多分野連携研究の取組み
長野県では「しあわせ信州創造プラン(長野県総合5か年計画)」に基づき、
①次世代産業創出
②農山村産業クラスター形成
③環境・エネルギー自立
の3つのプロジェクトを推進するため、「産業イノベーション推進本部」を設置し、長野県産業の活性化を図り、元気な地域づくりに向け、部局を横断して施策に取り組んでいます。
産業イノベーション推進本部では、課題別のタスクフォースを立ち上げ、平成26年度からは次世代産業を創出する技術開発を行うため「信州農業を革新する技術開発タスクフォース」(多分野連携タスクフォース)が追加されました。
農政部は、信州農業を革新する技術開発タスクフォースに参画し、農業者の高齢化や担い手不足に対応するため「信州農業を革新する技術開発推進事業」を新たに創設しました。
「信州農業を革新する技術開発推進事業」は、異分野・異業種の知識や先進技術等を農業に活用するため、農業試験研究機関と多分野の農商工(産・管・学)連携によるコンソーシアム等を設立し、農作業の機械化・軽労化などを可能とする革新的な技術開発に取組み、高齢化に直面している長野県農業の発展に結び付けることを目指しています。
※「多分野連携タスクフォース」は、平成28年11月に「信州農業を革新する技術開発タスクフォース」に改称されました。
信州農業を革新する技術開発の推進
めざすところ
農業における課題の解決に向けて、様々な分野・業種の技術シーズを導入することにより、従来にないアイデアで革新的な技術開発を進める。
平成27年度着手課題
コンソーシアム構成員 | 長野県、信州大学工学部、片倉機器工業(株)、長崎県、JA全農長野、JA全農長崎、JA島原雲仙、ヤンマー(株) |
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進捗状況等 | 刈取り・調整を自動化した“収穫機”を試作。 平成28~29年度は収穫・調整の精度向上に向けた改良を加え、定植から収穫までの機械化一貫体系の確立に着手。 |
開発目標年度・効果 | 平成30年 収穫作業の省力化による規模拡大とコスト削減 |
コンソーシアム構成員 | 長野県、信州大学繊維学部、明石工業高等専門学校、NPO諏訪圏ものづくり推進機構、インダストリーネットワーク(株)、(株)牛越製作所 |
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進捗状況等 | 試作機を製作し、畦畔の走行性を検証中。 28~29年度は畦畔の走行性と草刈りの効率性をアップした改良機を試作。 |
開発目標年度・効果 | 平成30年 省力化・軽労化による水田経営の規模拡大と所得向上 |
コンソーシアム構成員 | 長野県、日本電熱(株)、(株)ディーエルディー、(株)森のエネルギー研究所 |
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進捗状況等 | 県内の施設栽培に適した燃焼・送風・温度制御システムの開発に向け、既存薪ボイラーの能力を検証中。 28~29年度は燃油ボイラーと薪ボイラーとの併用システムの能力を検証。 |
開発目標年度・効果 | 平成29年 燃油コスト削減、自然エネルギーへの転換 |
平成28年度着手課題
コンソーシアム構成員 | 長野県、諏訪東京理科大学、(株)イデアルスター |
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進捗状況等 | 植物の生育に必要な光を透過するフィルム状の発電装置を実用化し、農産物の収量・品質を維持しつつ、農業生産に必要な電気の自給を目指す。 28~29年度は試作の発電装置を用い、ブドウ雨よけ栽培で収量・品質への影響と発電量を調査する。 |
開発目標年度・効果 | 平成31年 コスト削減、中山間地への施設栽培の拡大 |
コンソーシアム構成員 | 長野県、富山県、香川県、(株)クボタ、(株)ネイブル |
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進捗状況等 | 収穫物の運搬や積み下ろしを軽労化でき、高齢者や女性でも取り扱いが容易なリフトアップ装置を開発する。 28~29年度はリンゴや加工トマトの積み下ろしにおける作業性を検討する。 |
開発目標年度・効果 | 平成31年 軽労化、規模拡大 |
平成29年度着手課題
コンソーシアム構成員(予定) | 長野県、理化学研究所 |
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開発目標・平成29年度の取組 | ブドウ等において、果皮色と糖度に加え、これまで測定が困難であった「酸度」も同時且つ簡便に測定できる安価な端末機器を開発する。 29年度はそれら測定項目の非破壊測定方法について検討する。 |
開発目標年度・効果 | 平成32年 高品質な果実生産、所得向上、技術継承 |
コンソーシアム構成員(予定) | 長野県、東京大学、民間企業、JA |
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開発目標・平成29年度の取組 | 「市田柿」の加工は、手作業で行っており、担い手の減少・高齢化に対応した作業の機械化・省力化が課題となっている。 そこで皮むきと連吊り工程のロボット化を実現するための技術を開発する。 |
開発目標年度・効果 | 平成32年 軽労化、規模拡大 |