できる

地理情報システムで利用できる農業情報メッシュデータを作成した。このメッシュデータには時期別の気象条件、標高の他、農地および作付品目(水稲・リンゴ・レタス)に関する情報が含まれ、条件に合致する地域を1キロメッシュで表示でき、地域農業振興方針の作成支援等に活用できる。

技術情報 平成25年(2013年)農試企画経営部、農業技術課

防護柵の外側へ電気柵を追加することでツキノワグマの侵入を防止できる

物理柵の外側20cmの位置に、地際から20cmと40cmの高さで電気柵を2本設置することで、ツキノワグマの侵入を防止できる。

技術情報 平成25年(2013年)農試企画経営部、農業技術課

広域防護柵の未舗装路に設置されたゲート下部からの野性動物侵入対策にシスイエースが利用できる

広域防護柵の未舗装路に設置されたゲート下部にシスイエースを設置することで、ニホンザルや中型獣の侵入を防ぐことができる。

技術情報 平成25年(2013年)農試企画経営部、農業技術課

広域防護柵の河川開口部からのニホンジカ侵入防止対策として、防草シートをのれん状に垂らした「防草シートのれん」が利用できる

広域防護柵の河川開口部に防草シートをのれん状に垂らして目隠しすることでニホンジカの侵入を防止できる。

技術情報 平成25年(2013年)南信試栽培部

南信地域のなし園におけるナシヒメシンクイの発生状況と性フェロモン剤の効果

近年、なし中晩生種の「豊水」や「南水」においてナシヒメシンクイによる被害が認められる。この一因として、従来と比較して8月下旬以降の発生量の増加が影響している。殺虫剤による防除が8月中に打ち切りとなるほ場では、被害を生じるおそれがある。

技術情報 平成25年(2013年)南信試栽培部

日本なし「サザンスイート」のなし主要病害に対する感受性

「サザンスイート」は心腐れ症、輪紋病に対して感受性であるが、その発病程度は「幸水」より低い。赤星病、うどんこ病に対しては既存品種と同程度の感受性であり、えそ斑点病は発現性である。

技術情報 平成25年(2013年)果樹試環境部

温水点滴処理による傾斜地での紋羽病治療法の問題点と改善方法

斜度10度を超す傾斜地ほ場での温水点滴処理では、地温の上昇範囲が傾斜下部方向にずれ、傾斜上部の地温上昇が不十分になる場合がある。傾斜上部の処理範囲を通常の範囲より上部に20cm広げることで、目的とする処理範囲の地温上昇が確保できる。

技術情報 平成25年(2013年)果樹試環境部

りんご園における16年間の地表面管理の違いが土壌の理化学性に及ぼす影響

長期間(16年)の地表面管理の違いにより土壌の理化学性が変化する。草生法とわらマルチ法は、表層土壌を膨軟にし、保肥力を増加させる。わらマルチ法は、交換性カリが増加する。また草生法は、ほ場外への窒素溶脱の抑制効果が期待できる。

技術情報 平成25年(2013年)果樹試環境部

ぶどう「ナガノパープル」は収穫期の葉柄汁液中硝酸イオン濃度が高いと果実品質が劣る

収穫期に葉柄汁液中硝酸イオン濃度が高い樹は、果実品質が劣り裂果が発生しやすい。収穫期の葉柄汁液中硝酸イオン濃度は、樹勢の影響を強く受け、樹冠面積が小さく樹勢が強いと高くなる。また、土壌中の無機態窒素が多いと高くなる。

技術情報 平成25年(2013年)果樹試環境部

加温ポット栽培におけるぶどう「シャインマスカット」の窒素吸収特性と窒素施肥時期

初期生育確保のための展葉初期(4月)の施肥窒素は、利用率が高く、新生部への移行は速やかである。貯蔵養分確保をねらった収穫後(9月)の施肥窒素は、多くが根に存在する。

技術情報 平成25年(2013年)南信試栽培部

日本なし「南水」の樹体ジョイント仕立て用苗木の育苗方法

日本なし「南水」の樹体ジョイント仕立てに適した苗木長330cm以上の大苗を育成するには育苗ほ場で2年間育成する。苗木を12L程度の不織布ポットに植え付け半地中埋設で育成することを基本とするが、ほ場が滞水や過湿になるおそれがある場合、ポットを地表面に並べ周囲に寄せ土する高畝埋設で育成する。

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農業関係試験場について

長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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