研究情報

研究成果『作物』

長野県農業関係試験場にて取り組んだ「作物」の研究内容とその成果をご紹介します。

試験して得られた技術事項 平成14年(2002年)農総試

中山間地域対応自脱型コンバインは小区画圃場の水稲収穫作業に実用性が高い

中山間地域対応型自脱式コンバインは機体が小さいため、小区画水田における水稲収穫に適する。また、機体後方で歩行して操作できるため、圃場への出入り・畔越し・運搬車への積み込み等が容易に行える。

試験して得られた技術事項 平成14年(2002年)農総試

ロングマット水耕育苗・移植・栽培管理技術

水稲のロングマット水耕育苗は、育苗箱相当200g播きで2~3葉苗とする。田植作業は1人で可能、苗補給が省力化されるため従来方法に比べ4割程度の省力化が図れる。なお、田植機は、植付本数7~8本株、植付深さ3㎝程度に調整する。なお、箱施薬剤については登録外使用の恐れがあるため注意する。

試験して得られた技術事項 平成14年(2002年)農総試

麦類の水稲立毛間散播法における産業用無人ヘリコプター利用技術

水稲後作麦播種時期が晩限以降と見込まれる場合、産業用無人ヘリコプターを利用して、水稲立毛中に麦を省力的に散播し、水稲をコンバイン(排ワラはカッタ処理)で収穫することで適期播種が確保され、麦の生育・収量も安定する。

普及技術 平成14年(2002年)農事試験場

苗箱用けい酸質肥料イネルギーは水稲の健苗育成のために有効である

シリカゲルを主成分とするイネルギーを水稲の育苗培土に箱当たり100~250g程度を混和すると、けい酸成分を効率的に吸収させて健苗育成が可能である。

普及技術 平成14年(2002年)中信農業試験場

そば認定品種「開田早生」は、奨励品種(信濃1号等)の栽培が不適な高冷地での秋そば栽培に適した品種である?1?2

そば認定品種「開田早生」は、奨励品種(信濃1号等)の栽培が不適な高冷地での秋そば栽培に適した品種である。生態型は中間型で、開花・成熟期は「しなの夏そば」と「信濃1号」の中間に位置する。

普及技術 平成14年(2002年)農事試験場

小麦認定品種「東山31号」は耐寒・耐雪性が強く、高冷地・多積雪地で栽培できる

小麦認定品種「東山31号」は、中生で、耐寒・耐雪性が優れ、多収で、高冷地・多積雪地で栽培ができ、色相が明るい黄色で、外観品質及びゆでうどんの食味官能評価が高い品種である。

試験して得られた技術事項 平成13年(2001年)農総試 野菜試

歩行型枝豆収穫機(ミツワGH)は実用性がある

従来、手作業でしかできなかった枝豆収穫を機械化することにより、枝豆栽培の省力化を図り産地形成を支援する。

試験して得られた技術事項 平成13年(2001年)農総試

水稲用播種機に苗箱施薬剤施薬機(スズテックSDP)を設置することにより長期残効型箱施薬剤が播種と同時に施用できる

播種機設置型苗箱施薬剤施薬機の利用により、水稲育苗箱処理専用長期残効型薬剤(土入れから田植直前までいつでも使うことが可能な薬剤、平成12年度普及技術)を播種時に処理することで、田植直前での育苗箱への薬剤散布作業を省略する。

試験して得られた技術事項 平成13年(2001年)南信試

酒米の良質安定生産のための適正栽植密度と追肥時期

酒米は大粒で心白発現のよい良質米が要求されているが、県下の酒米産地は多収地帯が多く、品質の低下が指摘されており、酒造好適米「美山錦」及び新品種「ひとごこち」の酒造用高品質米生産のための良質安定栽培法を検討する。

試験して得られた技術事項 平成13年(2001年)農事試

大型収穫機を利用するための飼料イネの水管理法

飼料イネの収穫には、現状では畜産農家が所有しているトラクター牽引の大型収穫機が用いられる場面が多く、軟弱な水田では作業機が沈み、効率的な収穫作業ができない。このため、早期落水により収穫時の水田の地耐力(土壌硬度)を高める必要がある。しかし早期落水は、イネの生育を阻害し、生産量の低下が懸念される。このため、飼料イネの生産量を落とさず、効率的な収穫作業を可能とする土壌硬度を得るための、水管理方法について検討した。

試験して得られた技術事項 平成13年(2001年)農事試 南信試

水稲の帯緑色籾歩合と米の品質及び胴割との関係

長野県の平成12年産米は、高温登熟と収穫期の遅れにより胴割米が大発生し、卸・流通業者からの苦情、在庫の停滞が問題となった。長野県産米は1等比率は他県より高いものの、胴割による等級低下割合は全国1位である。このため、恒常的な収穫遅れを是正するため、平成13年度より「帯緑色籾歩合」による収穫時期判定を試行した。しかし、帯緑色籾歩合と収量・品質・胴割との関係を明確に実証しないまま試行したため、この関係を明確にし、適期収穫の指針を作成する。

普及技術 平成12年(2000年)農事試験場

イネばか苗病、苗いもち、もみ枯細菌病(苗腐敗症)、苗立枯細菌病防除に温湯処理が有効である

リンゴ輪紋病・炭疽病の防除にダイパワー水和剤の1000倍液を散布する。芽出し2週間後から落花25日後ごろまではさび果を生じるおそれがあるので使用しない。

普及技術 平成12年(2000年)農事試験場

高冷地水稲における湛水前早期の全量基肥施肥法

慣行の基肥相当のリニア型30日タイプと慣行の穂肥相当のシグモイド型80日タイプの被覆尿素を配合して施肥することにより、窒素肥料流亡の問題なしに湛水前早期(田植え1か月前頃)に施肥することが可能であり、農繁期の作業の集中回避と穂肥労力の省力化に有効である。

普及技術 平成12年(2000年)農事試験場

速効性窒素肥料とシグモイド型被覆尿素を組み合わせた水稲の全量基肥施肥法

シグモイド型100日タイプ程度の被覆尿素を基肥時期に施用すると、慣行の穂肥時期に急速に窒素が溶出する。そこで、穂肥窒素量をこれで代替して慣行の基肥に配合して全量基肥施肥を行うと、慣行と同等の収量・品質が得られるとともに施肥の省力化が図られる。

普及技術 平成12年(2000年)中信農業試験場 農事試験場

だいず認定品種「東山187号」は納豆加工に適した小粒品種である

だいず「東山187号」は、ダイズモザイク病に抵抗性で褐斑粒の発生がほとんど無く良質で、裂莢しにくく、「納豆小粒」に比べ耐倒伏性に優れ最下着莢高がやや高い、早生の納豆用小粒品種である。

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長野県農業関係試験場は、県内6つの試験場を中心に農業・水産業の課題解決のための試験研究を行っています。

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