研究成果『作物』
長野県農業関係試験場にて取り組んだ「作物」の研究内容とその成果をご紹介します。
普及技術 平成12年(2000年)農事試験場
高冷地における水稲の全量基肥施肥法高冷地において、慣行の穂肥窒素量をシグモイド型60~80日タイプの被覆尿素により基肥に配合して全量基肥施肥をすると、施肥の省力化が図られるとともに、慣行と同等の収量・品質が得られる。 |
普及技術 平成12年(2000年)中信農業試験場
前作物の種類に応じた畑地そばの施肥管理技術そばの安定多収には、輪作体系に組み入れた栽培が有効である。施肥量の多い野菜後の1作目は無施肥でも良い。養分吸収量の多い飼料作物の後作や、そばを連作する場合には、標準量の施肥を行う。 |
普及技術 平成12年(2000年)南信農業試験場
水稲奨励品種「伊那糯15号」の栽培法水稲「伊那糯15号」の高品質・安定生産には、栽植密度は22株/㎡程度、基肥は地域の基準施肥量、追肥時期は幼穂長2~10mm期がよい。 |
普及技術 平成12年(2000年)南信農業試験場 農事試験場
水稲「伊那糯15号」は晩生の早・良質・強稈・安定多収の糯品種で.特におこわ・大福等に適する水稲「伊那糯15号」は、「モチミノリ」よりやや早い晩生の早・強稈・安定多収の糯品種で、玄米・餅は「モチミノリ」より白く、粘り・食味とも良好で、餅は硬化しにくい特性を持ち、おこわ・大福等に適する。 |
普及技術 平成12年(2000年)農事試験場 南信農業試験場
水稲乾田直播栽培における入水時期は稲の出芽揃期まで早めることができる乾田直播栽培における入水時期を出芽揃期まで早めても、初期生育に及ぼす影響は小さく収量への影響はない。入水時期を早めることで効率的な雑草防除が可能になり、スズメなどの鳥害が軽減できる。 |
試験して得られた技術事項 平成11年(1999年)農事試験場
DMI剤混用による無機銅剤のもみ枯細菌病に対する防除効果の低下スターナ耐性もみ枯細菌病菌の出現により、種子消毒剤として銅剤の使用が増えると予想される。銅剤は細菌病に効果はあるものの、いもち病、ばか苗病といった糸状菌病害に対して効果がないため、DMI剤(EBI剤)、あるいはベノミル剤と混用して使用される場合が多い。一方、DMI剤の単用処理は、もみ枯細菌病の発病を助長することから(平成7年の得られた技術事項)、DMI剤あるいはベノミル剤と混用した場合の無機銅剤の効果を検討する。 |
試験して得られた技術事項 平成11年(1999年)中信農業試験場
そばの根の分布ソバは痩せ地でもよくできることから、古くから火山灰土畑地帯で作付けが行われてきた。しかし、収量は 10a あたり 100kg 程度と低く作柄が不安定なことから、経済作物としての地位はあまり高くない。ところが近年、ソバは、健康食ブームや地域活性化の動きの中で、その中心的な作物として位置づけられるようになり、安定多収に向けた品種選定や栽培法の改善に関心が高まってきた。そこで、本研究では、ソバを標準的な栽培法で春夏の 2 回栽培し、根の長さおよび分布について調べ、今後の安定多収技術開発のための基礎データを得ようとした。 |
試験して得られた技術事項 平成11年(1999年)農業総合試験場 農事試験場
10条代かき同時土中点播機は8条型に比べ1.5倍に作業能率が上がった平成10年度に普及に移した「代かき同時土中点播機(通称:ショットガン直播機)」は作業幅が2.4mの8条型であったが実際の作業に際しては作業能率の高い10条型が主流となる。10条型代かき同時土中点播機の作業能率が明かとなったので、播種作業計画立案の参考資料として活用する。 |
試験して得られた技術事項 平成11年(1999年)農業総合試験場
パイプハウスビニール裾自動開閉装置は水稲育苗作業の省力化に有効であるビニールハウスを利用した水稲育苗において、生育適温を保つための朝の裾ビニールまくりと夕方の裾おろしは欠かすことのできない作業である。この作業は軽作業ではあるものの育苗期間中毎日行う必要があるため精神的な負担も大きい。ビニール育苗ハウスの裾まくりを自動化することで育苗作業の省力化を図る。 |
試験して得られた技術事項 平成11年(1999年)農業総合試験場 農事試験場
水稲乾田不耕起直播の研究・開発方向として実現性の高いのは部分耕不耕起直播方式である低コスト稲作栽培技術における一つの最終到達点が「水稲不耕起直播栽培技術」である不耕起直播機開発の方向性を定め、より効率よく技術開発を進める。 |
試験して得られた技術事項 平成11年(1999年)農業総合試験場
高性能無人ヘリコプターRPH2は有人ヘリコプターの代替として水稲の液剤少量散布防除作業に利用できる水稲栽培における病害虫防除は動力噴霧機による地上散布や有人ヘリコプターによる航空散布が中心であったが、近年は栽培者の高齢化や宅地化が進み徐々に産業用無人ヘリコプター(以下RCヘリコプターと略)の利用が増えている。しかし、RCヘリコプターは手軽ではあるものの農薬など資材の搭載量が少ないため頻繁に離着陸する必要がありオペレータの負担が大きい。平成10年度より「無人ヘリコプター利用技術指導指針」に加えられた高性能無人ヘリコプター(RPH2)による水稲液剤少量散布技術の普及を図り、水稲防除作業の省力化に貢献する。 |
試験して得られた技術事項 平成11年(1999年)農事試験場 農業総合試験場
高冷地における水田自動水位コントローラ(水口管理機)「深水番人」を用いた効率的水管理法気象条件の厳しい高冷地において発生が多い水稲障害型冷害の軽減化を図る。 |
試験して得られた技術事項 平成11年(1999年)農事試験場
「信交488号」・「信交485号」・「あきたこまち」の冷害危険期を示す生育ステージの予測県内主要早生品種について、冷害危険期の指標となる幼穂形成期、葉耳間長0、出穂期をDVRモデルを用いて推定し、冷害回避技術を効率的に適用する。 |
試験して得られた技術事項 平成11年(1999年)農事試験場
簡易温水田による水稲生育促進技術かつて、高冷地水田において本格的な温水田が生育促進、冷害回避の技術として取り入れられていたが、労働力不足、高齢化の進行でほとんど設置がみられなくなり、平成5年冷害の反省から溜め池の効果が見直された。このため、水張り調整水田などを用いた簡易な温水田を設置し水稲の生育促進により冷害回避を行う。 |
普及技術 平成11年(1999年)農事試験場
水田施用稲藁の腐熟促進に石灰窒素を施用した場合には施肥窒素を減肥する従来は水田施用稲わらの腐熟促進に石灰窒素を施用しても次年度の施肥窒素を減肥しなかった。しかし、環境保全型施肥技術としては10a当り石灰窒素20kgにつき水稲の基肥窒素1kg程度を減肥する。 |