病徴と診断

ブナシメジ生育中に子実体の株元から白い菌糸が厚く覆い、子実体を溶かし、やがて萎れて最後は枯死する。接種から生育前期までに感染すると、子実体への被害が大きい。エノキタケほど被害株の発見が難しくないが、胞子は飛散するため注意が必要である。本病菌の分離には、わたかび病菌選択培地RM3培地を用いる（https://www.agries-nagano.jp/research/genre03）。被害ビンからの釣菌または栽培施設からの落下菌、付着菌を採取し、20℃で培養し、培養後コロニーを観察し診断する。

発病条件

本病は、糸状菌のクラドボトリウム・バリウムが原因菌である。低温性の糸状菌であり、冬～初春にかけての寒い季節の被害報告が多い。子実体にわた状の菌糸が発生するころには、胞子が飛散し、施設全体を汚染して被害が拡大する。接種室等での空気感染、菌かき機からの接触による感染、また、収穫時等の被害株への接触で胞子が飛散し、被害を拡大させると考えられる。

防除方法

１．被害ビン・株の抜き取り直ちに殺菌処分
２．菌かき機刃の除菌等。
３．被害株への接触による胞子飛散対策（作業者の専任等）
４．詰め場等での粉塵飛散防止対策。
５．施設内の清掃および除菌。