研究成果『作物』
長野県農業関係試験場にて取り組んだ「作物」の研究内容とその成果をご紹介します。
技術情報 平成30年(2018年)農業試験場作物部
長野県の地域別水稲品質に与える登熟期気温の影響評価全農長野県本部が収集した品質データを用いて、品質と8月の気温に関して解析した結果、品質が良好に維持される温度域は産地ごとに異なった。また、白未熟粒の発生リスクは8月の最低気温によって、胴割れの発生リスクは8月の気温と9月の日照時間をあわせて評価することによって示された。これらの知見をもとに、気温と品質に関する傾向を地域別に提示することができた。 |
技術情報 平成30年(2018年)農業試験場環境部
水稲の高密度播種育苗栽培における苗箱施薬剤の育苗箱あたり50g移植当日処理は葉いもちに対する効果が低下する水稲の高密度播種育苗栽培でいもち病対象の苗箱施薬剤を育苗箱あたり50g移植当日処理すると、10aあたりの薬剤投下量が減少するため、慣行栽培に比べて葉いもちに対する効果が低下する。苗箱施薬処理により当栽培法を行う場合には、生育期間中のいもち病の発生を十分把握し、必要な場合は本田での防除を実施する。 |
技術情報 平成30年(2018年)農業試験場環境部
コムギ赤さび病の発病による減収事例コムギ赤さび病は糊熟期の止葉の発病葉率80%程度以上で、粒数又は千粒重が減少し、減収を引き起こした。今回の調査では最大で約35%の減収であり、タンパク質含有率も低下し、品質への影響も生じた。 |
試行技術 平成30年(2018年)野菜花き試験場 畑作部
そば「桔梗11号」は耐倒伏性に優れ多収で、丸抜きの緑色が濃い系統として有望であるそば「桔梗11号」は有限伸育性の中間秋型品種である。「長野S8号」より草丈が短く耐倒伏性に優れ「長野S8号」より多収である。丸抜きの色・切りそばの色調は緑色が「長野S8号」よりやや濃い系統である。 |
試行技術 平成30年(2018年)農業試験場作物部・企画経営部、農業技術課
側条施肥田植え機を改良した直播機を用いた催芽種子の湛水直播栽培技術側条施肥田植え機を改良した直播機による催芽種子を用いた湛水直播栽培は、精度の高い播種ができ、カルパー種子並みの生育、収量性が確保され、省力性、生産費低減に有効である。 |
農薬情報 平成30年(2018年)農業試験場作物部・農業技術課
移植水稲用初期剤メテオジャンボ、初中期除草剤ビンワン1キロ粒剤及びビンワンジャンボは水田雑草防除に有効である移植水稲用初期剤1剤、ならびに初中期除草剤2剤は、ノビエなどの一年生雑草及び多年生雑草に幅広く有効な成分を含み、効果的な水田雑草防除が可能である。 |
普及技術 平成30年(2018年)農業試験場作物部・環境部、農業技術課
雑草イネに対して石灰窒素を組み合わせた防除体系が有効である雑草イネ発生圃場において、稲わらを除去し、冬期間は不耕起とし、水稲刈り取り後から春期耕起3週間以上前の間に50kg/10aの石灰窒素処理と従来の防除法を組み合わせた防除体系が有効である。 |
普及技術 平成30年(2018年)農業試験場作物部・企画経営部、農業技術課
省力低コスト化が可能な水稲「コシヒカリ」の高密度播種育苗栽培法水稲「コシヒカリ」の高密度播種育苗は、1箱当たり250g(乾籾)播種し、育苗日数18~23日で葉数2.0~2.3を目標に育苗し、欠株に注意して、1株当たり4~5本を移植する。栽植密度50株/坪は60株/坪と生育、収量、品質が同等であり、稚苗に比べ使用苗箱数が削減でき、省力低コスト栽培が可能である。 |
普及技術 平成30年(2018年)農業試験場環境部・企画経営部、農業技術課
水稲の流し込み施肥による穂肥施用方法水田の水口に設置したメッシュコンテナ内に、肥料を入れたコンバイン籾用PP袋を置き、潅漑水で肥料を徐々に溶かして流し込むと、潅漑水量が少ない水系でも施肥むらが少ない穂肥施用ができ、また、大幅な省力、低コスト化が図られる。 |
試行技術 平成30年(2018年)農試・作物部
越冬前に幼穂形成した小麦「ハナマンテン」の踏圧時期は越冬前が適する越冬前に幼穂形成し適正な茎数となった場合には、越冬前の踏圧処理により過剰な茎数発生、千粒重の低下を抑制し、収量確保につながる。 |
技術情報 平成30年(2018年)農試・作物部、育種部
大麦「東山皮糯109号(ホワイトファイバー)」の止葉展開期追肥は、窒素施肥量4kg/10aが多収となり、品質低下はみられない大麦「東山皮糯109号(ホワイトファイバー)」の止葉展開期追肥で、窒素施肥量4kg/10aは標準施肥量2kg/10aより多収となり、品質低下はみられなかった。 |
技術情報 平成29年(2017年)農試・環境部
温暖化が水稲の養分吸収に及ぼす影響水稲の主要養分三要素の吸収量は温暖化を想定した高温処理条件で増加した。将来の温暖化条件において安定栽培を行うには、基肥量の削減が必要であるが、養分吸収量に比較して収量性は高くなく、肥料の効率は低下した。 |
技術情報 平成29年(2017年)農試・環境部
土壌の理化学性からみた大豆高収圃場と低収圃場の違い大豆高収圃場と低収圃場の土壌の理化学性の違いは、土壌水分、物理性及び化学性の諸要因が挙げられ、圃場によって異なる。物理性では作土深、作土の仮比重、化学性では交換性石灰、全炭素、全窒素が収量に及ぼす影響が比較的に大きい。 |
技術情報 平成29年(2017年)農試・企画経営部、農業技術課
水稲の代かき、収穫作業におけるビデオ、テキスト等の学習教材を用いた農作業ノウハウの継承を補助する簡易マニュアルビデオ映像及び聞取り調査により農作業の知識・技術・技能・暗黙知といった農作業ノウハウを抽出し、学習教材を作成する簡易マニュアルを作成した。 |
技術情報 平成29年(2017年)農試・作物部、農業技術課
麦作におけるカミツレの発生消長と晩播による防除効果カミツレの発生は、麦の標準期播種では播種1ヶ月後に最大となる。麦の晩期播種によりカミツレの出芽及び残草量が大幅に低下する。 |